詩)手の中

人は誰もがその手の中に
何も握らず生まれて来る

唯一の繋がりであった
へその緒を切られ
何も持たず目も見えず
言葉さえ知らずに
外の世界に放り出される

時代や場所や環境によって
望むものの多くを与えられる事もあるが、
その逆の場合もありスタート位置は
必ずしも同じではない

それでも自ら望み
多くをその手の中に掴もうとする
時には掴んでいるものが見えなくなり
孤独に苛まれる事もあるが
それでも多くを掴み手の中に入れる

愛情であったり
悲しみであったり

名誉や地位や金
友人や家族や恋人

しかし、いつかはそれらを
手放さなくてはならない
終わりを迎える時
再び人は全ての繋がりを切られ
空っぽになるのだ
何も握らずに


最後までお付き合い頂き
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宜しければ御一読下さい。

集団
https://note.com/kesun4/n/n07c7c60650b5


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