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自粛解禁後にこそ、「働き方改革」の真価が試される

もはや「在宅勤務100%かオフィス100%か」って二元論にあんまり意味はない気もするんですけど、それとは別で「自分のパフォーマンスが最大限に出せる環境」について、これほど強制的に考えさせられる時期はないと思います。

これから自粛ムードが徐々に薄まって、働き方の選択肢が増えることが予想されるからこそ、いまのうちに「どんな外的環境が、自分にどんな心理的・身体的影響を与えるのか」ということを考えるのは、とても大事です。

ということで、きょうは「リモートワーク」を取り扱ったNewsPicksの動画2本を見て、気になった箇所を3つほどメモ的にピックアップしていきます。


両動画「期間限定」ってタイトルに入ってるので、もしかしたら公開時間から一定時間が経つと、リンクが向こうになっているかもしれないです...


>【最新】落合陽一「リモートワーク疲れの正体を考える」(期間限定ロングダイジェスト)


>【最新】落合陽一「リモートワークは残すべきか?アフターコロナの働き方」(期間限定ロングダイジェスト)



1つ目に「なるほどなあ」と思ったのは、「達成感がないことによって、疲労感だけを感じやすくなっている」という話。

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画像:https://www.youtube.com/watch?v=FU1z5MLeONc


「リモートワークになってから、時間が過ぎるのがめっちゃ早くなった」って、たぶんぼく以外にも感じている人はいると思います。

それと少し近い議論で、「達成感がないことによる〜」みたいな話は、けっこうある気がしています。

要は「(場所の移動による)気持ちの切り替え」みたいな話だと思うのですが、NewsPicksでの話と個人的な意見が違うかなと思ったのは、NewsPicksは「没頭できないから達成感がない」ってあるんですけど、それは違う気がしていて。

ちょっと重箱の隅を突くような感じになってしまって申し訳ないんですけど、そもそも下の「Withコロナ:どうやったら集中から抜けられるか」って書いてあるんだし、リモートワークは(お子様のいるご家庭はまた別の議論として)、基本的に「集中」するのには適した環境なんです。

だから、ちょっと話があっちこっちにいった感じになってしまうんですけど、「達成感がない」っていうのは同意で、それは「没頭できていないから」ではなくて、ぼくは「退社する」っていう行為がないからなのではと思っています。

意識的でも無意識でも、人によって程度の差はあれど、やっぱりみんな、退社している最中に「きょうはこんなことしたなー」とか、「これくらい進捗があったなー」って、「達成感」に浸る感覚があったんだと思います。

テレワークになって、身体的疲労は減っているはずなのに、なぜか「疲労感」だけがあるのは、オフィスに出社するという行為では自然発生していた「達成感」が、同時に起こっている「疲労感」を打ち消してくれないからなのかもなーと、NewsPicksでの議論を見ていて、勝手に仮説を立てていました。

一言で言うとまあ「気持ちの切り替え」という話なのですが、やっぱり「きょうの仕事が終わった!」という何かしらの線引きをすることは大事なのかなーと思います。

(冒頭の繰り返しになってしまいますが、だからやっぱり出社した方が良いみたいなことを言いたい訳ではなくて、それぞれの働き方が自分に与える影響を把握して、それぞれのメリット・デメリットをどう補っていくか、生かしていくか、組みわせていくかを考えることが大事だと思ってます!)


2つ目が、「テキストコミュニケーションでは、ネガティブな話題を共有しにくい」って話が、なるほどな〜と思いました。

テレワークになって「情報の共有コストが上がった」とか「雑談が大事」とかって話はもうある程度し尽くされているとは思うんですけど、「テキスト〜」の話は、またちょっと違う観点かなと。

企業によっては、「強制的に雑談タイムを設けている」みたいな施策をやっているのですが、それと「ネガティブな話題を共有する」って、また別の話なんですよね。

だって、たぶん企業側が枠を設けている「強制雑談タイム」って、メンバーがランダムだったり、3人以上だったりするケースが大半だと思います。

そんなに仲良くない同僚とか上司とか、ましては3人以上も人がいる場所で、どこから情報が回っちゃうか分からないのに、そんな場所でネガティブな話題を共有するって、けっこうな心理的ハードルです。

あと、テキストでの雑談にしても、そういうときってまあ1対1のケースも少なくないとは思うし、送りたい相手もこっちが選べますけど、やっぱりどうせコミュニケーションをとるなら、「ネガティブ」よりも「ポジティブ」な話題の方が良いですよね。

NewsPicksの議論のなかで「ポジティブな話題は共有しやすいけど、ネガティブな話題は共有しにくい」って話が出てきたんですけど、それはたしかにあるかもなと思っていて、どうせ共有するなら、相手に喜んでもらえるよな情報を送りたいですよね。

あと、もうちょっと細かい話をすると、テキストでのコミュニケーションて、ログとして残るので、その点でもちょっとためらってしまう側面はあるかもしれません。


それで、そもそも「ネガティブな話題は共有すべきか」っていう観点もあると思うのですが、まあ個人的には「話題の種類と頻度による」と考えてます。

「ネガティブ」と一言で言ってもいろんな種類があって、例えば同僚とか上司とかの悪口はまあ(仮に思ってても)別に共有する必要はないと思います。

ただ、例えば「仕事の進め方で、こういうことでつまっちゃってる」とか、「最近の体調の話」とか、「わざわざその話題だけで誰かに新規のメッセージを送るのは少し憚られるけど、雑談のなかでちょっと相談したいよね」みたいな話って、意外にあると思います。

一つひとつの不安とか考えごとは小さくてもそれが積もると、その人の心理的負担になってしまうし、仮にその相談に乗って3分で解決するなら、絶対に小刻みに解消していった方がいいです。

あと、まあ最悪「上司とか同僚とかの悪口」も、それ自体は別に褒められたものではないですが、お互いに人間なので、気に入らないことは絶対にあります。

共有したところでなんの解決にならなくても、吐き出すだけでちょっとスッキリしたり、「自分だけでこの問題を抱えてるんじゃないんだ」って思えるだけで気持ちが少し軽くなったりすることもあるかもしれないので、それも含めて「ネガティブな話題をいかに共有するか」というのは、大事な観点です。

これに関しては、経営側の関与の仕方が少し難しくて、どうしても個人のネットワークとかコミュニケーションのとり方に依存してしまう点が、組織運営的には大変なところだなとは思います。


あと最後3点目は、「メディア関係の人、頑なに直接会おうとする問題」です。

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画像:https://www.youtube.com/watch?v=brcTk5fmeEk


この番組、編集者の佐々木さんが司会を務めているのですが、「インタビュー(特に初対面の人)は対面の方がいいんですけど、これって古いんですかね?」と発言していました。

これに関しては、ぼくも近い感想と不安を持っていて、、、


まあ、「対面で会った方が踏み込んだ話ができる」っていうのは、別にメディアに関連している人だけじゃなくて、世の中の人全員一致の意見だと思います。

その上で、且つぼくの「インタビュアーである」というポジショントークを踏まえた言い方をさせてもらうと、「商談」って、大きな要因は「機能」的な話なので、極論を言えば、別に表情とか声とか、仕草とかの情報量が落ちても、機能とか値段とかが相手の求めているものを満たしていれば、「買ってもらえる」こともあると思うんですよね。

(あくまでも程度の問題です)

その一方で、インタビュー(特にその人のパーソナリティ的な部分まで聴かせてもらう種類のもの)って、極論「相手からどれだけ信頼してもらうか」という「人対人」の話なので、そうなると、商談以上に表情とか仕草とかって情報が大事なんですよね。

だから、「凝り固まっちゃてるなあ」とか「オンラインでも引き出せるコミュニケーションの取り方を考えないとなあ」とかって思いつつも、「最後はやっぱり対面だよなあ」と思ってる自分もいます。

このあたりは、「オンラインでも(初対面でも)信頼してもらえるような振る舞い方」を身につけつつ、同時に「オフラインでも会ってもらえるような自分の魅力を高める」っていう、2本の軸を並行して進めるというやり方で、いまのところは対応していくつもりです。

「インタビューもオンラインで!」に100%振り切るのは、なんとなく違う気がしている、なんとなくだけど。



ということで、「リモートワーク」に関して、NewsPicksでの議論を見て、個人的に気になった3箇所について書きました。

何はともあれ、自分に合った働き方を試行錯誤し続けていくことが大事ですね!

最後まで読んでいただいて、ありがとうございます!!!すこしでも面白いなと思っていただければ「スキ」を押していただけると、よりうれしいです・・・!