【脅し】で高まるものは何か?

ヘルシーBox健康支援BonAppetit 植村瑠美

質問です。

「プラスメッセージ」と「マイナスメッセージ」。

どちらを人に伝えることが多いですか?人からもらうメッセージでは?

実は私、春から新しいことを始めます。東海エリアから飛び出して…拠点を移動させます。何が起こるか分からないし、自分がやれるのかも、どんな状況になるのかも、全く分からないけど、「なるようになる!」、「何かが起きる前から心配しても仕方がない!!」と自分にメッセージを伝えています。というより、もともとが楽観的なので、あまり深く考えていません(笑)。

もちろん、もしもの時のための備えをしたり、経験者に色々と相談して情報を得たり、それに関する勉強をしたり、必要なことは着々と準備をしています。けれど…苦労することは目に見えていて決めた、むしろ苦労するために決めたことなので、始まってみないと分からない、今から考えて思い悩んでも仕方のない、「あーどうしよう。困った困った」ということは、ほとんど考えていません。

なのに!!周りが…

「それは大変だね!」、

「よく自分で決めたね」、

「大変すぎてノイローゼになるかもよ!」

そんなマイナスメッセージをどんどん伝えてくれて…私の不安をあおるのです。もう親切すぎて驚きます。しかも!付き合いが長く、私のことをよく知る人からは、『楽しい事をやるね!』、『それは貴重な体験だ!』、『苦労は多いけど、得るものはもっと多いね!』、『誰もがやれることじゃないから頑張れ!』と、むしろプラスメッセージしか届きません。なのに…関係の浅い人や、たまたま知り合った人はマイナスメッセージばかりを伝えてくれるのです。自分のことをよく知る人からのマイナスメッセージなら、本当に私を思って伝えてくれていると感じて、素直に受け取ると思います。けれど、そうではない人からのマイナスメッセージは「右から左~」と聞き流したくなります。

けれど、ふと気づいたのです。私も同じことをやっている時がある!と。みなさんも心あたりがあるかもしれません。保健医療業界でいう【脅し】というやつです。【糖尿病になると網膜症になって失明します。足を切断します。人工透析をします。心筋梗塞を起こしやすくなります】と今後の未来を丁寧に教えてくれるアレです。さすがに健康学習に触れていると、これらを全面的に押し出して、患者さんと接することはありません。が…たまーにね、「もうっ!」ってなるとついつい伝えてしまうことも…。保健医療の分野に携わるみなさんは、「初めまして」または「二度目まして」と出会った方にこんな【脅し】を一生懸命に伝えていません?そして、それが相手に全然伝わらないと「危機感が足りない!」「病識(自覚)がなさすぎる!」なんて言っていませんか?

初めましてや数回しか会ってない人、かつ専門職から、【脅し=最高のマイナスのメッセージ】を伝えられても、受け入れてくれるわけがありません。さらに専門職だから!国家資格を持っているから!なんて上から目線で話してしまった時には…もう、ねぇ。

状況や内容は違っても、自分が体験してみて「こういうことだったのか!」と実感し、反省をしました。「自分のために言ってくれるんだ!」と思えるくらい、信頼関係を築いたり、安心して話せる雰囲気を作ったり、素直な思いを語れるそんな関係や空間を作ってからじゃないと【脅し】は、全く意味を持たないものですね。そして【脅し】を伝えられた側は「対処しよう!」という思いではなく、「もうこの人には余計なことは話さないでおこう」とうい不信感や拒絶感が高まるだけでした。

けれど時には、関係の浅い人からマイナスメッセージを伝えられたのに、「あ!それは取り組んでおいた方が良さそうだ!」と思えることがありました。何が違ったのかを考えていると、あることがわかりました。それは「先にプラスメッセージ」もしくは「私を承認する言葉」があり、その後に「マイナスメッセージ」を伝えられていました。そうすると【私のことを心配してくれているんだ】という感覚になるのです。あくまでも私の感覚ですが、みなさんにも経験があるのではないでしょうか。さらに、マイナスメッセージに対する「具体的なアドバイス」がある時には「またこの人に相談しよう!」と心が動きました。「◯◯という大変なことがあるよ!」で終わるのではなく、「◯◯という大変なことがあるよ!だから▲▲をしておくと安心だよ。」という具体的なアドバイスです。その具体的なアドバイスが多岐に渡り、さらに親身に対応してもらえた時、一気に信頼感が高まりました。自分の仕事に置き換えると、専門家としての難しい情報だけでなく、多岐に渡る知識、さらに生活に落とし込んだアドバイスができる重要性を強く感じました。

実体験からの気づきと反省をもとに、日々の栄養相談で、どんなメッセージを相手に伝えようか、まずは意識をしながらお仕事をしていきたいと思います!

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