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[すこし詩的なものとして]0046 渡り廊下

いつもの場所で
いつものように
窓辺から
外の様子を見つめている

乱立するビル
雲ひとつない空
木々に吹きつける風が
葉を揺らす

途方もなくキーボードを叩く
目が疲れる
肩が凝る
だけど目は、薄いガラス1枚を隔てた外を見る

時折
間違い探しのように
外の風景に違和感を覚える

乱立するビル
その間にかかる渡り廊下
その中を人が動いている

手を伸ばしたら届きそうで
息を吹きかけたら揺れてしまいそうで
アリを見るような
童心を
そんな馬鹿げたことを
考えながら

空の青は一色ではない
みたいだ
そんなことにも気づく

こちょこちょと
渡り廊下の人の流れは止まらない
よくいえば「動」で
わるくいえば「うっとうしい」
でも、時の移ろいだけは教えてくれた
もしかしたら、知ってる人がいるかもしれない
もしかしたら、僕にやさしくしてくれる人がいるかもしれない
可能性だよ

こわしたいのか
まもりたいのか

どれも空の色と同じで
一色じゃない

——————————————
ふと見る風景は、動か静か。
よく見ると、よーく見ると、かすかな動きとともにあることに気づく。
ただ、認識としては動きのない絵でもある。
それくらい曖昧な世界で生きる自分は、
これからの時間、どれくらいのことに気づき、感じていくのだろう。
ふとそう思った。

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