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61番 桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

瘀血(おけつ)とは、血が滞っていること。
具体的な症状としては、にきび面、口唇・歯齦が黒っぽい、目のくま、皮下出血、掌が赤いなどです。
駆瘀血剤とは瘀血の治療薬。横綱クラスが桂枝茯苓丸(25)と当帰芍薬散(23)。大関クラスが今回の桃核承気湯(61)と大黄牡丹皮湯(33)とされます。(出典;はじめての漢方治療十五話)
桂枝茯苓丸や当帰芍薬散って婦人科の薬って思っていましたが、ようやく1日1方剤の番号順学習を2ヶ月続けて「駆瘀血剤」との見方ができるようになりました。(苦笑)

使用目標(証)

本方は、体力が充実し、のぼせ、便秘傾向がある人の、いわゆる瘀血(静脈系のうっ血、出血などに関連する症候群)を目標に用いる。腹部は腹力中等度ないしは強く、しばしば臍下部の抵抗・圧痛(小腹硬満)と、左腸骨窩に索条の抵抗と著明な圧痛(小腹急結)を認める。一般に、のぼせ、頭痛、めまい、肩こり、不安、不眠、興奮などの精神神経症状、月経異常、便秘、腹痛、腰痛、時として打撲などを伴う。

組成

桃仁(とうにん);桃の種の中身。瘀血の薬。
桂皮(けいひ);下焦の熱を散じる。
大黄(だいおう)
甘草(かんぞう);脾胃を調和する。
芒硝(ぼうしょう)

勝手にポイント

瘀血があって、元気な患者には桃核承気湯。
腹部の抵抗圧痛が左だと桃核承気湯(61)、右だと大黄牡丹皮湯(33)。
承気とは「気を承る」=意に熱が溜まっているのを取り除く薬。
承気湯類といえば、大承気湯(133)、調胃承気湯(74)、桃核承気湯(61)。一番マイルドなのが調胃承気湯、中間が桃核承気湯、最強が大承気湯。
蕁麻疹に使うこともある。

参考資料
「つまずきから学ぶ漢方薬 構造主義と番号順の漢方学習」 岩田健太郎 著 / 西本隆 監修
「漢方製剤 活用の手引き 証の把握の処方鑑別のために」 長谷川弥人 大塚恭男 山田光胤 菊谷豊彦
漢方スクエア 絵でわかる漢方処方解説 桃核承気湯
漢方スクエア 方剤解説 桃核承気湯