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【買ってよかった】AftershokzのOpenCommをサイクリング用インカムとして利用する

骨伝導ヘッドセット、AftershokzのOpenCommを購入しました!
テレワーク中のオンラインミーティングには早速利用していて、申し分なく大変満足しています。でも、今回の本来の購入目的は、サイクリング中のインカムとして利用するため。
夫婦でサイクリングすることを趣味としており、週末は1日に50キロ〜100キロ程度をロードバイクで移動します。自転車は原則として並走できないので、サイクリング中の新しいコミュニケーション手段としてOpenCommを利用することにしました。

今回、サイクリング中のインカムとして利用できるかの試運転ライドをしてきましたのでレビューします。


この記事を書いている人のスペック
2016年から夫婦でロードバイクを始める。
週末は1日に50キロ〜100キロ程度をロードバイクで移動。従来、移動中の通信手段として、”サイカムB-1”を利用。
夫はCannondale乗り。年間走行距離3500キロ。新しいもの好き、ガジェット好き。Bluetoothイヤホンは、Sonyの Xperia Ear Duo 利用あり。
妻はBianchi乗り。ミーハーな傾向あり。Bluetoothイヤホンは、SonyのWF-1000XM3 利用あり。

OpenCommの基本性能

AftershokzのOpenCommは、オープンイヤー型の骨伝導ヘッドセット。Bluetoothイヤホンにマイクが付いたものです。

耳を塞がないというのがポイントで、周囲の状況を認識しやすく、長時間装着していても疲れにくいのが特徴です。僕は骨伝導イヤホンの利用が初めてとなりますが、音の聞こえ方が自然で、抵抗なく利用できています。
通話時間最大16時間という強力なバッテリーを備え、終日利用可能ですので、バッテリー切れの不安なく利用できます。重量は33gと軽く、重さを感じません。

メーカー側で想定されている利用方法は、公式サイト上には例示として「ハンズフリー通話の必要な運転手、倉庫のオペレータ、オフィスワーク、そして在宅ワーカー」との記載があります。運転手が想定されているなら、サイクリストも一応含まれると考えてよさそうですがどうでしょう。

最初に結論

今回試した範囲では、ポタリングなら十分使える感触です。30km/h程度までの速度なら概ね問題なさそう。ただ、風切り音を多少拾うので、30km/hを超えてきたり、強風になったりした時は声が聞こえづらくなります。40km/hとなると聞き取りがかなり厳しい。
オープンイヤー型ですので、車両の走行音など、周囲の音が大きい場合には、ヘッドセットからの音声が聞き取りにくくなることは当然あります。

以下、サイクリングにおける使用感について書いていきます。

アイウェアやヘルメットとの干渉はないか

ヘッドセットを装着したときに、サングラスやヘルメットとの干渉の有無や、違和感なく利用できるかどうかは気になるところですが、この点は全く問題ありませんでした。
装着順は、OpenComm→アイウェア→ヘルメットがよさそうです。

通話方法と音質

通話には、LINEアプリの通話機能を利用しました。スマートフォンとOpenCommをBluetoothで接続し、LINEの通話機能で通話状態を維持することで、インカムとして利用しています。
OpenCommでのLINEアプリの通話機能そのものは全く問題なく、快適に通話できました。ただ、インターネット経由での特性として、音声は完全にオンタイム(同時)ではなく、若干の遅延があります。体感で0.2秒~0.5秒くらい。普段LINE通話している時はほぼ気にならないレベルではありますが。

リアルでは目の前に相手がいたとしても、実際の音声はデジタル信号に変換され、基地局からインターネットを介して相手のスマートフォンを経由し、音声に再変換されて相手の耳に届くことになります。

サイクリング中に、急ブレーキや危険を伝えるとっさの連絡が必要な場合、0.5秒の遅延は意外と大きなタイムラグになり得ます。ただ、これはOpenCommの問題ではなく、非同期であるインターネットの特性ですので、利用するならある程度の割り切りは必要かなと思います。
危険回避には、手信号なども含めて周囲とコミュニケーションを取っていくことになりますね。

通信品質の点でいうと、移動しながらの長時間の連続利用では、利用者が契約しているキャリアの通信品質が影響するかも知れません。今回、2日に渡り試したところ、相方が利用しているMVNO回線では、1日に2回ほど通信状況の低下が見られました。
今回サイクリングした場所は、郊外ではあるものの山岳ではないエリアで、尾根緑道と多摩湖周辺です。
山岳方面に行く場合には、通信環境の影響がより顕著になる可能性があります。

音質

ここでいう音質とは、音楽再生は含まず、会話時の聞き取りやすさの意味で書きます。
まず、停止時の環境においては、会話の音質は全く問題ありません。非常に快適でクリア。ノイズもなく、音声もよく聞こえます。
では、移動しながらのサイクリング中の音質はどうか。冒頭にも書いた通り、ゆるいポタリングなら十分使える感触です。ブツブツ切れるようなこともありません。
30km/h程度までの速度なら概ね問題なさそう。ただ、マイクが風切り音を多少拾うので、スピードが乗ると「サーッ」「ザーッ」という感じのノイズが生じます。マイクにノイズキャンセリング機能があるとはいえ、サイクリング向けに作られた製品ではないので、ここはやむなしか。
30km/hを超えてきたり、強風になったりしてくると、ノイズで声が聞こえづらくなります。40km/hとなると聞き取り自体がかなり難しいです。
車両のエンジン音が大きい場合など、周囲の状況にも当然左右されます。

バッテリー

OpenComm本体は、仕様上、通話時間最大16時間、待機時間最大14日間ということで、1日中使っても十分です。実際、今回6時間程度利用しましたが、バッテリーは全く問題ありませんでした。
満充電までわずか60分という急速充電に対応しているのもよいですね。
端子が独自なのがやや残念ではありますが、終日利用可能ならコードを持ち歩く必要もないので、さほど影響はなさそう。
個人的には、USB-Cに対応していてくれたらよりよかったです。

バッテリーのおおまかな残量確認に対応しています。電源が入った状態で、音量のマイナスボタンを押すと、4段階でバッテリー残量を確認できます。

スマホのアプリ(LINE通話)を使うので、スマホ側のバッテリーは当然消費量が増えます。体感で通常より2割増し程度。満充電から6時間の利用で、スマホの残量は50%を切ってました。終日利用には、スマホ充電用にモバイルバッテリーがあるとよさそう。僕はサイクリングの時は以前から常に携帯しています。

デザインと防塵防水

OpenCommは、チタン製のボディでスタイリッシュ。これだけでも買う価値があるといってよいくらいで、このデザインのよさで所有欲が満たされる感覚があります。
カラーは、ブラック、スレートグレイ、ライトグレーの3種類のラインナップ。マットで落ち着いた色味です。スレートグレイは、なぜかボタンだけオレンジ。

IP55防塵防水なので、雨も大丈夫。ただし、雨での利用は試していません。

通信量について

LINEアプリ利用時における音声通話のデータ通信量の目安は、1時間あたり18MBで、1GBで約55.5時間利用可能とされています。(参照
仮に、1日6時間、週に一度(月に4回)利用した場合、432MBの通信料となります。そう考えると、データ量はさほど気にしなくてよさそうです。

ちなみに、僕はLINEMOを契約しています。
このサービスは、20GB使えて月額2,480円(2021年6月現在)ですが、特徴のひとつは、LINEのトークや通話で使った通信量がカウントされないこと。もしLINE通話の通信量が気になる方はチェックしてみて下さい。

製品価格について

OpenCommの製品価格は、19,998円(税込)。
Bluetoothイヤホンとしてはやや高めといえるかも知れません。ただ、サイクリング用のインカムとして利用可能な製品は少なく、貴重ではないでしょうか。
僕の場合は、テレワーク中にZoomを使ったオンラインミーティングでも重宝しており、いい買い物をしたという充実感でいっぱいです(笑)。

「サイカムB-1」との比較

参考情報として、これまでサイクリング中のコミュニケーション手段として利用してきた、サイクリング用インカム「サイカムB-1」との比較について触れておきます。
サイカムは、音声の遅延がありません。端末同士をBluetoothで繋いでいて、スマホのアプリやインターネット回線を利用しないためです。
スマホの電池を食わないメリットもあります。
また、サイカムのマイクは風切り音を拾わないので、その意味ではノイズがなく快適です。ただ、骨伝導ではなく、耳の近くのスピーカーから流れる音を聞く形式なので、30km/hのような高速走行になってくると、周囲の風切り音によってやはり聞こえにくくなります。
サイカムの弱点は、お互いの距離が遠くなるとノイズが乗るところ。公称値500メートルとされていますが、実際は50メートル以上離れるとノイズが乗ってきて、会話が成立するのは100メートルが限界という印象です。

なお、2020年秋以降、サイカムはAmazon等のショッピングサイトでの取り扱いがなくなっていることから、販売終了した可能性があります。

安全確保について

インカムを利用するかどうかに関わらず、サイクリングを楽しむにあたって何より大切なことは、安全の確保です。安全な運転に必要な周囲の音や状況に十分注意して運転することは、サイクリストの義務でもあります。
今回レポートしたAftershokzのOpenCommは耳を塞がないタイプということもあり、このアイテムを利用することで運転中の安全性が低下することはないと考えていますが、会話に夢中になって周囲の状況確認を怠るといったことのないよう、安全には常に気を付けてサイクリングを楽しみたいものです。

今回のアイテムは2021年のベストバイとなりそう。今後も活躍してくれそうです。

サイクリストの皆さまの参考になれば幸いです。
よいサイクリングライフを!


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