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2021年の京都について思うこと

栗林健太郎

2泊3日で京都に行ってきた。今年は、合計で3回訪ねたことになる。そのどれもが、配偶者の出張に付き合ってのこと。特にあちこち行くこともなく、日中はホテルで仕事をして、夜は適当にそこらで食事をする。余裕をもって予約したりすることもなく、行けるところに行く。観光で訪ねているわけでもないので、肩肘張らない乗りが今の気分である。そんな感じでも、勘所を押さえていれば十分楽しめる。

京都はオリンピックを控えてのここ数年のホテル建設ラッシュに加えてマンションもずいぶん建てられたようで、街の風景もけっこう変わっているようだ。そんなわけで、リッツもいいけど、新しくできたホテルにできるだけ泊まるようにしている。マリオット・ボンヴォイのポイントを使って実質無料で泊まれるところということで、今年泊まった中ではHOTEL THE MITSUI KYOTO(昔の国際ホテル跡地)がよかったなあ。

食事でいうと、気楽に美味しい料理を楽しめる「食堂かぐら」や「ユララ」もいいし、もうちょっと京都らしいところでいえば、「祇園にしむら」で食事をした後に「サンボア」に寄るのもいい。長らく行きたいと思いつつ、なんとなく行く機会を逃していた「じき宮ざわ」へもようやく行くことができて、センス溢れる料理を楽しむこともできた。とんかつの「かつくら」は懐かしい味だし、錦天満宮で学業成就を祈願した足で「スタンド」に寄ってビールと鰻ざくをキメるのもまたいい。

今回は、ついに祇園にすら行くこともなく、その手前でBar Rocking chairでシガーをくゆらせつつ、ポートワインやマデイラのラムをすするという楽しみも味わえた。数々の名物喫茶店やパティスリーにも寄ってみたいところではあったが、唯一イノダコーヒ本店に寄ったのみで終わったのも、それはそれで忙しなさがなくてよい。馴染みの骨董屋で珉平焼を買い求めたり、錦で正月準備の買い物をするのは、日常の延長をここでやっているだけだという気がする。

祇園からの連想でいくと、我が東山三条の名店であった「賓澤」(発酵させた白菜のスープをいまもありありと思い出す)が失われて久しいが、近年ではあの「マルシン飯店」が行列ができる店に生まれ変わったと聞く。隔世の感。京都といえば、中華も美味しい店が山ほどあって、まず懐かしく思い出すのは「ぎをん森幸」だ。そして、中華だけでなくイタリアンも充実しているのもまた京都の一面なのだが、しょっちゅう通っていたBAL裏の「オステリアテンポ」の前を通ってみたら、別の店が構えており、寂しい。

唯一心残りなのは、Cave de Kにまだ行けていないこと。気が向いた時にK6にふらっと寄っていたように、気分で寄ってみたいのだが、しっかり予約しておかないと入ることが叶わないようだ。場所柄、ひととおり食事を済ませた後にいくテンションなのだから、事前に決めて予約しておくのも難しい。いつか行けるといいなあ。そんなことを思いながら、津之喜酒舗で買い求めた、増田徳兵衛商店の「抱腹絶倒」を飲んでいる。クリスマスにぴったりの、デザート酒的なお酒。

それにしても、京都を出て数年ほどは、訪ねるたびに何をみても何かを思い出し、ノスタルジックな気持ちを感じたりもしたものだが、今ではもうそんな気持ちもない。もっとフラットに、住んでいた時とはまた違う意味で、日常の延長という感じがする。それはそれで寂しいような気もするが、そんなものだろう。東京に戻り、品川からタクシーで駆ける風景を眺めながら、やっぱりここがホームだという感じを覚える。持っている道具だって、日本橋木屋のものばかりだ。


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栗林健太郎
おもに「あんちぽ」と呼ばれています。 GMOペパボ取締役CTO / 日本CTO協会理事 / JAIST先端情報科学博士前期課程(東京サテライト) / 情報処理安全確保支援士(登録番号: 013258) https://kentarokuribayashi.com