富士見市運動公園はクラブの拠点になるのか

 やっぱり環境って大事・・・。

 どうも、ふじみスポーツクラブの上杉健太(@kenta_u2)です。埼玉県富士見市で、誰もがいつまでも、自分に合ったスポーツを続けられる地域社会の実現を目指して、総合型地域スポーツクラブの運営をしています。

 今日は、『富士見市運動公園はクラブの拠点になるのか』というテーマでお話したいと思います。つい先ほど、衝撃的なニュースが飛び込んできました。


富士見市運動公園とは

 まずはこの施設について、基本情報をお知らせします。富士見市の公共の総合スポーツグラウンドで、

  • テニスコート6面(クレー)

  • 野球場

  • サッカー場

があります。ナイター設備はなく、トイレも仮設トイレがいくつかあるだけで、自動販売機もなければ、水飲み場もありません。スポーツ施設としてはかなり質が低いといえるでしょう。8:00〜17:00が利用可能時間で、平日の利用者はほとんどいません。テニスコートについては、土日でも比較的確保がし易く、ふじみスポーツクラブでは現在、日曜日に3クラス、月曜日と水曜日に1クラスずつ活動を行なっています。



ふじみスポーツクラブの思惑

 体育館や隣の市のテニスコートに比べて格段に確保しやすいので、ここを拠点に人を集めることができれば、クラブを軌道に乗せることができると思って、ふじみスポーツクラブでは設立当初(2021年4月)から使い続けてきました。

 しかし、確保しやすい施設ということは使う人がいない施設ということであり、人集めには苦戦を強いられています。現在、テニスの3クラスをここでやっていますが、会員数は合わせて16名。1クラス平均3名程度なんです。


富士見市運動公園に人を集められない原因(仮設)

 なぜ富士見市運動公園で人を集められないのか。いくつか仮設は持っています。

仮説1:テニスの競合が強い

 まず考えられるのが、テニスというコンテンツ自体の問題です。そもそも体験の申し込みすらないということは、「テニスをしたいけど、やる場がない」という困り(ニーズ)がないということが考えられます。恐らく、テニスをやろうと思った時にまず思い浮かぶのが、公共施設のテニスコートではなく、『テニススクール』なのだと思います。確かに、屋根もトイレも自販機すらない土のテニスコートよりも、綺麗で快適なインドアコートの方がいいに決まっています。ふじみスポーツクラブが勝負できるポイントがあるとするなら、『コスト(会費)』と『コーチとの相性』くらいでしょう。

仮説2:場所が知られていない

 2つ目の仮説は、もはや仮説というか、ほぼ間違いない事実なのですが、富士見市運動公園は知名度がかなり低い。仮に名前を知っていても、どこにあるかは知らない。なぜなら、見かけるような場所にはないからです。荒川の土手の中にあり、何なら近くに行っても気付かないようなところにあります。
 チラシなどで『会場 富士見市運動公園』というのを見た時に、「あー、あそこね」とならないと、「行ってみよう」とはならないのかもしれません。

仮説3:遠くて行けない

 富士見市は比較的車を持っている家庭が多いのですが、それでも駅の近くに住んだある人たちの中には、車を持たない人もたくさんいます。東京に働きに行くサラリーマン家庭など。
 そのような家庭では、富士見市運動公園へは、仮に知っていても行けない(行きたくない)ということが起きます。遠いからです。実際には、富士見市なんて小さいですから、自転車があれば行けますが、わざわざその労力をかけて行くような魅力的な施設ではないことは先ほど説明済みです。そうするとやはり、「遠いから行けない(行かない」となるのかなと思います。

仮説4:設備が整っていないから

 最後に挙げておきたいのは設備面のこと。一度でもこの場所を訪れたことがある人なら、何にも整っていない施設であることを知っています。例えばそこで仮設トイレしかなくて困った経験をしていたら、「もうあそこには行かない」と決めてしまっているかもしれません。あるいは、「他のグラウンドやコートの方が良い」と、既に他の場所で何らかの活動をしているかもしれません。実際に、近隣の市のテニスコートは平日でも利用者がたくさんいますから、少なくともテニス愛好家は意識的に富士見市のテニスコートを避けていると思います。どこもコートが取れない時の最終手段くらいには考えてくれているかもしれませんが・・・。

トドメの事実

 そんなわけで、拠点とするにはかなり厳しい状況にある富士見市運動公園。そこに、トドメを刺すようなニュースがもたらされました。ただでさえ仮設トイレしかないのに、そのトイレも冬の間は凍結防止の為に使用禁止になるというんです。周辺に何もないだだっ広いグラウンドで、トイレなしです。もしもよおしてしまったら、近くのコンビニや公衆トイレに駆け込まないといけません。最寄りのトイレは車や自転車を使っても5分はかかるでしょう。これはちょっと嫌ですよね。私はかなり高い確率で指導前にトイレに行くし、特に日曜日の早い時間の時にはよくお腹を下すのでピンチです(^_^;)
(※いや本当にピンチ)


まとめ

 富士見市運動公園を拠点にすることについて、メリット・デメリットをまとめてみます。

【メリット】
・確保しやすい

【デメリット】
・設備が整っていない(グラウンド整備を含む)
・夏場の熱中症リスクが高すぎる(日陰や水飲み場がない)
・冬場はトイレが使えない(冬以外も仮設トイレしかない)
・遠くて通いづらい
・認知度が低い
・雨が降るとグラウンドの回復までに時間がかかる

 かなりデメリットが勝ってしまっているのが現状です。市にも課題意識はあるようですが、無人管理の為か、放置されがちな施設になってしまっています。
 改善するにしても、誰も使わない施設を改善しようとは思いにくい。そこでふじみスポーツクラブとしては、まずは使っていって、人がそれなりに集まるようになって、それからガンガン要望していこうと思っているわけです。
 でも正直に言うと、まずは設備を整えてからじゃないと、人を集めるのはかなり厳しいというところ。せめて、トイレの整備とグラウンド整備はちゃんとして欲しいものです。そこだけやってもらえたら、あとのことは頑張れる気がします。


 ということで今回は、『富士見市運動公園はクラブの拠点になるのか』というテーマでお話しました。富士見市の数少ないスポーツ施設の一つ。ふじみスポーツクラブは何とかあの施設を諦めずに、粘り強く使っていき、環境の改善に取り組めたらと思っています。頑張ります!

今回もお読みいただきありがとうございました!
ではまた!

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総合型地域スポーツクラブや筆者の挑戦のリアルな実態を曝け出しています。自ら体を張って行ってきた挑戦のプロセスや結果です! 総合型地域スポーツクラブをはじめ、地域スポーツクラブの運営や指導をしているかた、これからクラブを設立しようとしているかた、特に、スポーツをより多くの人に楽しんでもらいたいと思っているかたにぜひお読みいただきたいです!

総合型地域スポーツクラブのマネジメントをしている著者が、東京から長野県喬木村(人口6000人)へ移住して悪戦苦闘した軌跡や、総合型地域スポ…

総合型地域スポーツのマネジメントを仕事としています。定期購読マガジンでは、総合型地域スポーツのマネジメントに関して突っ込んだ内容を毎日配信しています。ぜひご覧ください!https://note.com/kenta_manager/m/mf43d909efdb5