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ナミビア最高峰登頂

ナミビア最高峰であるMt. Brandbergブランドバーグ山は標高2606m。ナミビアの最高標高地点である。ブランドバーグとはアフリカーンス語で「炎の山」という意味である。名前の由来は、太陽の光を浴びて山が燃え滾る様なことからである。ひょんなことから、友人に誘われて登頂することになった。私の出身である静岡には日本一の山富士山がある。標高は3776mあり、ブランドバーグ山より1000m以上高い。すでに富士山を登頂した経験があるため、楽勝だと勘違いしていた。。この登頂がこんなに過酷だと想像つかなかった。

今回登頂するメンバーは日本人6名(男性:5、女性:1)+ツアーガイドのナミビア人1名の計7名。今回の登頂は2泊3日の行程となる。2日間テント泊である。途中で山小屋もないので、水や食料を持参して登頂となる。そのため、かなりの重装備の登山である。当然、シャワーも浴びれないので過酷な登山と言える。1日目は山の中腹まで登り、そこでテント泊となる。2日目はピーク付近にベースキャンプを設置し、荷物を置きピークアタックとなる。頂上に辿り着いた後は、キャンプに戻ってテント泊となる。3日目は下山という形である。

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出発前の集合写真。これから過酷な登山を知る由もなかったメンバーたち。真ん中の2名が宿のオーナーとドライバーで、登山の麓までピックアップしてくれた。(水色のTシャツが筆者)

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このゴツゴツとした悪路をひたすら歩き、1日目のキャンプ地まで目指した。重装備を背負った状態かつ、急斜面の岩山を登る1日目は最も過酷であった。太陽の日差しが我々の体力を奪っていく。水分補給をしつつ歩き続けた。

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歩くにつれて、斜面が急勾配になってきた。感覚としては、歩くから登るに変わっていった。岩肌もツルツルしており、滑り易く注意が必要である。一歩一歩前に倒れこむように踏み出し歩いた。

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1日目のベースキャンプ地付近からの眺めも絶景である。いかに歩いてきた道が険しかったのが分かる。。

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キャンプ地に到着するとテントを設置した。ガイドが火を起こしてくれたので、その火が我々にとって唯一の光となる。何もないため、時間の流れがゆっくりとしている。夜空がとても綺麗。ふと見上げると、満月だった。どうりで明るいわけだ。何にもないかと思っていたが、空には数え切れないほどのお宝があった。手は届かないので、心に焼き付けておいた。ナミビアは乾燥しているため、空気が澄んでおり星が綺麗に見えた。1日目の登山に疲れたため、早めの就寝。

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疲れた身体を起こすと目の前には、どこまでも続く地平線が見えた。コーヒーを飲んで身支度を済ませ、2日目の登山の開始。

歩く。本日もひたすら歩く。道なのか分からない場所をガイドが先導し、ひたすら食らいつく。ようやく傾斜の緩い場所に辿り着いた。ここが2日目のベースキャンプ地となる。ここに荷物を置いて、ピークアタックとなる。少し休憩し、必要な水分と食料だけ荷作りをして山頂を目指した。

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山頂を目指す道中で、ふとガイドの足が止まった。何だろうとみんなが不信に思ったが、ガイドが大きな岩を指差した。そこには、ヒトや様々な動物が描かれていたのだ。

この地に文明があったことが証明された。この壁画を見た瞬間、疲れが一気に吹き飛んだ。ここに住んでいた民族は狩猟して生活をしていたとのこと。こんな僻地に人が生活してたことが分かったことで活力が漲った。

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「おっ、山頂が見えたぞ。」とガイドが言った。赤丸で囲った部分に、山頂のシンボルがわずかに見えた。見えたといえ、まだ道のりが険しい。標高が高くなるにつれて、風が強まってくる。日差しは強いが、風も強く、少し肌寒い。

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ついに、山頂のシンボルが目と鼻の先の距離となった。メンバー全員が最後の力を振り絞ってゴールを目指した。そして、ついに辿りついた。ここがナミビア最高峰。。山頂から見える景色は絶景。澄んだ青空、山の稜線が映える。あまりの爽快感に昼寝をした。山頂でする昼寝は格別だ。

登頂した感想は達成感よりも、もっと険しく過酷な山にチャレンジしたい気持ちが満ち溢れてきた。長く険しい道も、一歩一歩確実に前に進み続ければ、必ず頂上に辿り着くことが出来ることを感じた。この登頂が自分自身のココロとカラダを強くし、自信をもたらしてくれた。

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山頂での時間を満喫した後は、ベースキャンプまで戻る。登るのは大変だが下るのは容易だ。2日間歩き続けてたため、貴重な水が底をついた。荒れた山なので、川はない。非常に厳しい状況である。しかし、ガイドは自信満々に俺について来いと言った。

ベースキャンプ付近に、岩のくぼみに雨水が溜まったいた。この水の正体は、2年前に降った雨。そのため、すごく濁っていた。この水をガイドとは平気で飲んでいた。衝撃を受けた、彼らの体はどうなっているのか不思議だ。我々は飲めるはずもない。この水を使用する際は、市販されている薬を使用し、不純物を沈殿させてうわ水を煮沸する事が必須である。飲んでみたが土の味がした。しかし、贅沢を言ってる場合ではない。生命の危機に関わるため、水を確保した。

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さらにファイヤーウッドを運び、焚き火の準備。山篭り最終日。登山メンバーで、ご飯を作りながら登山の苦労話で盛り上がった。辛かった記憶も終ってしまえば、全ていい思い出。

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空を見上げると、天の川が見えた。何もない山には自然の魅力があった。この登山で、大自然を堪能した。

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なぜ、登山するのか?という議論が頻繁になされている。今回の登山を通じて、自分なりの答えが出た。

1. そこに自然があるから
2. 生を実感できる

1つ目は、自然の中で癒されることがとても気持ち良かった。自然溢れる世界観は心を癒してくれる。都会にはない時間の流れが心を軽くしてくれた。
2つ目は、大自然を目の前にする事で、自分のちっぽけさを実感できた。いかに日常生活の悩みがくだらないかと分かった。それでも、生きてるて改めて思った。

この快感を知ったことで、挑戦することを止めることはできない。まだ知らない、見たことない、聞いたことない未知の体験を追い求めて旅は続く。

The Endless Journey!












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