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良き集団には、良き指導者あり

こんにちはKentaです。前回のブログをお読みいただいた方、スキをいただいた方誠にありがとうございます。また、誤字脱字が多くて申し訳ありませんでした。試合を見ながら書いていたのもあり結構ミスがありました。いいわけです 汗 写真はゲキサカさんから拝借しております。

ということで前回の続きを記していきます。既に表題で結論を出してしまっていますが、良い集団に必要なもの。それはその集団を導く指導者・リーダーの存在です。当然の事といえばそれまでになってしまうのですが、これを私的観点を基に解説していきたいと思います。

青森山田は強い

2020/1/2に行われた青森山田VS米子北の試合を観戦して感じた事です。正直あまり前情報を入れずに観戦に臨んだため、試合前は青森山田が優勝候補と言われてるし、武田選手が注目されているから青森山田が勝つだろうな、くらいの感覚でスタジアムの席へ着席しました。結果はその少ない情報量通りになりましたが、後に深掘りすればするほど興味を引く内容だったことに気づきます。試合結果は6ー0で青森山田の大勝であり、内容も正直それに比例するものでした。しかし決して米子北が弱いわけではなく、現にDFにはJ1リーグの大分トリニータに内定している選手もいました。県予選は目下10連覇中(10年連続で県代表)で過去のプロ排出選手には、2018年ロシアWカップ日本代表の昌子源選手がおり、いわばサッカー名門校です。そのチームに大勝し、次の3回戦でもこれまた富山の名門校、富山第一に対して4−1の圧勝という結果でした。この様に危なげなく、順調にトーナメント戦を戦えている彼らは確かに高校サッカー会ではエリート集団と言えます。J内定選手が2人いて、各年代の日本代表選手も多く在籍している、高校サッカー会では頭一つも二つも出ている存在です。

スポーツで必要な考え

優秀な個々が集結しているからこそ強豪校である事に間違いはありません。しかしいくら優秀な集団だからといって必ずしも勝てるほどサッカーは簡単なスポーツでもありません。ジャイアントキリング(弱いチームが強いチームを倒す事)はサッカー界ではよく起こります。カテゴリーが関係ない天皇杯では毎年恒例行事の様にジャイアントキリングが起きます。現に前回大会もJFLのHONDA FC(アマチュアチーム)がJリーグのチームを次々と倒してベスト8までいきました。過去には高校生のチームがプロを倒した事もあります。これは日本だけでなく他のサッカー先進国のリーグでもしばしば起きます。要因は様々ありますが、大きな要因としてチームワークとプレッシャーが挙げられるのではないでしょうか。ランクが上位のチームは試合前から「勝って当たり前」という目で見られます。特にプロとアマの試合では、プロなんだからと言われるのは当然です。そのプレッシャーに負けたらそれまでですが、選手の立場からするとやりにくさはあります。さらにカテゴリーが下のチームは失うものがないので120%の力を出しやすい環境でもあります。サッカーの様なチームスポーツの場合、たとえ一人一人の能力が劣っていてもチームになった時に12人以上の力を発揮できます。それがチームスポーツの魅力です。だからこそサッカーは心技体が必要なスポーツと言われるのです。真に強いチームにはその心技体が備わっているので常に強いチームでいられるのです。

心技体を身につける術。それは...

ではその心技体はどの様に身に付けるのでしょうか?これこそが私が今回の会場で感じた事でした。私も約20年前になりますが高校サッカー(高体連)を経験しています。当時にもJリーグの下部組織チーム(ユースチーム)はありましたが、今ほど普及はしておらず、大半の学生は高校サッカーがメインな時代でした。そんな私の観点から高校サッカーとユースチームの一番の違いをあげるならば「教育」だと思います。ユースチームは所謂サッカーエリートチームです。入りたくても選ばれた人間しか入れませんし、プロのプレーヤーに近い環境でサッカーに集中できます。ですから自然とプロプレーヤーになる選手も多くなります。一方で高校サッカーは受験はありますが、高校に入学できれば基本入部することはできます。もちろん青森山田高校の様な強豪校は部員が100人を超す事が当たり前で、レギュラー争いは熾烈ですが学校という看板を背負ってプレーをするので前提条件として学業を怠るわけにはいきません。学業にはもちろん学校の成績以外にも一人前の大人になるための教育も含まれます。強豪校であればあるほど、周りからの注目も浴びるのであくまでその教育というベースの上にサッカーがあります。この教育の上にサッカーがあるという事が心技体を身につけられる事と大いに関係しています。注意として申し上げると、決してユースチームが教育を怠っている訳ではないと思いますが、今回は高体連だからこそという視点でお話をさせていただきたいと思います。

高体連で学べる教育とは?

前途した心技体が青森山田のチーム全体から1試合を通して見えました。当然高体連のタレント集団がゆえに一人一人の技量は高くボールコントロールやキックの精度、視野の広さはさすがというプレーの連続でした。さらに個人のプレーだけでなく、チームとしての完成度も高く、全員が汗かき役にもなれて、連動した動きもできる、規律のしっかりとしたチームとの印象を受けました。だからこそ強豪相手でも納得の大勝という結果だったと思います。しかしそれ以上に彼らの勝者としての立ち振る舞いこそが良い集団としての印象を私に与えてくれました。私だけでなく、その会場にいた観客の多くがそう感じたのではないでしょうか。試合終了後に敗者である米子北の選手の多くはピッチに倒れこみ泣き崩れる選手も多くいました。彼らも80分という時間を常に全力で勝利を目指して戦い抜いています。疲労感、悔しさ、敗北という結果からそうなるのは当然です。その彼らに対して、勝者である青森山田の選手たちは自分たちの勝利を喜ぶ前に気遣いを行なっていました。健闘を称え、共に戦ってくれた感謝を伝える為に相手選手に対して握手を求めていました。驚いたのは青森山田のGK選手が、試合終了のホイッスルと同時に米子北のGK選手の元に走って向かい、泣き崩れる彼を抱えて健闘を称えていたのです。その行為もあってか、米子北の応援スタンドからも次の戦いに進んだ勝者へのエールがすぐに出てきました。試合というのは相手あってこそのものです。対戦相手がいるからこそ勝敗がつく。だからこそ全力で勝負に臨める。リスペクトの精神を持ったチーム同士が行う戦いだからこそ見るものもとても良い気持ちになるし、観客の心を動かす事もできる。これこそがスポーツの良いところだと改めて気付かせてもらいました。さらにそれだけでなく、試合終了後には黒田監督を中心に円陣を組みすぐにミーティングもしていました。一見当たり前の様な行動に見えますが、その当たり前の行動を当たり前の様にやれる事が彼らの能力の高さを示しています。大勝に浮かれる事なく、相手を讃えて、スタンドの観客や自身の応援団にもきちんと感謝の意を示し、次の戦いにも備える。それを行える彼らには心技体の備わった王者の風格が整っていると強く感じさせられました。

王者の風格の真髄に迫る

https://youtu.be/IE1TRmlI1VA

高校生がここまでできる。なぜだろう?そう考えた自分はその表面だけでなくその根幹を知りたくなったので彼らについてさらに調べることにしました。那須大亮さんのyoutube番組に黒田監督が出演している回があり、それを見たときにそのなぜ?が解明できました。それはやはり彼らの経験値と共にその教育者である黒田監督の存在がとても大きかった事です。インタビューの中で黒田監督は素晴らしいことを話しており、それを下記にまとめました。

・23年連続で全国大会出場してきた中で、時代に合わせた指導方法の確立
・教育の上にサッカーをのせる作業をする
・日本サッカー育成年代に一番必要な事が教育であり、それを行うからこそハングリー精神を持った選手
 がうまれる
・現日本代表の柴崎岳選手がいかにして開花したのか

教育をベースにしていかにサッカーを指導するのか。ということについて語っておられました。人として大事なことは全てサッカーにつながる。その大事な事はサッカー以外の社会人生活に繋がり、そこで学んだ事はその選手一人一人の人生の基盤となる。育成年代で関わるからこそそこでサッカーを通して学べる基盤を作っていく。さらにその育成年代の生徒たちにどの様な指導をしたら響くのかをその時代に合わせたやり方も実践する。だからこそ、青森山田でサッカーをしたい、学びたいという生徒が増えて、能力のある選手が集まる良い流れができている。

さらに今、日本代表の中心選手であり、卒業生である柴崎岳選手に対して彼が中学2年生の時に黒田監督が与えた一言がとても印象に残りました。柴崎選手は元々パスセンスや技術に長けた選手でありましたが、所謂天才型で、フィジカルに難があったそうです。ミッドフィルダーに多いタイプですが、その短所を見抜いた監督は次の様に話したそうです。「監督やコーチから指摘をもらってる選手がプロや、ましてはWカップで戦えるはずがない。自分でできないことを探して、それに果敢にチャレンジをしていく。その姿勢を持たなければならない」その後彼は眼の色を変えて、天才が努力をする天才になり、その天才が最高の努力を続けた結果今の日本の司令塔がうまれたのです。

今回青森山田高校の試合を見たからこそ深掘りを始めましたが、その事によって自分自身も学ぶべきことがとても多かったと感じました。また教育ということについて今一度考えるきっかけになり、良い指導者(リーダー)がいるからこそ良いチームがうまれる好事例を見る事ができました。これはサッカーに限らず、ビジネスの場やチームで何かを行う時に応用が効く事だなと自分の人生を振り返っても感じました。勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなしという言葉がある様に勝負事では偶然勝てる事はあっても、偶然に負ける事はない。それは日頃の行動が全てであるから。この教育を受けた生徒たちの今後にも注目していきたいと思います。

Ciao.



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