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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

第三章 苦痛の葬送曲(レクイエム)
492.強制参加

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 ベリアル、謙虚の徳が選んだのは、名前の通りウルトラなマンのシリーズから、悪役からゼットで味方っぽくなったベリアルだ。

 赤と黒の全身に巨大なクロー、爪が中二心をくすぐる、中々のチョイスと思える。

 レヴィアタン、感謝の徳は、自分と同じく水陸両用のキャラ達の中から、崖の上辺りの金魚っぽいぽによっとした奴を選んだ様である。

 知名度的には最大級であろう、頼もしい。

 寛容の徳であるパイモンは元々ネズミに擬態していた事も有り、同じ獣型の中から九つの尾っぽを持った狐を選んだんだってばよぉ!

 こちらも日本を代表する大人気作からのチョイス、良いのでは無かろうか?

 ベヒモスは節制の徳である、実の所パイモンが選んだ九尾の獣に目を付けていた様だが、そこは節制、譲った様である。

 やさしい彼が選んだキャラは、ピーチな姫を攫って世界一有名な配管工を待ち受ける韓国料理のライスインスープと同じ名前のヤツであった。

 緑と黄色の亀形ボディーも鮮やかである。

 アスモデウス、純潔の徳はお仕置きをお月様の代理で実行してくれる水兵カラーの女の子を選んでいた。

 確かに純潔、正しき戦うヒロインであるし、世界での知名度も抜群だ。

 マモンは満足の徳だが一早く決定した依り代はいささおもむきを違えた物であった。

 キャラが身に纏った聖衣クロスは青銅では足る事なく、新生そして最終段階へと進化していった筈である。

 恐らくはマモン自身が、自分の小宇宙コスモを燃やしてペガサスの様に高みに登りたいと願っているからでは無かろうか?

 こうして六柱の依り代が決定したのだが、勤勉の徳、ベルフェゴール独りだけは、じっと動かないままで決めかねていたのであった。

 善悪が厳しい表情を浮かべて言った。

「どうしたのでござるか! さっさと選ぶのでござるよっ! ここに有るキャラクター達なら世界中の誰でも知っているのでござるから、はっきり言ってどれでも大差ないのでござる! 早くしろよぉ~」

 分かり易くイライラしている善悪にも怯む事無くベルフェゴールは返したのだ。

「すみません善悪様、この中以外から選びたいのですが、やはりダメですかね?」

 善悪は言った。

「だーかーらぁー、ここに無いものは国内や一部マニア向けだって言っているでござろー、世界が東京、日本に注目しているのでござるよ? 世界向きな奴の方が良いでしょーがぁー! 聞き分けるでござるっ!」

「は、はい! 分かりました! そうですよね…… あれって只のパクリらしいし、駄目に決まってますよね、悪魔モグラ、しかも片腕が壊れているし」 ボソッ

 ピクッ!

 善悪がゆっくりとベルフェゴールの方を振り返り、目を見開きながら聞いた。

「べ、べ、べ、ベルフェゴール? 今、なんて言ったでござるか? せ、せ、拙者には悪魔とかモグラとか? 聞こえた様な?」

「あ、はい、悪魔モグラがいいなって思ってたんですが、正常な方は善悪様が大切にされてるんで、左腕が壊れている方でも良かったんですが…… すみませんでしたね、それ以外だとどれも同じなんで、この青い耳無し猫ロボで良いかなと――――」

 ガシッ! サッ!

 善悪は悪魔モグラのフィギュアを掴むとベルフェゴールの目の前に差し出したのである、しかも正常可動出来る方、家宝レベルで大切にしていたシリアルナンバーゼロの逸品をであった。

「ぜ、善悪様、これは?」

 驚いているベルフェゴールに善悪は言った、優しい笑顔を浮かべてである。

「ベルフェゴール…… ちみと僕チンは心の友でござる♪ これからは様付けなんてやめて、君、俺で呼び合おうではござらぬか、ん、んん?」

「は、はあ、有り難うございます…… 君」

「ふふふ、本物は本物を知るのでござるよ、ちみ♪」

「「「「「「……」」」」」」

 こんな感動的なやり取りを経て、依り代を得たアンラ・マンユ七柱は、スプラタ・マンユに合流する形で厳しい特訓を始めたのである。

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拙作をお読みいただきありがとうございました!


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