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私が働きながら大学で教える理由

私が「挑戦してよかった」ことは昨年からサラリーマンとして働きながら大学で非常勤講師として教え始めたことです。

自己紹介

私は大学を卒業後、日系の大手システムインテグレーターで文系出身のシステムエンジニアとして数年勤めた後、さまざまな外資系IT企業の日本法人で事業開発やアライアンスの仕事をしてきました。現在もアメリカのIT企業の日本法人で事業開発の仕事をしています。日系に4年、外資系に20年、合計25年近くのキャリアがあります。一言でいうと、「40代後半の外資系ITサラリーマン」といったところでしょうか。

大学の非常勤講師になる

そんな私ですが昨年2023年から関西外国語大学外国語学部で非常勤講師として「ITとビジネス」の講義を教えています。きっかけは以前から講師やメンターとして関わりのある、エンジニア・起業家養成スクールのG's ACADEMYに声をかけていただいたことです。G's ACADEMYが関西外国語大学と2022年から協力関係にあり、「ITとビジネス」という講義を私にやってみないかと誘っていただきました。会社/上司や家族に相談して、条件的に問題なさそうだったのでお引き受けしました。正確には大学側の書類審査や面接などもありましたので、応募して、無事に採用されたということになります。

なぜ大学で教えるのか?

IT業界への恩返し

私が大学で教える理由の一つは、IT業界への恩返しです。私は25年近くIT業界で働いてきましたが、多くの先輩や上司に恵まれ、とても良い条件で良い経験をさせてもらっていると思っています。一方で昨今のIT業界へのイメージは、きつそうとか、大変そう、といったネガティブなイメージも少なくないように感じています。IT業界、テクノロジーに関わる仕事が私のような文系人材にとってもとても楽しく、充実していることを若者に伝える機会があればと考えており、そのことを通じて一人でも多くの学生がIT業界で働くことに興味を持ってくれれば嬉しいと思っています。

学生時代の反省

もう一つの理由が、私の学生時代の反省です。恥ずかしながら私自身は学生時代あまり褒められた学生ではありませんでした。真面目に通っていなかったわけではないのですが、大学はただのサラリーマンになるための通過点で、講義で何かを学ぶというよりも、単位を取得して卒業する最短距離を目指していたよう思います。社会に出て働くようになって、もっとちゃんと勉強しておけばよかったと思うことが多々あり、大学院に通いました。この課題感を講義を通じて、うまく私が学生に伝えられているかは正直わからないですが、何とか伝えたいと思っています。

社会人と学生の架け橋

私が大学の講義に身が入らなかった理由の一つが、正直面白くない講義が多かったからです。その理由の一つとして大学の講義は研究者が担っているからということがあるのではないかと思っています。講義の内容によっては素晴らしい研究をされている教授の方よりも、社会で働いている私のような普通の人間のほうが、自分の経験にもとづき学生にうまく伝えられることもあるのではないかと思っています(もちろん全ての講義がそうだとは思っていません)。私の講義はできるだけインタラクティブに面白くして、学生に興味をもってもらうことを心がけています。ほとんどの学生が大学卒業後、社会に出て働くことを考えると、その経験がある「先輩」の話を聞く機会があることも大事ではないかと考えています。私の講義では国内外の社会人のゲストを呼んでお話を聞く機会も作っていますし、私自身を含め社会人と学生の架け橋のようなものになれたらいいなと思っています。

恵まれた環境

これは理由ではなく、条件ということかもしれませんが、私が大学で教えられる理由として、恵まれた環境があります。サラリーマンとして働きながら大学で教えるということは普通は難しいことだと思います。私の場合はさまざまな幸運、好条件が重なり、上司や家族の理解や助けがあり実現できました。正直、睡眠や家族との時間が犠牲になり大変なこともありますが、昨年の講義を受講した学生からの私の意図したポジティブなフィードバックを読み、本当に挑戦してよかったと思いました。また、これからもできるだけ続けていきたいと思いました。

皆さんへのお願い

最後に私からこの記事を読んでいただいた社会人の方へのお願いです。私がこのような話を同世代の友人や知人とすると、自分も学生時代にもっと勉強しておけばよかった、こうしておけばよかったという声はよく聞きます。皆さんも何かのきっかけで学生と話す機会や教える機会が今後あるかもしれません。そのときには、ぜひ皆さんにも挑戦してもらいたいなと思います。忙しい、大変そう、話すのは得意ではない、など、やらない理由はいくらでもあると思います、でも、きっとどんなお話でも学生のためになると思いますし、皆さんが逆に学生から得られることも少なくないと思います。チャンスがあったら、ぜひ、前向きに検討してください、よろしくお願いいたします。

#挑戦してよかった

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