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堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

第二章 暴虐の狂詩曲(ラプソディー)
261.リヅパ

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 アスタロトの訳が分からない言葉を聞いたコユキがズバリ聞くのであった。

「リヅパ? どう言う事よ? アスタ、アンタ分かるようにちゃんと説明しなさいよ」

 コユキの問い掛けに同意するように善悪も頷いている。
 すぐに答えようとしないで、トシ子と手を握り合いキャッキャッと喜んでいるアスタロトにコユキがイラッとし始めた事に気が付いたのか、慌てて説明する声が響いたが、意外な事にそれは半透明な姿で善悪の首の念珠から出て来たゼパルの物であった。

「コユキさん、ボウ、実はアスタロトの旦那とリヅパさんは元々夫婦、それも旦那が夢中になって口説き落としたご愛妾あいしょうってやつなんだ」

「む、そうなの? で、ござるか? でもゼパルは何でそんな事知ってるんでござる?」

「そりゃあ、近くで見てたからだ、前に言っただろ、ダビデとソロモンに力を貸した事があるぜって、忘れたのかボウ? ギヘヘヘ」

「んでもゼパルさん、そのリヅパさんとウチのお婆ちゃんに何の関係があんのよ? まさか、乗っ取られたとか!」

 悪い予想を勝手にしといて、アスタロトの顔をキッと睨みつけてオーラを高めるコユキに対して、漸くようやくイチャイチャキャッキャッを中断してアスタロトが答えてくれる。

「乗っ取りでは無いぞ、安心しろコユキよ、トシ子のベース、魂と言うか『命』は元リヅパに宿っていた『命』、つまり同じ『命』を引き継いだと言う事だな」

 雑な説明でイライラ丸出しのコユキが更に踏み込んで説明を求めた。

「わけワカメよ! なに? 命イズムをお婆ちゃんが引き継いだってか? ああ、もっと分かり易く説明しなさいよぉ!」

 そこで一旦言葉を切ると、何のつもりか顎を前に突き出して続けて言うのであった。

「誰の説明でも受ける!!」

 これには物知りでゼパルやアスタロトと同じく、ソロモン七十二柱の一柱にも数えられているモラクスが静かに答える。

「生物の命は『炭素14』なのです。 半減期は五千年以上ですね、つまり食べられたり又は、老廃物や排泄によって他の生物に継ぎ渡して行くわけですが、極稀ごくまれに、他の元素と化学反応させることで元の命を欠損する事無く、次の命に受け渡す秘術を施された『命』が存在します。 トシ子様の『命』はそのような術を受けて、リヅパ殿の純粋性を引き継いでいると言う事でしょう」

「正解だ! 分かってるなモラクス!」

 アスタロトはご機嫌に言うがコユキと善悪はハテナ顔のままで眉間に皺を寄せている。
 そう二人とも残念な事に化学は得意分野ではなかったのである、得意は主にサブカルチャーに集中しているのであった。

 故にコユキは言うのであった。

「難しくて分かりづらいわ、ねえ、ガ○ダムで言って、しくはサザエ○んでお願い、えろい人」

 モラクスは顔を顰めるしかめる

「うーん…… その二つで、ですか? いや、ちょっと難しいです…… すみません」

 困っているモラクスに善悪が助け舟を出してくれるようだ、良かった良かった。

「オホン、モラクス君、だったら、このスバとか転スラとかでも良いでござる! あと薬屋とか蜘蛛とか熊とか狼とか人狼とか、分かるでござろ? ん、んん? あのサイトの作品からなら大体分かるでござるよ? んじゃ説明して、でござる」

「…………」

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拙作をお読みいただきありがとうございました!

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