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雑記

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人工知能(GPT-3 text-davinci-003)を用いた「質的データ分析の自動化」──SCAT:Steps for Coding and Theorizationを対象に

人工知能(GPT-3 text-davinci-003)を用いた「質的データ分析の自動化」──SCAT:Steps for Coding and Theorizationを対象に

openAIが公開している大規模言語モデルGPT-3 text-davinchi-003を使った「質的データ分析の自動化」というのをやってみたのでその結果の報告です。今回自動化の対象にするのはSCAT:Steps for Coding and Theorizationとよばれる質的データ分析手法(大谷, 2007)です。

質的データ分析手法とは「質的研究」において用いられる、研究手法の一部です。

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AI検索エンジンMetaphorに日本の建築について聞いてみた結果

AI検索エンジンMetaphorに日本の建築について聞いてみた結果

最近話題のMetaphorという大規模言語モデルをつかった検索システムに日本の建築について聞いてみたので、そのご報告です。

Metaphorの検索画面と生成された結果Metaphorは自然言語で検索します。今回はサンプルを少しいじくって、「Here's a cool blog post about 20th japanese architecture:」と聞いてみました。それで生成された検索結果

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人工知能(GPT-3 text-davinci-003)にネリ&フーの建築作品説明文を解説させてみた結果

人工知能(GPT-3 text-davinci-003)にネリ&フーの建築作品説明文を解説させてみた結果

OpenAIが作っているGPT-3という言語生成モデルで最近遊んでいるんですが、本当にいろいろなことができて楽しいです。で、ひとつ思いついてやってみたのが表題の件で、今回はそのご報告です。

なぜネリ&フー? そしてOpenAIとは?なぜネリ&フー?
アジアの建築家が世界に向けて発信して、きちんと価値を認めさせて、大きくなっていった事例としてネリ&フーは日本の建築家のロールモデルのひとつになりうる

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メニカン的なもの(批評同人)をひとりで立ち上げる方法ver1.0

メニカン的なもの(批評同人)をひとりで立ち上げる方法ver1.0

メニカンは僕が立ち上げに関わったいくつかの同人組織のうちでいちばん成功しているもののひとつなのですが、そういうのを立ち上げる方法というのが読みたいという奇特な方もいらっしゃるのではないかと思ったのでまとめました。よろしければ。(なおこの投稿はメニカンとは一切関係ありません。)

対象読者:批評同人みたいなのやりたいが、なにから始めれば良いかわからない人
所要時間:60分程度(記事執筆時間を除く)

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Riveというインタラクティブアニメーション制作ツールを触ってみた

Riveというインタラクティブアニメーション制作ツールを触ってみた

Riveというwebベースのインタラクティブアニメーション制作ツールを触ってみたら面白かったので、そのご報告です。

Riveとは?安心と信頼のusagimaruさんのツイートで知りました。「ステートマシン」という言葉に惹かれてとりあえず30分ほど触ってみようと思いました。でやってみた。

とりあえず作ってみた。なんか動く四角形がつくれました。これはどうなっているかというと

まず静的なグラフィッ

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Off Topic // オフトピック『#140 メンタルモデルとは何か』 感想

Off Topic // オフトピック『#140 メンタルモデルとは何か』 感想

知的生産技法に興味があるので、今回(#140)のオフトピックを興味深く聞きました。いくつか感想が湧いたので、そのご報告です。

メンタルモデルというのは、僕の理解では、どうやら「海外のトップ企業家たちの思考のフレームワーク」を指すようです。

「なぜ情報社会の情報量に見合った数の天才が生まれていないのか?」これはポッドキャストのなかで提起された「問い」のようなもので、もうすこし情報量を増やして書く

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Raycast使い始めてみた

Raycast使い始めてみた

Raycastという、macのSpotlightをめちゃくちゃ強力に拡張するツールを知りました。で、とりあえず導入してみたというご報告です。

僕は普段、command+space(spotlight)、command+tab(アプリ切り替え)、command+q(アプリ終了)をめちゃくちゃ使うんですが、このcommand+spaceをRaycastがどれくらい代替してくれるのか、期待しています。

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超線形設計プロセス論再考

超線形設計プロセス論再考

と、面白いかもしれないと思った。

リアクションがある程度ついたら頭の中を書き下してみようかと思います(文章版のクラファンみたいなイメージ)。よろしくおねがいします。

健太郎

・・・

英語と日本語の違いについて

英語と日本語の違いについて

以下を読んで、英語について一個腑に落ちた気がしたのでご報告。

例えば僕が英会話をするとき、極論すると、"I need something which is ~~"みたいな感じで、とにかく目的語をぶちこんだあとに、修飾語で方向修正していく、みたいなことを行う。

ようするに英語は、「結論から先に話せ」というのが文法レベルで強制される言語というわけ。

他方でこれは、日本語における、状況の説明をひた

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英語学習について──個人的な経験を中心に

英語学習について──個人的な経験を中心に

最近恐れ多くも翻訳出版を行なったおかげか、英語の勉強法について聞かれることが増えました。別に英語の勉強が得意だった記憶はないんですが、振り返ってみると言語習得に関してはいろいろ考えてきたかも、と思い、思いつく限りのことを書き下してみました。よければご笑覧ください。

中村の経験のなかで比較的ユニークなところ

高校生のときに通っていた学校のプログラムで2週間ほどアメリカの高校へホームステイしにいっ

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『スマート・イナフ・シティ』 訳者あとがきを全文公開します

『スマート・イナフ・シティ』 訳者あとがきを全文公開します

8月に訳書を出版しましたご無沙汰しております。中村です。noteでは報告が遅れたんですが、今年の8月に初めての翻訳書となる『スマート・イナフ・シティ──テクノロジーは都市の未来を取り戻すために』が出版されました。大学の先輩で、現在MIT Media Labに所属されている酒井康史さんとの共訳です。

特設サイトを作りました出版から2ヶ月、いくつかオンラインイベントをやったり、twitterでクチコ

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ビアトリス・コロミーナの仕事|著作リスト編 【現代建築批評メモ】

ビアトリス・コロミーナの仕事|著作リスト編 【現代建築批評メモ】

この記事の目的と内容

この記事の目的は、現代における建築批評のあり方に補助線を引くことです。ビアトリス・コロミーナほど、その案内人にぴったりの人物はいないのではないでしょうか。個人的に長くフォローしているというのもあり、一回情報をまとめてみようと思い立った次第です。今回は「著作リスト編」ということで、著作紹介が主な内容です。全てを網羅しているわけではありませんが、主要な仕事は押さえていると思いま

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サイバネティクスの建築学──デザインリサーチに埋め込まれたクリストファー・アレグザンダー

サイバネティクスの建築学──デザインリサーチに埋め込まれたクリストファー・アレグザンダー

デザイン研究(デザイン・リサーチ)の新展開と、そのルーツ

近年、相次いで理論の整備が進む「デザイン・リサーチ」。プロダクトデザイン(製品)→サービスデザイン(ビジネス)→社会システム(行政など)のデザインというようにその守備範囲を急速に拡大し、いまでは"文明そのもののデザイン"とすら取れるTransition Designのような領域すら出てくる始末。建築学徒からすれば、羨ましいような妬ましいよ

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フォレンジック・アーキテクチャにビビッときたら。 次に見るもの、読むべきもの

フォレンジック・アーキテクチャにビビッときたら。 次に見るもの、読むべきもの

年始の休みが終わらないうちに。

去年はいくつか書き物の仕事をしたんですが、特に国際犯罪調査機関Forensic Architecture(以下FA)の書評は僕にとってひとつの転換点でした。オランダにいる盟友木原共が公開に先立ってFAの展示をレポートしてくれたこともあり、オンラインで公開された記事はそこそこ多くの方に読んでもらえたようです。デザインの政治性や倫理といった、とっつきにくいテーマが広が

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