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「天気の子」の巣籠もりチャーハンとチキンラーメンサラダ

俺の住む横浜も今週から梅雨入りした。

こういうときは外に出ず、のんびりと映画を見るに限る。prime videoで「天気の子」がレンタル開始されていたので見た。舞台は雨の東京なので、この季節にピッタリだ。俺は新海誠作品は「秒速5センチメートル」からずっと見ているくらい好きなので、「天気の子」は封切りで見た。たしか公開日に仕事を定時で切り上げて、車を1時間運転して遠くの映画館まで見に行ったのだった。近くにも映画館はあるが、当時俺は新車を買ったばかりだったため、遠くまでドライブがしたかったのと、映画を見終わったあとの余韻に浸りたかったから、わざわざ遠くまで行ったのだと思う。当時のレビューサイトは展開や結末には賛否両論といった感じだったが、それだけ多くの人が見たという証拠だ。俺は劇場で2回見た。単純に面白かったからな。

異常気象で毎日雨が続くというのはあまりにも現実離れしていて映画の題材にピッタリだと当時は思ったものだが、今年は感染症の大流行という、連日大雨よりももっと荒唐無稽なことが現実に起こっている。「事実は小説よりも奇なり」とはよく言ったものだ。この感染症の都会を舞台に1本アニメ映画を作ったら相当売れるのではないだろうか。

タイトルは「病気の子」

1000年に1度の感染症の大流行が実は1人の少女によって引き起こされていて、離島から来た少年がそうと知らずに彼女に恋をする。少年は彼女の病気に対する免疫を持っていて、少女と一緒にいても感染しないため、しばらくはその少女と楽しく過ごす。だがそのことに気づいた世界保健機関によって、血清をつくるために世界中から2人は狙われる羽目になる。少年は彼女の命を守るため、少女はずっと彼と一緒にいたいがために、世界を敵にまわす。

...みたいな。さすがに不謹慎すぎるか。

冗談はさておき、今回は劇中に登場した巣籠もりチャーハンとチキンラーメンサラダを作ることにした。俺は影響されやすい正確なので、こういうのを見てしまうと自分で作って食いたくなるのだ。俺は陽菜と帆高が2人で食事をするこのシーンが好きだが、ひとつだけ共感できないことがある。初めて訪ねる女の子の家に「つまらないものですが」と言って湖池屋ポテトチップスのりしお味とコンビニのケーキを持っていくのはまだわかるが、”チキンラーメン1袋”を持ってくるのはいかがなものだろうか。ケーキ・ポテトチップスはまだわかるが、チキンラーメンってなんだ?しかも1袋だ。5食パックではなく、1食分1袋。誰しも疑問に思うだろう。いくら恋愛経験の無い女子の家初訪問の離島育ちの線の細い純朴な童貞クンでも、初めて行く女の子の家にチキンラーメン1食分は携えていかないだろう。この点だけはいまだに謎だ。まぁ帆高はラストシーンで陽菜に会いたいがために、命の恩人の圭介に銃を向けるような人間なので、共感しようとすること自体無駄なのだろう。

意味の無いことに意味を求めても腹が減るだけだ。深く考えないことにして、近所のコンビニみたいなスーパーでポテトチップスのりしお味とチキンラーメンを1袋購入した。玉ねぎも粗みじんにしておく。先週から育てた豆苗もすっかり成長して食べ頃になっていたので、収穫して細かく刻んでおく。

材料と調味料とフライパンを量の共同キッチンに持っていき、調理を始める。まずはフライパンに胡麻油をひいてしょうがを入れて香りが立つまで弱火で加熱する。加熱が済んだら、粗みじんにした玉ねぎを入れて中火で炒める。玉ねぎがしんなりとしてきたら、ご飯を加え、醤油・香味ペーストで味付けし、豆苗を入れて強火で炒める。仕上げにポテトチップスを手で砕いて入れ、塩コショウでさっと味を整える。ポテトチップスは必ず最後に入れること。でないとポテトチップスが水分をすって、パリパリ感がなくなるからだ。盛り付けの際は丼を用いて半球状に皿に盛り、真ん中をくぼませて卵黄をのせ、仕上げに豆苗を卵黄の回りにあしらい、ポテトチップスを回りに飾る。

チキンラーメンサラダはトマトを切ってレタスと一緒に盛って砕いたチキンラーメンを上からかけるだけだ。簡単だな。

テンションが上がって裏声で「おまたせしましたぁー。」と一人で劇中の陽菜の台詞を言い、我にかえって一人赤面しながら写真を撮った。チャーハンを1口食べてみる。想像していたよりもずっと旨かった。卵黄が良い仕事をしているし、ポテトチップスのクリスピー感も食感にアクセントを与えてくれる。これは冗談抜きで美味しかった。

チキンラーメンサラダは大体想像通りの味だった。

やっぱり映画に出てくる料理を作って食べると、形容しがたい達成感を感じることができる。「俺”天気の子”の巣籠もりチャーハン作ったんだぜ!」と人に自慢できるからかもしれない。俺は見栄っ張りだからな。

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