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堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

第二章 暴虐の狂詩曲(ラプソディー)
289.善悪のスキル ②

はじめての方はコチラ→ ◆あらすじ◆目次◆

 アスタは一応念の為に全部知っている善悪に対して説明を重ねるのであった。(優しい)

「いや、だから善悪の能力は、命あるもの、人や動物、植物や昆虫、細菌やウィルス、海や空や大地に至るまで全ての命ある物から生命力、魔力か、聖魔力を吸収して望む効果で影響を与え続けられる『変成器トランスフォーマー』なんだろって話、さっきからそう言ってるじゃん、んまあ、ミッキョウ? の修行の弊害で思うように扱えないみたいだけど……」

「っ!」

 善悪にとって大事なキーワードが最後に出てきたようだった、そう密教の沙門しゃもん阿舎利あじゃり善悪は、実の所、神道の神話大好き、ギリシャ神話大好き、北欧神話大好き、ローマ神話大好き、エジプシャンとか涙ながら、アッカドとかその単語だけでご飯四杯イケる、中国の神話も、ブードゥーまで大好きな、えーと、うん、もうはっきり言おう、破戒僧であったのだ、良かった良かった!(いつもより強めです)
(※あくまでも観察者本人の感想です、実際の効用、効能を証明する物では有りません)

 実はここまで全くの無知だった善悪は偉そうに言った。

「ああ、やっぱり、あの幼児期から無理強いされた修行が邪魔していたのでござるかぁ! んな事じゃないかと常々思っていたのでござるよぉ! アスタが指摘してくれたから確信に変わったでござるが、僕ちんも、拙者も、某も、我輩もぉ、とぉっくぅにぃ、気が付いていたのでござる! ありがとね、アスタ!
まあ、ほんのキッカケに過ぎないのでござるが、小さな、本当に小さなキッカケを教えてくれて俺っちもちょっとだけ嬉しいのでござるよぉ~」

「おお、善悪が嬉しいなら我も嬉しいぞ、それに我の理解を試す為にワザと無知の振りをしていたんだな~、流石は兄上の後継者だ、感動したぞ!」

 どうやら、全能に近い善悪がアスタロトの知性を試してくれたクダリだったようである、なら、良かった良かった……

 皆、無言で固まっている(察しが良い)状況で、糖分摂取を終えたデブが油物を次々と口に運びながら言葉を発した。

「まあ、善悪は賢いからね、そん位は気が付いていてくれなきゃアタシが困るわよ!」

(ギックッゥ!)

「んで、お婆ちゃん! オルクス君がキビ団子と同じ感じのクラック? 裂け目を五つ見つけたみたいなんだけど、そこに行って『アーティファクト』ってヤツを取って来れば良いのん? 教えてクレメンス、エロババア、よっ!」

善悪に対してはヤケに甘いコユキの問いに、ババア、トシ子は答えるのであった。

「そうじゃのう、ヤギ頭の能力にはイマイチ信用できぬ部分があるが… 五つと言うならまず間違いは無いじゃろうて! よしっ、コユキよ行ってゲットしてくるのじゃ、この国に伝わる悪魔退治の専門家、『頼光四天王らいこうしてんのう』プラス源頼光、五人の残せし伝説の武具を集めて来やれぇ! 死なないでねん♪」

 良く分からないままに実の祖母からの初めての命令に気を引き締めつつ(体はゆるんだままです)コユキは大きな声で答えたのであった。

「りょっ!!」

 食べ物も随分減り、楽しい誕生会は自然、御開きの時を迎え始めているのであった。

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拙作をお読みいただきありがとうございました!

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