イヴァン・イリイチによる価値の回復「言葉の再発見」
1830年から1850年のあいだに、12人ばかりの発明家がエネルギー保存の法則を定式化した。彼らの多くは技師であり、おたがい独立に、宇宙の流動する生命力を機械の遂行しうる「働き」という観点から再定義したのである。実験室で可能な測定法が、数世紀にわたって「活力」と呼ばれていた神秘な宇宙の連鎖をそれ以降定義することのできる尺度となった。
おなじ時期に、工業ははじめて他の生産様式との競争に勝利した。工業の達成したものが、全経済における人間活動の有効性をはかる尺度となった。家事