自己実現の欲求への道!

医療界を変える男 神 應知 道(新町クリニック健康管理センター)

みなさん、こんにちは。「医療界を変える男 トータリスト神ちゃん」です。いつもこの原稿をお読みいただき本当にありがとうございます。

『出会い+深い縁=邂逅』、病気を減らし、元気を増やす医療者を「トータリスト」と定義し、私のみならず、クリニック全体がチームとなってお客さんの病気減らしと元気増やしができるような「チームトータリスト」を目指し、

①「チームトータリスト」としてのサービスの拡大

②「チームトータリスト」としての職員の意識向上

③新町クリニックからの情報発信を通じて、新町ブランドの確立

④職員の家族、地域の企業、地域の住民とのつながりを通じて後生の育成

⑤青梅市に住んでいると健康になれるという街づくりの実現

の5つをやっている日々の活動から読者の皆様に何か得てもらえたらという想いで掲載していただいています。

健康学習学会誌への投稿を初めて丸2年が経ちました。貴重な体験をさせていただき感謝です。

今回のネタは、最近の産業医現場で相談されることが多いお悩みについての私なりの回答を共有したいと思います。

そのお悩みとは、

「自分の人生が思うようにいっていない」

ということです。

これって言い換えてみると、自分の能力を使っていいパフォーマンスができていないってことなんですよね。休んでなくてもプレゼンティーズムな状態です。

この自己実現ができてないってなんでなんだろうかっていう私なりの答えを知って丸1年になります。きっかけは、ある企業での産業医面談でした。

100時間越えの長時間残業をしている40歳代の男性職員との面談時、面談の部屋に苦虫つぶしたような顔で入ってきた職員に話を伺うと、

「もうやってられない、つらい、どうしていいかわからない。」というひどい状況でした。お話を丁寧に聴いていくと、「取引先からの情報が降りてこない、勝手に納期が変わってしまう。そのことに対して上司たちは何もしない、同僚は休んでしまっている、後輩は使えない。」とマイナスの情報が途絶えません。

私のような能天気な人間でも、こんな状況の人が周りにいるとつらいだろうなという感じがしました。

その時に天から降ってきたのが、マズローの欲求のピラミッドでした。

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これは、上図のように人間は下位の欲求が満たされてはじめて、その次の欲求が生まれてくるというモデルです。

一番下が「生理的欲求」。これは食べたり、寝たり、子孫を残したりという欲求です。

これが満たされると「安全の欲求」のレベルになります。今の日本は安全に関しては問題ないですが、1年前の南米コロンビアでは、ギャングがはびこっていて、身の安全を守れないという理由で、住民たちは北上しメキシコ、アメリカに移民したいということが起きていました。つまり地球の裏側にはまだ、安全の欲求レベルの地域もあるということです。

この「安全の欲求」が満たされると次に来るのは「社会的欲求」、別名所属の欲求といわれているようです。これは、会社に所属したり、家族、コミュニティーを求めたりという集団に属したい欲求のようです。会社員の方の多くはここまでの欲求は満たされているのだと感じています。

この「社会的欲求」が満たされた後に来るのが、「承認の欲求」です。この「承認の欲求」は、自分を認めたいとか、他者から価値を認められたいという欲求です。

この面談した職員は「承認の欲求」が満たされてないのだと強く感じました。自分を認めてないし、取引先も、上司も、同僚も、後輩も認めていない。この職員の方は「承認の欲求」が満たされていないのでその上の欲求である「自己実現の欲求」に進めなかったのだと感じました。

 ここにあげた「生理的欲求」、「安全の欲求」、「社会的欲求」、「承認の欲求」は足りないと不満足を生じるというものだということも後で学びました。

ということは、我々はどうやって「承認の欲求」を満たせばいいかということになります。

ここで出てくるのが、私の師匠の一人であるYoutube講演家の鴨頭嘉人さんから学んだ

「承認のバケツ」という概念。

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人には見えないけど必ず「承認のバケツ」がある。このバケツはどれくらいの大きさなのか深さなのかは全く分からない。ただ、僕らは、自分を承認したり、相手を承認したり、相手から承認されたときに自分のバケツに承認という黄金水で満たされてくる。

このバケツが承認の黄金水で満たされてあふれた時に次の欲求である「自己実現の欲求」にステージアップできるのではないか?

ということは、僕らができることは、自分と相手に絶えず承認の黄金水を注ぎ続ける事だけ。相手を承認できなかったときは、相手に泥水を入れているだけでなく、自分にも泥水を入れているというイメージ。一度泥水が入るとこの泥水がきれいになるまでバケツのかさは増えていかない。ということは「自己実現の欲求」のステージに行きにくくなるということ。

うーん、なるほど!これはすごい。

では、どうやったら承認のバケツを満たすことができるのか?

それは、   

それは、

それは、

「5つの承認力」を駆使して承認しまくるということです。

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5つの承認力というのは、

①結果承認:良いパフォーマンスをそのまま伝える

②プロセス承認:「結果承認」の結果に至るプロセスを伝える

③行動承認:相手の行動に注目してその事実を伝える

④意識承認:何かをしようとする意識を持ったことに〇だよと伝える

⑤存在承認:何もできなくてもそのままで価値があるよと伝える

の5つです。

ここで大事なことは、「褒める」と「承認」は別だということです。「褒める」というのは「相手の良いパフォーマンスを伝える事」なので上の①結果承認、②プロセス承認にあたります。つまり「承認」というのは良いパフォーマンスがなくても相手も認められるという素晴らしいものになります。

例えば、前述の面談者であれば、

「今日この部屋に来てくださってありがとうございます(行動承認)。」

「今の状況は普通ではないということでどうにかしたいと思ってらっしゃるんですね(意識承認)。」

「こんなにつらい状況でも毎日出社されているのは素晴らしいと思います(存在承認)。ほかの職場の方も感謝していると思いますよ(存在承認)。」

という感じで承認のバケツを満たすことができます。

あとは、これを理解した面談者がどう日常に落とし込めるかが腕の見せ所になります。

そのコツは、習慣化ということですね。これは次回のネタにしようかなと思います。

では、みなさん、ごきげんよう!

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