「今、何を大切にするべきか?」

少しずつ、新型コロナウイルスが生活に与える影響が大きくなってきています。
イベントや行事が中止になり、学校が休みになり、外出の自粛が促され。
社会ではいま、今までにはない困難な状況に見舞われています。

日本は民主主義の国です。
政府(行政)は基本的には国民に対し、お願いをするのみです。
もちろん法律によってはある程度以上の強制力もありますが・・・

この前提は、国民がそれぞれ、必要な判断をし、行動する。というところだと思います。
必要な判断をし、行動する、という前提は何でしょうか?
わたしは以下の2つがその前提になると考えています。

1、行政からの正確でタイムリーな情報提供
2、個々人の考える力

1、については必要に応じて行われているはずです。

ここで考えていきたいのは「2、個々人の考える力」です。

最近、明らかにデマに惑わされた結果起きた困った行動がたくさんあります。
・トイレットペーパーがないらしい、となったら薬局に並ぶ
・クルーズ船から降りてきた人は、検査で陰性となっていてものにウイルスあつかいされる
・パリで日本料理店の壁に、「ウイルス!」と落書きされる
・パレスチナで、歩いている日本人が暴行を受ける
・週末の外出自粛要請に際し、なぜか日用品の買いだめが行われる
etc

枚挙にいとまがありません。
なぜこんなことが起きてしまうのでしょうか。

これは個々人に考える力が不足しているからではないでしょうか。
ここではもう少し、考える力の中でも「メディアリテラシー」という情報を読み解く力について考えてみたいと思います。

「メディアリテラシー」とは、個人が、受信する様々な情報を正確に読み解く力です。
現代では、だれもが情報の受け手であると同時に、情報の発信者にもなりえます。
メディアといえるものも、テレビ・新聞・雑誌だけでなく、ネットメディアと呼ばれる多くの媒体が存在します。

今回のケースでいくと
テレビで情報が流される
より詳しいと思われる情報や具体的な情報がインターネット、特にSNSを使って流れる。
人々が行動を起こす。

という流れだろうと思います。
今まではテレビや新聞の情報というある程度確度の高いと思われる情報が主だったので、そのまま人々が行動を起こしても大きな問題は起きませんでした。
しかし今は、これに個々人が流すSNSでの情報があります。
この情報は、個々人がたまたま体験したことを中心に流されます。
たまたま行った薬局でトイレットペーパーがなかった。というようなことです。
空の棚の写真を撮り、それをSNSで流します。
見た人は驚き、「いいね」や「シェア」をします。とてつもない勢いで拡散します。
多くの人は、
「ある特定の薬局でたまたまトイレットペーパーがなかった。」
とは思いません。
「薬局にはトイレットペーパーがない!!」
と思うのです。
となるともう、
「トイレットペーパーがお店にない!」というコメントとともに、空の棚の写真がさらに流れるのです。

ではこんな広まりはどのように抑えるべきなのでしょうか?
もちろん、情報を読み解く際に、それがどの程度正しいのか、もしくは、普遍的なものなのか、たまたま起きた例なのか、を複数の情報源にあたって確認することがベストです。
そうすれば、自分の理解も正しくなり、誤った情報を流すことにもなりません。
でもせめて、驚いたとしてもそれをさらに拡散することをやめるだけでかなり状況は変わります。

いずれにせよ、正しいと自信がもてるもの、誤解を受けることがない、と自信が持てるものだけを自分に取り入れれば問題は減るでしょう。
それがメディアリテラシーであり、今大切にしなければいけない、考える力 なのではないでしょうか。

こんな力はどのようにつけるのか?常に考えるトレーニングをし続けるしかありません。

時事学では最新の新聞記事を題材に考える力のトレーニングができます。



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