手紙。

手紙って好きですか。私は好きです。とても。
手紙が好き、というより手書きの字が好きなのかもしれない。
いつからだったかはわかりませんが、気づいた時には人の字というものによく興味を持っていたな、と思います。


字には個性が溢れている。そのひとの人となりまで分かるとは言わないけれど、大きく書く人、小さく書く人、右上がりの字、丸っこい字、毛筆みたいに始筆がカクッとなったり、全く跳ねなかったり。

好みの字とかも人それぞれあると思います。ちなみに私は、大きく書く方が好きです。


小学校とか中学校の頃、先生が名無しのプリントを見て、これは男の子の字だな、女の子っぽいなって言っていたのって、よく考えたらすごく不思議じゃないですか?
なんで字に性別が出るんだろう。

そりゃ、男女の筋肉量の違いで、力強くなったり優しくなったりするんだろ、なんて言わないでくださいね。そんな生物学的な話ではないんです。

私が手書きの字に魅力を感じるのは、気持ちがこもっているか無機質に書いているのか、一目瞭然だからなんだと思います。
字が綺麗な人もいればそうでない人もいるけれど、どんなひとでも、その字に気持ちが乗っていれば、絶対にそこから感じるものがある。


今の時代、SNSで何でも発信できる。このnoteだって然りですよね。気持ちを伝える手段として、LINEだったりDMだったり、メールや電話もあります。


告白、とかプロポーズとかそういう大切なことは直接会って伝えるのがベターですが、ちょっとしたありがとうの気持ちやなにかのお詫びではどうでしょう。機械に打ち込まれた文章よりも、少し手間をかけた手書きの文章のほうがあたたかくないですか。


そういう思いがあるので、何かプレゼントを渡す時、ささやかなお菓子などでも小さなメッセージカードを添えるし、置き手紙も私はよく書きます。
もちろん大事なときには、長めに丁寧にお手紙を書きます。
時にはかわいらしいイラストなんかを少し。


手書き派はマイノリティかもしれない。
だからといって、「みんな、想いは手書きのメッセージで伝えよう!」なんて運動を起こす気はない。

でもデジタルで想いを伝えられるこの時代に、わざわざ紙とペンを用意して、相手のことを考えながら、インクを減らす。

書きながら照れ臭くなることだってあるけれど、受け取った相手はその照れも含めて嬉しさに変わるんです。そんなの素敵じゃん。

短くてもいい、ありきたりな言葉でもいい。
人それぞれ受け取り方は違うだろうけど、私は、いちばんに字を見てそこに込められた想いを感じとります。
手書きで気持ちを伝える文化が、時代と共に薄れていってる気がして、少し寂しい。

何度も言うように私はよく手書きのメッセージを送ります。特に恋人には。
彼は、恥ずかしくなってしまうようできっと手紙を書くことは苦手なんだろうな、と思います。
その証拠にまだ一度も彼から手書きのお手紙をいただいたことはありません。寂しい。
字を見たことは何度もあります。とても好みの字です。大きくて柔らかくてそれでいて男らしくて。

私はこれからもなにかの度に、手書きで想いを伝えるつもりですが、彼からも一度でいいからお手紙、もらってみたいなあ。


では。



【追記】
思い出した。手書きを好むようになったきっかけ。
初恋の相手との甘酸っぱい記憶。
その人と別れてから、あまりいい記憶ではなかったけれど、始まりの手紙は今思い返しても良いなあと思う。



授業中に手紙を回す、あれ。
隣同士の席なのに、見られないように書いて渡してた。いくらかそれが続いて、どちらからともなく、いや、どちらからも、が正しいかな。
好きです、を片方が。付き合ってください、ともう片方が。

彼から送られてくるものには、欠かさず名前の後ろにサッカーボールの絵がついていた。
いつの間にか、私もサッカーボールを描くようになった。

その人の字も好きだったなあ。そうだ、思い出した。なぜか大人っぽく見えてたんだ。




良い思い出は、ここまでなんですけれど。
でも手書きの字、お手紙って記憶に残るしふと思い出した時にすごく懐かしさを感じます。

長くなりましたが、伝わったでしょうか。
私は、お手紙が好きです。


ではでは。

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