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メンバーをやる気にさせる数字共有のコツ3つ

事業においていちばん大事なことは利益を上げることですよね。そして、経営者の理想だけで言うと、「なんとかして利益を上げてほしい」と伝えたら、メンバー全員が自分たちで考え、動いてくれること。

しかし、現実は利益に対して無数の変数があるため、レイヤーや役割ごとに伝える粒度を考えなければうまく回りません。メンバーは今行っている仕事に対して、「なんのためにやっているのだろう」と目的を失い、モチベーションをなくしてしまいます。

今回はメンバーに数字を共有する際に、どの様に伝え、数字を握ればモチベーション高くコミットしてくれるか、3つのコツをご紹介します。
基本的な内容ですが、参考にしていただけると幸いです。

メンバーに共有するKPIは1~2個に絞る

マネージャーにとって数字達成は重要です。あらゆる可能性を探りたい想いから、つい「あれもやりたい、これもやりたい」と欲張りたくなってしまいます。
ただ、メンバーからしたら、結局何に注力すればよいのかわからず、思考も分散して生産性が落ちてしまいます。

営業が受注するサービスを例に、簡単なKPIツリーを作成しました。

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いかがでしょうか?これだけでも相当な変数があります。利益を上げるためにセールスチームに頑張ってもらうこともできますし、管理チームにコスト削減をお願いすることもできます。この状態で「利益を!」と落としても、みんなポカーンとしてしまうのは当たり前ですね。

ここで1つ目の重要なポイントが「共有するKPIはシンプルにすること」。日々追うKPIは極力シンプルにすることで、メンバーの思考を集中させる狙いです。

上記の例だと、この様な分け方が良さそうです。

・営業:契約人数と、契約人数を伸ばすための成約率を見ましょう
・インサイドセールス:商談数と商談数を伸ばすための商談化率を見ましょう
・マーケティングチーム:リード獲得数を見ましょう
・サポートチーム:既存契約数と、既存契約を守るための継続率を見ましょう
・管理部:売上に伴うコストを見ましょう

これだけでもどのチームが何をやればよいのか明確になります。

KPIと分析項目をロジックツリーで分けてあげる

マネージャーがメンバーにKPIを共有します。しかし、たくさんの項目があるのにシンプルになったことで不安に感じてしまいますよね。
そこで、日々チームが追うべきKPIとは別に、KPIの因子を分析項目として分けてあげます。

前述の営業チームを例にしてみましょう。チームとして追うのは契約人数と成約率。成約率を上げる因子はなにか考えます。「ロジックツリー」で考えるとわかりやすく整理できます。

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他にも因子はあると思いますが、今回は簡単に書きました。
成約率と言っても、メンバー自身の行動から、商談を受け取った時点の属性まで様々です。
これらの因子を分析し、何が効果的か仮説検証を繰り返す。すべてを見るのではなく、決めたKPIに対して、今どの部分に注力しているかイメージしながら行動するだけでも意味付けができるようになります。

KPIを分解したロジックツリーの内、自分がコミットできる範囲を目標値として握る

最後に、個人目標設定です。上記の営業チームを例に考えます。
チーム目標である成約人数、成約率だけを追っても良いですが、途中のプロセスが把握しづらく、「何となくカンで売れた」と、短絡的な動き方になってしまいます。

そこで、KPIは最終目標に、分解した因子から特定の項目を選んで目標設定することが大切です。因子を選ぶ上で重要なのが「自分がコントロールできる因子を選択してもらうこと」。営業チームだと、企業属性などはコントロールできません。コントロールできない部分を目標にしても運頼みになるのでやめましょう。
仮に企業属性が悪いという結論になった場合は、「フィードバック」の形で、担当者に戻す仕組みを作りましょう。
コントロールできる範囲の因子の決め方ですが、色々な軸があります。趣向をアドバイスしながら決めましょう。

・成績優秀なメンバーの特徴に出ている因子
・失注商談の傾向から逆説立てた因子
・日々の営業から肌感のある因子
・一般的なセオリーに沿った因子

個々で決めた因子を目標値として握ることで、結果評価以外にプロセス評価ができるようになります。

経営の利益からメンバー施策レベルまで、意義のある数字で繋がりをもたせることでモチベーション高く行動してくれます。

終わりに

今回のは一例でしたが、基本的には数字をシンプルに伝えれば、メンバーの思考も整理されてパフォーマンスが上がります。
私自身もチーム内で数字の断捨離を行い、KPIは1/3に、サービス規模を10倍に伸ばすことができました。

コミュニケーション1つでチームパフォーマンスや事業成長はいくらでも変わります。お困りの企業様がいましたら、ぜひお気軽にご相談ください。


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