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いつも夢中になったりダブって買ってしまったり(ぼくには書庫の整理が必要!ほぼゼッタイ)


ここ最近書庫を整理している。

確実にいらねえCDRとかいろいろ捨てまくったりして棚のスペースを空ける努力をしていると、2年前ぐらいに小西康陽さんから頼まれた音源資料が発掘された。潰れてしまったMacノートブックに入っていて、取り出し不可能だったので諦めたやつ。今度送っておこうと思う。遅いだろうけど。この潰れてしまったMacの中にはけっこう貴重な音源入ってるんだよなあ。アレとかコレとか西荻某所(ライブハウス)某アーティストが昔演ってた某バンドのライブテイクとか。

そんな貴重音源もさることながら、高橋よしひろの「悪たれ巨人」も発掘された。犬マンガという稀有なジャンルを切り開いた高橋センセによる野球マンガなんですが、これ、なんで持ってるんだろう。中野ブロードウェイで買ったんだよなあ。急に読みたくなったんだろうか。しかも全巻じゃねえし、後半の各球団がジュニアリーグを持って対抗戦をするっていうプレ「キャプテン翼」な展開になり盛り上がってくるなあ、、の直前で単行本は揃ってない。どうしよう、、揃えるの?オレ。佐藤宏之の「気分はグルービー」(バンド青春もの)は傑作なので本棚陳列合格。なんてやってると時間はあっという間に過ぎていく。途中、水島新司の「大甲子園」を読みふけったり「野球狂の詩」水原勇気編に涙したりしてると作業は滞りまくり。ハロルド作石の「BECK」を10年ぶりぐらいに読んでフツーに全巻読破しちゃいましたよ。なので書庫部屋の整理は遅々としつつ、床は見えたので進んではいます。はい。

大友克洋の単行本を段ボールから救出しようと封を切ると「ぎゃぐまげどん」、「文化人類ぎゃぐ」と初期相原コージの単行本が発掘された。うわあ、懐かしい。「コージ苑」でブレイクした頃、読んでたやつだ。この頃はジャンプからもすっかり遠のいており、ほぼビッグコミックスピリッツ読者になろうとしていた時期だ。87年頃だったんじゃないかなあ。キャロル・ベイヤー・セイガーは「文化人類ぎゃぐ」で知ったな。

相原コージを薦めてくれたのは高校時代の友人Kだった。70年代フォークソングをこよなく愛する彼は初期かぐや姫や吉田拓郎、チューリップにご執心な男だった。最後に会ったのは90年代の終わりで、mixiかなんかでつながって先日Twitterでやりとりしたばかりだ。そうそう、このKがボクの柳沢きみお熱を後押ししたのは忘れちゃいけない。

「瑠璃色ゼネレーション」を立ち読みした程度のボクが重度の柳沢きみお狂になってしまったのはKが「コレ、必読」と貸してくれた2冊の単行本、コレが大きい。そう、柳沢が青年誌への本格的シフトする大きなきっかけともなった「愛人」である。ただれたエロスと中年特有の人生への倦怠感を描き切ったこの作品は渡辺淳一、谷崎潤一郎、もしくは江戸川乱歩らと並べてもおかしくない人生の業が静かに描かれている。出だしこそポップな「瑠璃色〜」だが、物語が進むにつれヘヴィになっていく。つまりボクの中でこの時期の柳沢は立派な文学として成立するとあえて断言したい。エロス=文学。思えばネットがないあの時代だからこそ成り立つ表現だったのかもしれない。

「愛人」の続きは自分で買った。次にKは「Bのアルバム」なるヤングマガジンレーベルから出していた大人向け短編集を貸してくれた。妻が妊娠して入院、その妹が家事手伝いでやってくるが、あまりの魅力に惚れてしまって云々という設定はその後の柳沢の別作品で頻度高めで使用されるが、おそらくその初登場となる短編も収録されている。つまりある日同級生の女の子と同じ家ひとつ屋根の下で暮らすことになり(「翔んだカップル」)の変形大人版の発想ですね。大人の寓話というか妄想が詰まった短編集。会社に行きたくない中年が突然失踪しようとするがある女性と知り合い、、みたいな。ビター&スウィートな味つけが癖になるのでボクはだいぶ長期間借りっ放しだった。Kが「返してよぉ」と呻いたので即返却。その後もちろん自分で買いました。

あの時代はまだ本屋で立ち読みし放題だった(東北はね)。それゆえに面白い作品を見つけることも容易だった。まあその文化は今電子書籍の読み放題につながってるんでしょうが、あの時代の立ち読み解放ルールがなければ「男の自画像」、「流行唄」、「俺には俺の唄がある」、「妻をめとらば」には出会うことができなかったんですよね。あ、「クッキングパパ」(うえやまとち著)もね。「沈黙の艦隊」の100倍面白いかわぐちかいじの「アクター」もそうなんすよ。大衆演劇の女形が主人公で「四谷怪談」編とかモッ最高ッ。そういやこの発掘作業でまだ出てきてないんだよなあ。買い直しかな。どう思います?

整理しているとダブりも多いことに気づく。いわゆる作家愛の過剰な形。

「ダンス・ダンス・ダンス」村上春樹        講談社文庫 3種類(表紙違う)
「さらば雑司が谷」樋口毅宏 文庫じゃないのを2冊 
「なんとかなるでショ!」江口寿史 角川版 2冊
「ガラスの仮面」美内すずえ 文庫版22巻が2冊
「光の小次郎」水島新司 文庫版2巻が2冊
「ドカベン」水島新司 文庫版9巻が2冊
「コインロッカーベイビーズ」村上龍 上巻2冊
「夏の扉」ハイライン 2冊
「対岸の彼女」文庫版 角田光代 2冊
「一瞬の光」文庫版 白石一文 2冊
「博士の異常な愛情」水道橋博士 2冊


なぜか見つからないやつ
「20世紀少年」浦沢直樹の2巻と3巻
「おやすみプンプン」浅野いにお 1巻だけ行方不明
「3月のライオン」羽海野チカ 9巻行方不明
「H2」あだち充14巻と16巻以外全部
「僕のなかの壊れてない部分」文庫版 白石一文 
「洗礼」楳図かずお 文庫版全部
「漂流教室」楳図かずお 文庫版全部
「夢工場」弘兼憲史 コンビニ版の4巻行方不明
「ラストニュース」弘兼憲史 全部


なんつうか、こうしてラインナップを振り返るとおのれの変わりなさに唖然とするというか安心するというか。本棚とレコードラックはひとなりを表すと言いますか。高校生、いや、中学生の頃から変わらぬ、もはや変えられぬ自分基準ってやつは健在なんだなあ。ダブるのは保存用とかそういうことではなく「唐突に今読みたい」→見つからない→いっそ買っちまうかということで増えたもの。なので整理は肝心ってこの10年ぐらいずーっと思ってた。だけどできなかったので今度こそちゃんとやる。ええ、やりますとも。見つからないのはね、よくわかりません。誰かに貸したのかブックオフに売ってしまった(それにしては中途半端)のか。どうすっかなあ、買い直し?よく考えますです、はい。

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