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冷房は不要? 自然風の利用

夏暑い時期でもエアコンに頼らずに、窓を開けて外の風を取り込めばしのぐことができる。

本当にそうでしょうか?

そもそも、沖縄や鹿児島の島々を除けば、冬の方が圧倒的に長いので、冷房費よりも暖房費の方が圧倒的にかかります。だから、そんな小さなことどうでもいいやん。冬のことを考えようぜ!という意見は、また別の機会でするとして・・・。

窓を開ければ冷房要らず?ということを考えたいと思います。

なぜ冷房しないといけないのか?

冷房しないと部屋の温度がどんどんあがっていくからです。

では、なぜ、部屋の温度がどんどんあがっていく場合があるのか?それは部屋に熱がどんどん溜まっていくからです。

熱がどんどん溜まっていくから、ほっといたら部屋の温度があがっていって、暑くなりすぎるから、冷房しよう!ということですね。このどんどん溜まっていく熱のことを冷房負荷と言います。

冷房負荷

部屋の中に熱が溜まる要因はいろいろありますが、ざっくり言うと、

①日射によって入ってくる熱
②人間からの放熱
③家電や調理による放熱

があります。溜まる要因もあれば、逃げていく熱もあって、

④壁などを通して逃げていく熱
⑤換気設備による換気によって逃げていく熱
⑥窓開けによって逃げていく熱

などが挙げられます。

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この、入ってくる熱(発生する熱)の方が多いのか?出ていく熱の方が多いのか?で冷房しないといけないかが決まります。

窓開けが効果的なわけ

上の図を見ていただくとわかるように、そもそも冷房負荷を減らし、夏になるべくエアコンを使いたくないということをしようと思うと、窓開け以外にもいっぱいやれることはあるわけです。ここらへんはまた別の機会に書くとして、ここでは窓開けが効果的なわけを書きます。

窓あけをすると、空気が入れ替わります。空気が入れ替わることによって、室内の高くなった温度を外に捨てることができる。これが窓開けが効果がある理由です。ということは、窓を開けて室内を涼しくしよう!とすると、外の温度が室内の温度よりも低い必要があります。

ここが最も重要なことです。窓を開けるとエアコン要らず。みたいに盲目的に信じている人がたまにいますが、窓を開けた時に外が涼しくないと全く効果がありません。

外は本当に涼しいのか?

次の図は、昨年(2019年)の夏の3日間(7/1, 8/1, 9/1)、1時間ごとの京都の温度をグラフ化したものです。(※1)

夏の外気温度

7/1 や 9/1 などを見ると、23℃から28℃を推移しており、窓を開けると熱げ逃げていきそうです。一方で、8/1を見ると、夜中(4時ぐらい)で27℃くらいまで下がるものの、朝8時の時点で28℃以上になっていること、日中ずっと暑いこと、夜10時ぐらいまで30℃以上であることなどから、窓を開けるとむしろ熱気が入ってくることになります。

このように窓を開けると部屋が涼しくなるということは、ケースバイケースであるということが言えます。

では、いつ窓を開けると効果的?

以上のことから、これについては一概には言えません。なんとなく、定性的には、春から夏になるあたり、夏から秋になるあたりが効果的と言えそうです。あるいは夏であっても、夜は涼しい日もあるので、夜に窓開けをするのも効果的かもしれません。一方で、真夏の日中などは、軽く30℃を超えてくる日もあるため、その場合は窓を開けると逆効果。ということになります。

これは地域によっても変わるので、いつ頃の窓開けが効果的か?を知りたければ、気象庁のホームページ(※1)などから毎時刻の気温をチェックできるので、一度見てみると面白いかもしれません。

※1 気象庁 気象データより(地点名:京都)
https://www.data.jma.go.jp/gmd/risk/obsdl/index.php

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