20年ほど前、 人口18万人に満たないくらいの市にある県立高校を卒業して、憧れの東京へ進学した。 専門学校、一人暮らし、テレビで見たことのある景色、全てが夢と希望に見えていた。 慣れない標準語を駆使しながら、ほぼ初めて他県の人種と付き合うようになり、初めての街に住み、多くの上京者と同じような感覚を持っていたと思う。 学校へ行くのも、パチンコ屋へ行くのも、好きなアーティストの海賊版VHSを雑居ビルの一室に買い求め歩くのも、自由で楽しかった。 勉強してるのか遊んでいるのかわからな
最近茶色い料理ばかり写真に収めている。 某政令都市から地元に10年ぶりくらいに帰ってきた。 何年かに数回は帰省していたがその度に思っていたのは、ほぼ全ての男性がマザコンであるように、 「おふくろのメシ最高！」だった。 十数年飲食に携わっているぼくはここ最近ずっと「映える」メニューを作っていたと思うし、それを求められていた。 お客様が料理写真を携帯で撮っているのを見ると、心の中でガッツポーズをしていた。 これでsnsで拡散されて、お客様と売上が増えるぞ！と。そしてま
