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生活リズムのスウィッチ


 1990年9月に健康外来を開設して1カ月半が過ぎ、ようやく健康外来の受診者第1号の方が訪れました。それも受診者自ら希望して受診されたのではなく、私の産婦人科の外来に来られた方を半ば強引に受診してもらったのです。
 外来開設当初はまだ不備な点が多く、受診者の方には大変ご迷惑をかけてしまいました。しかし快くこちらの方法に従って頂き、身体測定、心理テスト、健康調査を行うことができました。


 38才のOLの方で、疲れやすいということを訴えておりました。身体測定では年齢相応の体力をもっており、心理テストでは身体のことが少し気になるタイプでした。生活調査では規則正しい生活を実行されており、週1回はフィットネスクラブに通われ、一般的にはむしろ健康的な生活でした。
 しかし、この方のように健康指向が強い場合には健康になろう、健康でなければなどと思うあまり、食事や生活に気を使いすぎてむしろ却ってストレスになっている場合があります。また健康指導をする場合、よく規則正しい生活をするように教えたりしますが、規則正しい生活は単調であり、むしろストレスが生じやすい場合があります。


1つ手前の駅で電車を降りて

 この方には通勤の帰宅時に、自宅の1つ手前の駅で電車を降りて自宅まで歩くように勧めました。これは歩くことにより足腰が鍛えられて持久力がつき、疲れにくくなります。もう1つの効果は規則正しい生活リズムを変えることによって脳のスウィッチを切り替えることができるのです。1カ月後にこの方は「今まで以上に疲れます」と訴えました。しかし2カ月後には「疲れなくなりました」と言い出しました。3カ月後、「一駅ではなく三駅歩いています。そして会社の上司にも勧めたところ、上司も歩きはじめて調子がよいと言って居られます」との返事を頂きました。
 私はこの方に、足腰の効果と持久力の効果だけを話しておきましたが、実はもう1つ脳のリズムの変化までは話してはいなかったのです。案の定「今まで生きて来た世界が少し広がった感じがします」と言って帰られました。それ以後は時々手紙を下さいますが、健幸外来にはみえません。自分で健康を考え、掴んだのでしょう。
「6」1995.2.12 (健康外来受診者第1号の脳のスウィッチ)

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今日の風はどちらから吹いていましたか? 雲は流れていましたか? 忙しい生活の中で自分をないがしろにしていませんか? このNOTEが少しでもお役に立てたららうれしいです。
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