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黒い頭を幾つも並べて隊列を乱さずに歩く 角砂糖は見つからず死骸を担いで運ぶ ため息すらも無…
体から出た無数の糸 くしゃくしゃに絡まって 真ん中の方で玉になっていた 絡まった糸を解そう…
雲の隙間から半月が覗く 暗い空に灰色の雲が漂う 隙間から見える黒い影が此方を覗く 道は雨の…
赤い海に舟を浮かべる 行き先は決まっていない 風が吹いても舟は進まずにいた 帆は破れとおの…
人は何も持たずに生まれてくる 言葉も知恵も眼の光さえもボヤけたまま それでも多くの人に祝福…
雪は積もる事もなく黒い染みになった 空からの贈り物は記憶にだけ留まり 何もなかったかの様に…
夕日が大きな影を写す 実物よりも大きく長い影 ライトに照らされた私は いくつもの影を作り出した 全ての影は私と同じように動く 誰一人として表情はなく 薄っぺらな影として写しだされる 影はものも言わずにこちらを覗く 何かを奪い取ろうと 離れずに追いかけて来る 私は暗闇の中へと逃げた 消えた影は何処へいったのか 暗闇に溶け込んだのか 私の中へと還っていったのか 暗闇の中を私という輪郭が薄らと揺れる
小さなきっかけでザザ降りになった雨 雨粒は綺麗に流れず窓に染み込む スピーカーから流れる音…
階段を登る足音 どんどんと近づいてきて扉の前で止まる お盆を床に置いた音が聞こえると 扉は…
この国は狭過ぎるという言い訳 この国はなんて言うほど 本当は何にも知らないくせに 格好の悪…
手で柄杓を作り水を汲む 隙間から滴り落ちて足を濡らす 小さな手でも喉を潤すだけならば 充分…
工場の壁は高くそびえ立つも 防音の意味を失っていた 中に溢れていた音もいつの間にか 遠くに…
何かを奪われたように日々は繰り返す 誰かの不安が頭を過ぎり海馬に刻まれる 鈍く揺れる時の…
海で生まれて魚に喰われた この頃はなんらかの意識はなく 増えろ、生きろとの声が頭の中に響いていた 小さな魚になって 漂う事から泳ぐ事に変わり 生への執着を得てこの海を泳いだ 小さい魚は何度も喰われ大きな魚になった 逃げ回る日々は追い回す日々に変わり 喰わねば、増えねば、生きねば 大きな魚として生を終えた 私はまた、輝く丸い泡となる 真っ白な部屋を漂い泡が弾けて虫になった 虫となり地を這う日々はすぐに終わり 蛙に喰われ蛇に喰われ鳥に喰われ空を飛んだ 風を感じ何処までも続く空を