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『不思議の国のアリス』巨大な子犬

『不思議の国のアリス』第4章で、アリスが巨大な子犬(enormous puppy)と対峙する場面。

タロット

この場面はタロット(大アルカナ)の寓意では11番の「strength」ですね。
「力」のカードはライオンが乙女の膝の上に乗っているデザインです。
「柔よく剛を制す」とか「愛は暴力に勝る」とか、大体そんな感じ。

というわけで、アリスが子犬を翻弄する場面も「力」を象徴するのです。

また、ここでは本文中にcart-horseという単語も使われていて、7番の「戦車」の寓意も含まれています。

「戦車」のカードは一般的なchariotだけでなく、cartやwagonでも表されます。

wagonはアリスがフルハウスで巨大化した時の「手押し車一杯の小石」a barrowful of pebblesの「手押し車」と考えられますから、これで正位置と逆位置が揃いましたね。

スコットランド

それはともかく、この犬の犬種は何なのでしょう。私は挿絵からケアーンテリア(Cairn terrier)と推測したのですが、他の犬種を挙げている人もいるようですね。
いや、品種名がついたのが1900年代なのだから、ここは「スコットランド産のテリア」だけでいいのか・・・。

この場面にはアザミも登場しますから、国花のアザミと特産のテリア犬でスコットランドを象徴しているのでしょう。

「『鏡の国のアリス』象蜜蜂と巨大な花」のアイルランドと同様のご当地ネタですね。

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