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体罰はなぜなくならないのか #1030

おはようございます。
クーポン付きのレシート目当てに商品を買うのですが、いつものルーティンでレシートを捨ててしまう森下です。(#無意識ってこわい)

今に始まったことではないけど、スポーツ強豪校での体罰問題が取り沙汰されてますね。「体罰は良くない」ということは誰しもわかってるわけですが、一向になくなる気配はない。

それはなんでなんでしょうといっても、一概に「これ」という簡単なことではなくて、いろんな要因が絡み合って起きてる問題だと思います。

とはいえ、じゃあどうすることもできないのかと言えばそうではないはずなので(そう信じたい)色々と考えてみたいと思います。

<強さを求めるが故に>

強豪校としてはもちろん結果を狙っていきます。そのために選手の獲得や育成にも予算をかけていきます。

スポーツの成績が良ければ、学校の成績なんて気にしなくていいよー。とか授業料は免除するからうちの学校に来てくださーいとか。

子どもたちの将来のことを本当に思ったらそんなんでええのんか?みたいな制度を振りかざしてめちゃくちゃ勧誘する始末です。

ちなみに…僕はそこまでじゃなかったので授業料は払ってた(払ってくれてた)し、勉強もちゃんとしてたタイプです。

最近では欧米をはじめとしたスポーツ先進国を見習って「文武両道」を意識した育成も目にするようになってきましたが、まだまだスポーツだけやってればいいような風潮は拭いきれません。

スポーツで飯を食っていける人なんてほんのひと握りだし、食えたとしても引退後のこともあるので、「スポーツだけやってればいい」というのは時代に逆行していると言わざるを得ません。

とはいえ、スポーツ強豪校は結果を出すことがより強い選手たちの獲得に繋がるし、学校としてのPRにもなることも事実。

学校経営の観点からだけ見たら、予算をかけてるのだから結果を出してほしいというのは、賛成はできませんが理解は出来ます。

でも、だからといって高圧的な指導で選手を恐怖で縛りつけたり、無理なトレーニングで心身の健康を顧みず追い込んだりすることは、選手にとっては大きなマイナスなのは言うまでもなく。

学校に在籍している僅かな時間、輝くために将来を犠牲にするのはいかがなものでしょう。

学校側はもちろん、親や進路をアドバイスする指導者たちが、この現状をしっかり理解して、選手たちの将来を見据えて道へと導いていってほしいですよね。

<勘違いする指導者>

指導者は結果を出せば評価が上がって優遇されるし、周りからも持て囃されます。指導者にとってそれは悪い気持ちにはならないはずです。

そうしたことにまったく興味を示さず、選手たちのことを第一に考えられる指導者は、学ぶことをやめずに日々成長していきます。

でも少なからずそうではない指導者もいるわけで、そういう指導者はグングンと鼻が伸びていって偉そうに自分の帝国を築こうとするんです。

元々よい選手が伸びるのは当たり前ではないけど、僕は燻っている選手がどれだけ伸びていくかに指導者の手腕が問われているかと思ってやってます。

自分の帝国を築きだした指導者は自分のやり方を疑わないし、それに反論する選手やスタッフを拒絶します。時には攻撃的な態度、もしくは本当に攻撃して、無理くり従わせようとしていきます。これが体罰につながっていくわけですね。

そうして独特な雰囲気や伝統が出来ていき、やがてはそれが当たり前のような世界になっていってしまうんです。

そうなるともはや外から言っても何も聞かなくなり変わらなくなるので、事件が起こるまでどうすることも出来ない…というのが今までの強豪校で起きていた体罰の経緯なのでしょう。

それが起こるのも行き過ぎた結果至上主義と、指導者の怠慢(学ぶ姿勢の欠如)です。指導者は学ぶことをやめたら指導者をやめるべきです。

<狭い世界では>

学校というのは「閉ざされた社会」であると言えます。特に私学であれば尚更です。

どんなやり方でも結果を出し続けていれば指導者が評価されるような環境では、その指導者は優秀だと評価されて、指導者の言うことややることが正しいと思い込んでしまいます。

もちろんそのやり方に合わない人も出てくるわけですが、その狭い世界の中では「合わない人が間違っている」という認識が生まれてしまうんです。

さて、指導者が選手に体罰をしてしまうもうひとつの要因として「ミルグラム効果」というものが考えられます。

ミルグラム効果は、閉鎖的な環境において権威者とそれに従う人との間に、一定の条件下では冷酷で非人道的な行為を行うことがある。というものです。

詳しくはWikipedia先生に書かれてるので確認してみてください。

そんなようなことが行われてしまうのは、そうした心理的な影響もあってのことです。

指導者が神様、指導者がすべて正しい、ということではなく、指導者と選手が対等な立場でいれる環境作りが大切だと思います。(そのあたりは欧米諸国は徹底されてるように思う)

体罰をしてしまう指導者がもちろんよろしくないのですが、その環境を与えてしまっている学校の責任は大きいし、何より「勝つことが素晴らしいこと」というスポーツ界の風潮も変えていかなければならない。

純粋にスポーツを楽しむための環境づくりや指導を目指していけば、自然とパフォーマンスも上がっていきます。

スポーツはあくまでも人生をより良くするための手段です。それを忘れてはいけませんよね。

<まとめ>

①高圧的な指導で選手を恐怖で縛りつけたり、無理なトレーニングで心身の健康を顧みず追い込んだりすることは、選手にとっては大きなマイナスである。

②自分の帝国を築きだした指導者は自分のやり方を疑わないし、それに反論する選手やスタッフを攻撃的な態度や本当に攻撃して従わせようとし、体罰へとつながっていく。

③体罰をしてしまう指導者がもちろんよくないが、その環境を与えてしまっている学校の責任は大きいし、何より「勝つことが素晴らしいこと」というスポーツ界の風潮も変えていかなければならない。スポーツはあくまでも人生をより良くするための手段。

少しずつスポーツ界も結果至上主義から脱却をし始めているような動向も見えてきているので、僕も微力ながら(ほんとに微力だけど)そうした問題への警鐘を発信できたらと思います。

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森下健(もりしたけん)
1986/10/31 埼玉県三郷市出身。
学生時代は水泳に没頭。専門種目はバタフライ。現在はトライアスロンにハマっている。青春真っ只中。
奥様と息子(5歳)と娘(1歳)の4人家族。横浜在住。
メンタルトレーニングの情報を中心に書きたいと思います。

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