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どうせ大変なことをしなければならないのだから

失敗する起業家の代表格は、なんでも自分で抱え込もうとするタイプだ。
心配や不安をぜんぶ自分の胸の中に抱えてしまう。
そうすると必ず失敗する。
極端な仕事に、極端な精神的負荷が加わると、そこにあるのは死だけだ。
(『僕は君の「熱」に投資しよう』より)

ベンチャーキャピタリストである、佐俣アンリさんの著書『僕は君の「熱」に投資しよう』を読みました。

きょうはその感想、第2回です。

著者の佐俣アンリさんはベンチャーキャピタルなので、日々多くの起業家と接しています。

そのなかで、その起業家の調子を測るためにやるのは、「不意打ち」だそうです。

「おーい!米、買いに行くぞ」
僕はしょっちゅう、こうして起業家がいるオフィスに声をかけて回る。
社長もエンジニアも、インターンも全員だ。
さらに買い出しに行っているときに、商品棚を見て「この缶詰いいんじゃないの?」なんて言いつつ、「で、最近どうなのよ?」といきなり事業のことを聞いてみたりする。

大事なのは「唐突にやる」ということで、そうすると「素」が出やすくなります。

そして、その素のどうなれば佐俣さんが良いなと判断するのかというと、平たく言えば「ハキハキしていること」です。

僕のこれまでの経験上、事業の窮地に立たされながらでも買い出しに出てこられるやつというのは、精神的にタフなので大丈夫と判断できる。
米を買いに行く、つまり自分では食えない飯を他人に買い与えてもらうわけだから、それは人間として少し屈辱的な状況だ。
そこに平然と出てくることができるのは、つまらない見栄やプライドを捨てて事業に没頭できている証拠でもあり、起業家としては、むしろいい状態なのだ。
即答で「頑張ってます」なら、わりと良い。
「いやあ・・・」と言葉を濁して、事業の話をまったくしなくなるやつは、苦しんでいる。

きのうちょうど『2種類の「人を頼る」』ってnoteも書いたのですが、結局、どこにプライドを持つのかという話で、それが「自分1人で解決すること」なのか「成果を出すこと」なのかの違いによって、表出される態度も大きく変わってきます。

もちろん、大事なのは後者で、頼れる人や盗めるスキルはどんどん頼って盗んでいくことが重要。

それに、まあ自分1人で抱え込んで解決できるならいいですけど、解決できていないから、抱えこんでいるわけで。

そして、どうせ仕事なんて基本的には自分1人では解決できない、大変なことがいっぱいあるんだから(自分1人でどうにかなるレベルのスケールの仕事だけなのも、それはそれで改善の余地がある気がする)、その度に抱え込んで塞がっていたら、キリがないです。

どうせなら表面上だけでもせめて明るく振る舞って、わからないことは「わからない」、困っていることは「困っている」と、声をあげる。

起業というのはなんにせよどうせ大変なことをしなければならないのだから、僕の投資先にはせめて安らかに仕事をしてほしいと願っている。

1ヶ月くらい前に「なんで仕事が残っているのに飲みに行ってるんだよと思っていた」というnoteを書きました。

このnoteを書いてから1ヶ月経ったいま、さらに「あ、この感覚がスタンダートって感じだから、この前提で過ごそう」って考えるようになりました。

単にタスクが残っているだけでなく、そもそも何をどうやるのか含めて、考える必要のあることも、常に複数個走っている状態。

以前は「これがスッキリしないとグッスリ眠れない..!」って感覚だったのですが、そう言ってると不眠なライフになるので、ときにはスパンと割りきることも大事なのだなと痛感しています。

どうせ大変なのだから、せめてスタンスは前向きに。

逆に後ろ向きになって、問題が解決するわけでもないし。

上と前を向いて歩こう。


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