社会的な事業を“より日常的なもの”にするために裏方を支える担い手を増やしたい。そして市場を育てたい。
みなさま、こんばんは。モリモトケンタです。
今日はここ数年、気がかりとして抱えていたテーマを言語化してみたいと思い、記事を書いてみました。
ちょっとニッチなテーマかつ、非常に感覚的で感情的な面もあって読みづらい記事かもしれませんが、お付き合いいただけましたら幸いです。
なぜ社会的な事業が適切な規模にスケールしずらいのか?という疑問
私自身、新卒で経理職を2年経験してから、NPO業界に転職するという珍しい経歴を持っています。
現在では、ソーシャルやローカルのプロジェクトマネジメントやプロジェクト管理の仕事を業務委託で担うことが多いのですが、あまりにもソーシャルやローカルの領域のバックオフィス(裏方)を担える人が少ないからか、割と頻繁にバックオフィスや事務局ポジションのお声がけをいただくことがあるのですが、自分のキャパシティー以上にお引き受けできない状況になることがあります。(本当にありがたいことなのですが全てに応えられない、、!)
一方で事業サイドは、事業や経営者を支援する講座や取り組みが大小様々な形で存在しているのですが、事業の裏方を支える担い手の育成や裏方のプロセスを整理・改善を支援する取組みが不足しているからなのか、裏方を支える担い手にまつわる状況がなかなか改善しないことを感じています。(都市部のNPOのみがアクセスできるリソースはあるが、遠隔地になるとアクセスできないことや、スタッフのITリテラシーに依存していることも状況が変わらない要素に含まれると思います。)
そんな状況を感じてしまっているからか、
「脆弱なバックオフィスの体制が、可能性を追求できる事業サイドのボトルネックになっているんじゃないか?」
「社会的な事業が“より日常的なもの”になるために、裏方を支える担い手ができることはもっとないのか?」
という疑問をここ2年くらい漠然と抱えています。
担い手も、ノウハウも、モチベーションも足りていない?
そもそも組織の前面に立って事業を推進する担い手が不足していることもある状況で、裏方を支える人材を雇用したり、育てる余力が大きくない状況でることがあげられます。
また管理系の人材(経理、総務、人事など)は営利企業の中でもポジションの分母は限られていて、中途の転職市場で見ると報酬や待遇面での流動くらいしか起こらない、すなわちソーシャル領域やローカル領域にフルコミットする人はめったに現れることがない状況だと個人的には考えます。(はぐれメタル以下のエンカウント率…)
また現場サイドから見たら、数字に対するアレルギー感や管理に対するうしろめたさがあることから、モチベーションも締切に対してやらなきゃ…というところが想像されます。(そんな現場を短いながら見る瞬間もありました。)
そんな状況を並べてしまうと、裏方を支える担い手も、そのノウハウや専門性も、裏方に向き合うモチベーションも足りない現実が、今あるんじゃないかと私は考えます。
決して事業性がある領域じゃない…それでも取り組む意義は?
そもそもソーシャルやローカルな領域の事業体や組織は、IPOを目指すベンチャー企業のような財務基盤を持ち合わせてないことが大半です。
そのような財務基盤の事業体に対して、特化したサービスを新規に構築することは中々容易いことではなく、投資に対するコストの回収はきっと難しいでしょう。
そう思ったときに、
「果たしてこれを扱うことで、何をチェンジしたいのか?」
そんな問いが生まれてきました。
その問いに対しては、「その事業体が現実にしたい未来が事業を通じて手に入れられるような体質になること」を第一に、「裏方を支える担い手の表情がポジティブに変わっていくこと」に向き合っていきたいと考えています。
また、「恐れからコントロールする裏方ではなく、クリエイティブで愛のあるアドミニストレーションを開発すること」を目指すことで、少しでも向き合っていきたいことに近づけるんじゃないかと、私は信じています。
そして「単に経営者の指示のもと作業をするバックオフィスじゃなく、自らの役割(やキャラクター)から創造的な提案を生み出せるバックオフィス」が社会に溢れたら、もっと創造的な事業推進が叶えられるんじゃないか?そんな夢も頭の片隅には描いたりしています。
それを実現するためには、
・その組織の文脈や背景と向かおうとしているビジョンを理解する
・その組織の事業や現場に対する共感を持つ
・既存のサービスを組み合わせて、その組織の中で自走化できる程度に簡素化された業務設計をする(できるだけ低コストに仕組みを構築する)
・自走化の段階で、デイリーのオペレーションを担える人材を育てる(またはパートタイムで採用する≒地域で雇用を作る)
が、必要なんじゃないかと今私が見えている範囲での言葉になっています。
事業としての収益性を意識すると、このプランの実現性は低い方かもしれません。ただ、仮にそんなことが安易に想像できたとしても、その道のりが地味なものだとしても、誰かがそれに取り組もうと旗を立てない限りは、風は吹かないし、現実は何も変わらないままだと思います。だからこそ小さくでもこう宣言することが大切なんだと考えています。
最後に
私自身は、めちゃくちゃ優秀なキャリアや経験を積んできた人間ではありません。でも、この5-6年間を通じて体感してきたソーシャルやローカルの現場では、もっとこんなもんじゃない、もっと輝く可能性を秘めている力はあることを垣間見てきました。
そこでここまで読まれたみなさんに1つお願いがあるのですが、もし皆さんの周りに、こんな困った声やこれを解決したいという声があればぜひ教えてくれませんか?
そしてそれらの課題を本格的に改善して、事業を前進させたいという声があれば具体的にお繋ぎいただきたいです。
今すぐに具体的なプロジェクトにできたら理想的ではあると思うのですが、まずは、その組織が負担できるコストの範囲でアクションできることはないか?そんな可能性をヒアリングから探っていきたいと考えています。
具体的な行動を起こしていくためにも、もしみなさんの中に響く何かがありましたら情報や知恵、経験など、力を貸していただけると嬉しいです。
(カバーの写真は2018年11月に某イベントで撮られた一枚。もう2年以上前の話なのね…)