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ふたり芝居をインスタライブでやってみたことについて

5月23日土曜、役者の板橋廉平くんとインスタライブにて、「保険業界の女上司とその部下のリモート会議」というふたり芝居を生配信しました。

有難いご意見をたくさん頂きました、まずは本当にありがとうございました。


ひとり芝居で長らく舞台に乗せていた、「保険業界の女上司」

という演目をベースに、
実際の会社では今こんなやりとりが成されているのではないだろうか?という想像のみで作ってみた芝居です。

3日間くらい廉平くんとあーでもないこーでもないと話し合って、衣装合わせしたり

フリップ作ってなんやらやってみたり

もちろん決定的なものは欠いてるんですけど笑とても楽しい期間でした。

本当に悔しいんだけど、今、生身の演劇は出来ません。皆さんの前に身体を晒せないし、皆さんに1つの空間に集まってもらう事が出来ません。

かと言って映像に残してしまえば、なにか僕らが思う演劇の面白さを好ましくない形で削ぎ取ってしまう。
今出来る限りの、嘘のない形で芝居やりたいね、って事で始まった企画でした。

リモート会議は今まさにどこかで行われている。それを生配信し、アーカイブは残さない。

その場に来てくださった人達だけが見られて、その場にいなかった人は残念だけど見れない、次を楽しみにして、次に見に来たり見に来なかったり。
そのやり方を守るのが、僕たちなりの演劇って事にしたかったし、その場だけのものを大切に扱いたい、って事でした。
だから、あの瞬間に感じた気持ちや感想は、僕たちだけの宝物です。グヘヘ。

でも、またやるので是非見に来てください、宜しくお願い致します。

そして、こんなご意見を頂きました。

まず、少しでも不快な気持ちにしていたら、ごめんなさい。

あえて雑にものすごく簡単に話すと、リモートワークの手ぬかりが発覚して、部下が上司にどんどん詰められていく。という内容の芝居でした。

現実を重ねて見てくださって、そこから嫌な思い出や不快な体験を思い起こしてしまったのかもしれません。本当のことはわかりませんが、きっと想像力や思い起こす力がとても豊かな方なんだと思います。辛い気持ちにしてしまってごめんなさい。

その問題について、書いていきます。

僕がひとり芝居を作るときも、今回のふたり芝居を廉平くんと一緒に作ったときも考え方は全く一緒で、

舞台を通してキャラクターを見ることで、

「職場にいるあの人によく似てるけど、もしかしてあの人はこういう気持ちでこんな事言ってたのかも」

「あの人ああいう余計なことばっかりするけど、もしかしてこういう事情でそうせざるを得ないのかも」

"だったらあの人ってもしかしたら私が感じてた人と違うかも??"

そんな風に、一歩引いて見ることで、よく知ってる(つもりになってる)苦手な人ともう一度出会い直して欲しい。

そんな事を思って作っています。


もちろん何度出会い直しても苦手なまんまだったり、余計嫌いになっていく人はたくさんいます。

嫌いから好きになることもあるし、好きから嫌いに、普通から普通に。いろいろ。

だけど、人が行動を起こすときはきっと本人にしかわからない特別な理由が必ずあって、

それを芝居を通して遠くから眺めてみると、意外にチャーミングかもな、って一瞬だけでも思えます。

あの上司は画面から出て皆さんを詰めたりしません笑 皆さんに危害は加えないので、自由に想像してみてください。身近な誰かに重なるのならその人を重ねてみてください。自分の思いや感情を抜きにして。

意地悪とか強く見えるだけの上司だったかもしれませんが、あの姿に滲む寂しさとか抱える怖さ、この子をちゃんとした営業マンに育てないと!という焦りや使命感。そんなものも少しはあるのかもな。って感じられたら、面白いかもしれません。
(まあこれは僕が表現できてなかっただけかもしれませんそれはごめんなさい笑)

許せなくても、辛い気持ちが出てきても、少しだけ、冷静に見つめられるかもしれません。

芝居の中の、ひと事だから。

そういう勝手な想像を積み重ねて人の色んな面を覗き見てみる事が大事だと僕は思うし、その過程が面白いって思うので、

これからも可能な限り、面白さを損なわない程度にリアル過ぎるものを作り続けたいと思います。

役者や作られたものよりも、生身で生きてる人間の方が生きていく中でよほど芝居をしていて、よっぽど豊かでよっぽど面白いからです。
まだまだその面白いリアルを学ぶことばっかりですが。


生きてるだけで人は面白いって思います。
怒る人の剣幕も垣間見える愛情も涙を堪えながら顧客の情報を報告する顔も。笑

どういう風に見えようが、みんなきっと必死で生きてます、それを隠したり隠せなかったり、それが面白いです。で、それは、笑っていいんです、想像して笑うことは、人をバカにする事とは違うから。

生きてるだけを認め合うことだから。

そういうもの全体を「面白いかも」と思えたら、人が生きてる事自体を肯定できます。自分も他人も。

そしてこの芝居と同じような状況を見たあとや経験したあと、少しだけ息がしやすくなったらいいな、そんな風に思っています。裸の意見、本当に嬉しかったです。ありがとうございました!

長々とすみません。。そして最後に。




ただただつまらなかっただけだったらまじでごめんなさい笑

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