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ヘドロとなって這いずり回る 時には空気の中に隠れ 時には海の上に浮かび ある日は電車の中で …
私は好き 私は嫌い 私が好き 私が嫌い 私も好き 私も嫌い 私を好き 私を嫌い たった一文字の…
桜が散って長い休みが終われば いつもより早く雨が降り出した カエルの雨乞いが天に届いたのか…
隙間から漏れる光を閉ざし 闇の中を彷徨う 何を糧に生きるべきか 途方に暮れた顔に雨水が当た…
甘い白を焦がす ベッコウ色になった砂は 溶けて粘液状になった タイミングを逃せば 黒く焦げ…
蜘蛛の巣に蝶がいた 可哀想にと逃してやった 娥の類なら何も思わなかったのに 黒い大きな羽が…
喜び 怒り 哀しみ 楽しみ 貴方は怒りや哀しみは いらないと言うけれど 怒りは捨てて 哀しみは忘れたいと 言うけれど それは人でなくなると言う事 貴方が人でありたいと願うなら 怒りも哀しみも灰となるまで 共に生きねばならない 人でありたい 人でありたい そう願うなら 何も捨てず、何も忘れず 喜び楽しむ時も 怒り哀しむ時も 全てが貴方で きっとそれは儚く きっとそれは美しい 人は人に惹かれ 共に生き共に朽ちる 時の流れと共に鈍くなる感情 土や木にもなれず 私は何に
頭痛がする 数日前の黄砂が原因なのか 朝から頭が痛い 割れるような痛みでないにしろ こんな…
疲れたと少し眠る 目を覚ますとオレンジ色の空が色を失くし 月も何処かに隠れてしまった 黒と…
明るい話題の中にノイズが走る 明日の話に小さく亀裂がはいり 何度となく聞き返す 暮らしの音…
灰色の大地の上を 枯れたすすきが揺れる 真っ白な空には雲ひとつなく 垣根に刺さる赤い風車が …
邪魔な物を右から左にどけて ここにはないと項垂れる 探し続けていればと 目を凝らしても心を…
孤独を文字で知り 孤独であることを否定し 孤独であることを避け 孤独の意味もわからず 孤独で…
夜中に玄関を開けると 猫が飛び出した 一目散に駆け出して 闇の中へと紛れ込む 名前を読んでも 返事はくれず また、待つしかないかと 途方に暮れる ドアを開けたままでは 虫が入ってくるやもしれぬ 仕方なく歩いて探しにいくも 猫には会えずに諦めて帰る 玄関前に座る猫 ドアを開けると急いで入り やれやれと言いたげに 後ろを振り返る
