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音楽は聴くだけじゃない⁉︎"UGCを活用して、原盤使用料を最大化するための仕組み作り"

※このnoteではライブやファンクラブ、グッズ等の原盤以外のアーティスト収益に関しては考えず、原盤(一般的にはアーティストがリリースする音楽コンテンツ)に絞ったお話をしたいと思います。

原盤使用料について

原盤でのアーティストの主な収入は原盤使用料です。レーベルに所蔵しているアーティストの原盤制作には基本的にレーベルが関わっていて、この原盤使用料をレーベルとアーティスト、その他関わっている人で分け合うことになります。アーティストは原盤使用料の一部をアーティスト印税として受け取ります。原盤制作を全て自分自身で行っているアーティストであれば、原盤使用料は全て受け取れることになります。
またアーティスト自身がソングライター(作詞家、 作曲家、もしくはその両方)であれば著作権使用料も発生します。

※参考)音楽著作権全般に関しては音楽主義のHPがとても参考になります。

原盤使用料のメインはCDからデジタル販売、そしてストリーミングサービス(以下、ストリーミング)に移り変わっています。日本ではCDがメインというアーティストもまだまだ多くいます。

最重要は"聴いてもらうこと"

あえて言及することではないが、原盤使用料を最大化するために最も重要なことは聴いてもらうことに変わりはありません。ストリーミングは1再生毎に原盤使用料が発生し、いかに多く聴いてもらうかが重要です。

※参考)音楽サブスクの再生単価はどう決まるのか?

グローバル視点で考えると、音楽マーケットは成長しています。世界一のアメリカも再成長しています。大きな要因はグローバリゼーションだと考えます。スマートフォン保有人口の増加、Spotifyはじめとしたフリーミアムのストリーミングサービスの普及で明らかに音楽を楽しめる人口が増加しました。リリース当日にはそういった世界中の人々に音楽を届けることができ、聴いてもらえる環境ができたからです。

一方国内視点でみると、日本のマーケットは依然として厳しい状況です。CD / ダウンロードの売上が減少しているにもかかわらずストリーミングの拡大がまだまだ急務で、グローバルマーケットと乖離しています。ただ、いちアーティスト視点で考えると、チャンスは増え本当にやり方次第で如何様にもできると感じます。

※参考)西村作成(IFPI、日本レコード協会参照)

2020年音楽市場.001

SNSでの音楽使用が合法に

YouTubeの「YouTube Content ID」やFacebook / InstagramのFacebook Music プロダクト、TikTokでは近年音楽使用が整理され、合法的に使用できるようになってきました。これらのプラットフォームで音楽を使用してもらえれば原盤使用料が発生するわけです。発生する原盤使用料に関してはYouTubeを除くとまだまだ少額だと考えられますが、新たな原盤収入の一口になってくのではないかと考えられます。

タイトルで「音楽は聴くだけじゃない⁉︎」と書かせていただいたのは、このような合法的に音楽を使用できるプラットフォームが増えてきたことによって、リスナーは音楽を単に聴くだけでなく、UGCのようなユーザー発信のコンテンツも展開しやすくなり、多種多様な活用ができる時代になってきたと思うからです。そのような多種多様な使用用途で発生する原盤使用料が増えれば音楽マーケットはもっと面白くなるだろうと考えます。
※UGC(User Generated Contents = ユーザー生成コンテンツ)

ここで一つ言及させていただきたいのは、音楽との出会い方は人それぞれありますが、最終的に音楽を聴いてもらうことが重要なことに変わりはありません。実際TikTok上の踊ってみたや遊んでみた動画で使用されていた音楽からたくさんのヒットが生まれており、単純に使用されるだけでなく、投稿動画によって音楽も拡散され、実際の視聴につながっていることも非常に興味深いです。

YouTube Content ID:https://www.tunecore.co.jp/youtube_sr
Facebook Music プロダクト:https://www.tunecore.co.jp/facebook_sr
TikTok:https://www.tunecore.co.jp/store/Tiktok

原盤使用料を最大化するために

原盤使用料を最大化するために私が期待したことを3つ述べさせていただきます。

1. 原盤使用料の管理・分配を簡単に

ストリーミングだけに絞っても国内外で数多くのサービスが存在します。その上前述した通り、様々なtoCプラットフォームで合法的に音楽が使えるようになり、原盤使用料が分配されるようになってきました。そういった背景から原盤使用料の管理・分配は非常に大変な労働になっていると感じます。もちろん原盤使用料に限った話ではなく、著作権全般です。まずは原盤使用料の管理・分配だけでも簡単にできれば、業務効率が上がります。その結果、クリエイター・インフルエンサー・プロモーターなど様々な人を巻き込みやすく、より戦略的に動きやすくなります。

※TuneCore Japanが提供しているSplitはとてもいいサービスだと思います。

2. 原盤使用許諾をオープンにわかりやすく

お金を払ってでも音楽を使いたいサービス・ユーザーは多く存在します。ですが、現状窓口が狭いように感じ、うまくマッチングされていないように思います。最低限の権利は守り、もっとオープンにアクセスできる入り口が必要だと思います。
またYouTube同士のコラボレーションみたいな取り組みが非常に重要だと思います。出演料は発生しないが、お互いの動画に出演することでお互いの視聴者を共有し、双方にメリットを作っている取り組みです。
音楽事例でも柔軟に動いており、とあるYouTuberが知人YouTuberがリリースした楽曲のオケを借り、その楽曲の歌ってみた動画を投稿していました。再生数も上乗でした。歌ってみた動画を上げてもらうことがプロモーションにつながるのでオケを渡したのでしょう。直接金銭的なやり取りはないですが、Content IDで多少お金にもなります。このような柔軟な対応がとても大事な時代になったと思います。もちろん組織が大きいほど難しい判断になるのは重々承知で、身軽なD.I.Yアーティストほどチャンスがあると思います。ですが、身軽なD.I.Yアーティストほど連絡が取れなかったりするので、プロモーションのチャンスを逃しているのではないかと思います。もっと原盤使用許諾をオープンにわかりやくすることが非常に重要で、そういった環境があれば、クリエイター・インフルエンサー等とコラボレーションしやすくなり、原盤使用料を最大化する取り組みができるのではないかと考えます。

3. 新しいto Cプラットフォームに期待

カラオケ産業は日本の音楽業界にとって大きな収入源となりました。Spotifyがソーシャルカラオケに進出するというニュースがありました。本当に参入するのかはわかりませんが、このようなサービスが新たな収益源になっていくことでしょう。

前述した通り、合法的に音楽を使用できるプラットフォームが増えてきました。以前よりもスタートアップ/ ベンチャーでも音楽を使用するサービスがやりやすくなってきたのではないでしょうか。新しいto Cプラットフォームが生まれ、音楽の新しい楽しみ方が増え、UGCが加速することに期待したいです。

最後に

音楽は聴いてもらうことが最も重要ですが、合法的に音楽を使用できるプラットフォームの登場で明らかに音楽を用いたUGCは増えました。UGCを活用して原盤使用料を最大化する仕組み、そこに音楽の未来があるのではという考察でした。
最後までご覧いただきありがとうございました。

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