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[27. 鹿島アントラーズ戦] 2021年J1リーグの横浜Fマリノスをデータ分析する日記

こんにちは、kesuo-です。こちらの記事では、"2021年J1リーグの横浜Fマリノスをデータ分析する日記" シリーズの記事になります。このシリーズでは得失点のデータにフォーカスしてデータ分析を実施しております。

今回は、鹿島アントラーズ戦の得失点データを整理し、主に下記の3点を考察しました。

1. 前半に先制点を奪われると、試合に勝てないマリノス
2. マリノスの失点の傾向通りに得点を奪った鹿島の強さ
3. 守備陣のボールロストは命取り

鹿島アントラーズ戦の結果

日産で開催された鹿島アントラーズ戦は、0-2で敗戦しました。

それでは、得失点データについて確認していきましょう。

注意点

今回分析で使用したデータセットは私個人が作成したデータセットになっており、公式記録とは異なります。そのため、誤ったデータが含まれている可能性があることや、人によって解釈が異なるデータも含まれていることにご注意ください。データセットの作成方法に関しては、過去の記事で公開しておりますので、ご確認ください。

1失点目(FKからの得点)

得点者

アシスト者

準アシスト者

FK獲得者

FK提供者

2失点目

得点者

アシスト者

準アシスト者

ボールカット者

ボールロスト者

得失点データの考察

1. 前半に先制点を奪われると、試合に勝てないマリノス

9月以降の試合は、前半に先制点を奪われない対策が必須です。なぜなら、今年のマリノスは、前半に先制点を奪われたリーグ戦は勝利できていないからです。今節の鹿島戦も前半に先制点を奪われ、敗戦しました。

今シーズンのリーグ戦において、前半に先制点を奪われた試合を下記に示します。

第1節 川崎戦 0-2 負け
第2節 広島戦 3-3 引き分け
第23節 清水戦 2-2 引き分け
第27節 鹿島戦 0-2 負け ←New

上記に示した通り、前半に先制点を奪われた試合は、全て勝利を得ることができていません。理由を推測すると、マリノスが前半から焦りを感じてプレーをしてしまうこと、一方で相手チームは前半から守りつつ攻撃ができるここと、これらの要因でマリノスが逆転できない状況に陥ってしまうと考えています。

(ちなみに、後半に先制点を奪われた試合もありますが、勝利できている試合があります。第10節の札幌戦を振り返ると、後半に先制点を奪われましたが、終わってみれば3-1で逆転勝利できました。後半であれば、先制点を奪われて焦りを感じた直後に、強力な交代選手を投入することで、試合の流れを変えることができるのかもしれません。)

今後の対策として、前半で先制点を奪う、または、前半を0-0で終える、が勝利に繋がる対策だと思います。対策を期待しております。

2. マリノスの失点の傾向通りに得点を奪った鹿島の強さ

今節の試合について、個人的にマリノス戦に向けた鹿島の準備力が素晴らしかった、と考えています。その理由として、マリノスの失点の傾向を把握しているような得点の奪い方をしてきたからです。

今シーズンのマリノスの失点データを確認すると、マリノスの左サイドからの失点が多いことがわかりました。今シーズンのリーグ戦において、セットプレー以外の12失点のシーンを取り上げ、得点エリア、アシストエリア、準アシストエリアを紹介します。(得点エリア、アシストエリア、準アシストエリアについて、下記で若干補足します。)

得点エリア:相手チームの得点者がシュートを放った位置

アシストエリア:相手チームのアシスト者がアシストのパスを出した位置

準アシストエリア:相手チームのアシストのアシスト者がパスを出した位置

まず、下記でプレーエリアの考え方を簡単に説明します。

プレーエリアの考え方

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私のデータセットでは、フィールドを12分割してプレーエリアを記録しております。上図では、得点を決めたチームが下から上に攻めている状況を想定した場合の各エリアの名前を表しています。この前提を置いた上で、12失点発生時の相手チームから見た得点エリア、アシストエリア、準アシストエリアを確認しましょう。

得点エリア

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アシストエリア

スクリーンショット 2021-08-29 20.16.44

準アシストエリア

スクリーンショット 2021-08-29 20.16.55

上図において、注目すべきはアシストエリアです。右サイドにエリアが偏っていることが確認できます。例えば、ARの位置(右上)から4回アシストが発生したことが確認できます。つまり、マリノスの失点時は、マリノスの左サイド(相手チームから見て右サイド)を起点にされる傾向があることを表しています。

今節の鹿島の得点は、鹿島の右サイド(マリノスの左サイド)からの起点に2得点を奪っていきました。あくまで推測ですが、マリノスの失点の傾向を事前に把握した上で、スピードのある上田選手や土居選手を左サイドに配置してきたと思われます。私には、鹿島の準備力が勝った試合、に見えました。参考までに、今節の鹿島の2得点のプレーエリアの記録を下記に示しておきます。

■1失点目
得点エリア:AC
アシストエリア:AR
準アシストエリア:DR

■2失点目
得点エリア:AC
アシストエリア:BR
準アシストエリア:DC

左サイドの問題に対する今後の対策としては、左サイドバックと左サイドウィングの体力を考慮し、連戦ではスタメンを固定化しない後半での交代を必須化する、が今できる対策だと思います。

また、来年度の補強ポイントとして、左サイドバック、が候補の一つかもしれませんね。

3. 守備陣のボールロストは命取り

守備陣のボールロストをしない対策も今後重要になりそうです。その理由として、守備陣のボールロストから失点するケースが多いからです。今節の2失点目のボールロスト者も、左サイドバックで出場した和田選手でした。

今シーズンのリーグ戦における、マリノスのボールロストから失点したシーンを全てピックアップし、ボールロスト者のデータを揃えました。下記にボールロスト者とボールロスト回数を整えた表を示します。

スクリーンショット 2021-08-29 19.29.57

上図は、失点に直結するボールロストをしてしまった選手たちです。上図から、天野選手を除くと、全員がGK,DF,ボランチで主に出場する選手でした。つまり、セットプレーを除くと、大半の失点が守備陣のボールロストから発生している、と言えるでしょう。逆に、トップ下やFWの選手がボールロストしても、失点には直結しないことがわかります。

対策としては、守備陣の選手がボールロストしないように、FWまたはトップ下までボールをつなぐ回数を増やすことが対策の一つと思われます。また、仮にボールロストした場合は、ボールロストをした瞬間にボールを奪い返す、ボールを外に蹴り出してプレーを切る、が対策になると思われます。

おわりに

今回は、鹿島戦の得失点データをまとめ、下記の3点について考察をしました。

1. 前半に先制点を奪われると、試合に勝てないマリノス
→今節も先制点を奪われて敗戦。前半は、とにかく失点に気をつけよう。

2. マリノスの失点の傾向通りに得点を奪った鹿島の強さ
→マリノスの弱点である左サイドから得点を奪った鹿島。準備力が勝ったように見える。

3. 守備陣のボールロストは命取り
→今節は和田選手のボールロストからの失点が発生。守備陣のボールロストは要注意!

最後になりますが、水沼選手300試合出場おめでとうございます!

記事を読んでいただき、ありがとうございました。わかりづらい点や感想などございましたら、ご指摘をお待ちしております!

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