見出し画像

[すこし詩的なものとして]0029 弱きもののひかり

大声を出すでもない
不平を盾にするでもない
不満を吐露するわけでもない
妄りに差別するでもない

ただ笑顔であり
ただ素直であり
ただ愚直であり
ただ泥臭く

僕らの世界は
理想と現実の骸で
錯覚の中に生きて
錯覚の中で死ぬ
そんな幻想は
くだらないと思っていても
僕らはその世界の住人で
だからこそ
夢のようでいたく
夢のままでいたく
いつまでも
その中にいたい
そう願って生きている

今の不平や
今の不満や
今の悲しみや
今の苦しみや
今の喜びは
すべて幻想だって
すべて錯覚だって
そうやって
そうやって
信じて
我慢して
祈って
願って
騙して
目を瞑って
生きている

----------------------
僕らの世界は、なんと生きづらいのだろう……そう思っている人は多いかもしれない。僕らは、この世に生まれたときの喜びよりも、その後の苦しみによって、いつしかこの世界を否定する側になってしまった。それでも命ある限り生きなくてはいけない。
まずは自分自身を愛し、身近な者たちを愛する。そして、草木や生き物たちに目を向ける。所詮、人を苦しめるのは人でしかない。
人のやること自体が幻想で、錯覚で、無闇に向き合う必要はない。自分を愛し、隣人を愛する。それが広義で、世界を変えることにつながると、信じて。つらいときは、隣の人の笑顔を、子どもたちの言葉を、自分の心のだいじな箱から引き出してみよう。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?