なぜ、フィードフォースはホールディングス化を選択したのか?

2021年9月1日の今日、フィードフォースのホールディングス化により「フィードフォースグループ株式会社」が誕生しました。
なぜ、フィードフォースがホールディングス化を選択したのか?を説明する内容を社内向けに書いたものをこのタイミングで公開したいと思います。

以下、2021/2/19の社内向けesaより抜粋

”フィードフォースのホールディングス化(持株会社体制)と共にフィードフォースからソーシャルPLUSを事業会社として独立させる検討を始めること”を取締役会で承認しました。
ホールディングス化の件は以前より折に触れてお話ししていたのですが、どんな目的をもってホールディングス化を進めるのか?というところを改めて共有したいと思います。

銀行での経験

最初に自分の経験から得た気づきの話をします。僕は大学卒業後、新卒で銀行に入行しました。その時に自分自身の課題として感じたのは、「企業規模が大きくなればなるほど、中で働く人は会社を自分ゴトと感じにくくなり、その結果、働くベクトルが組織に向かわず個人に向かう」ということです。

社員が何千人、何万人といる会社であれば、自分の働きが会社に対して影響を与えているという実感を持つことは難しく、かつ会社を通じて社会に良い働きかけができているというリアリティを持つことも難しいでしょう。
また、自分が直接的、間接的に会社の経営に関与するなど、夢のまた夢、結局、会社と個人との関係性は遠いままで、単に目の前の仕事を片付けるということに忙殺されてしまいます。

逆に言えば、企業規模を適切なサイズに保つことができれば、中で働いている人は自分のやったことが会社にどんな影響を与え、さらには会社を通じて社会にどんな働きかけができているのか?を感じることができます。
また、しっかりと顔が見える状態で周りにはどんなメンバーがいて、それぞれどんなミッションをもって仕事をしていて、その人達とどうチームワークを働かせれば、より企業が成長できるのか?というところにリアリティをもって働くことができるのです。
そして中の人はそのリアリティに後押しされ、自分にベクトルを向けるよりも、結果的により大きく成長することができます。

これはシンプルだけど、凄く大切な原理だと思っていて、自分の経営する会社がある程度の規模感になったら、そのひとつの会社をどんどん大きくするのではなく、ホールディングス化して、沢山の適切なサイズの企業がどんどん生まれる生態系のような会社にしたい、とずっと考えていたのでした。
そして、まさに今、そのタイミングになった、ということになります。

アナグラムのグループジョイン

昨年のアナグラムのグループジョインも大きなきっかけのひとつでした。アナグラムはフィードフォースよりも大きな売上、利益を上げている優れたデジタルエージェンシーです。加えて、11月にSIerとしてのリワイアが新設され、フィードフォースは3つの企業の集合体になりました。
こういう形で、新たな役割を持つ会社が増え、会社群としてのフィードフォースグループの輪郭がぼんやりと見えてきたのでした。
今回のホールディングス化の検討は、この流れの延長線上でもあります。

ホールディングス化で何を目指したいのか?

フィードフォースグループは、インターネットの基本精神である「Do It Yourself」を具現化し、サービスおよび企業、そしてそれを生み出す起業家精神を持つ人材をどんどん生み出す孵化器、もしくは生態系のような場所にしたいと思っています。
これによるメリットは数えきれないほどあるのですが、代表的なものをあげると

・BS/PLやキャッシュフローによりリアリティを持てる
・組織階層を減らし、メンバーにより多くの成長機会を提供できる
・「企業の成長」と「会社の自分ゴト化」を矛盾なく両立させる
・ビジネスチャンスにスピーディにアプローチできる

ということになります。企業にとって、大きいことが必ずしも強みにならず、アジリティ(機敏さ)や小さいことが武器になるこの時代に、このアプローチは正しい方向に向かえていると確信しています。

抜粋終わり。

今日、フィードフォースグループは誕生しました。この小さくて俊敏な企業の集まりが多くのイノベーションを生み出す母体になることを信じて私たちは前に進みます。おまけで、最近とても感銘を受けたこちらの記事からの抜粋も併せておいておきます。

新しい会社が必要とする従業員の数が減れば、機能全体をAPIやソフトウェアにアウトソースできるため、より多くの優秀な従業員が独立して事業を始められるという事実があります。顧客に提供できる製品を作るのに、以前は100人の従業員が必要だったのが、今は10人で済むようになったとしたら、残りの90人はさらに9つの会社を立ち上げることができるのです。
さらに言えば、元の会社にいた90人の社員の多くは、非中核的な作業をしていたわけですが、これらはすべてAPIを介して接続できるようになったため、実行ではなくイノベーションに使えるエネルギーを解き放つことができるのです。

うん、間違いない。頑張ります。

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