『ゼビウス』のフォロワーズ

 2017年のツイートの転載です。

 『ゼビウス』大会“うる星あんず杯”開催とのことで、先日久しぶりに高田馬場ミカドに行ってきた(観戦だけ)。合間に数十年ぶりに『イスパイアル』と『ファイヤーバトル』をプレイ。『ファイヤーバトル』難しすぎるw 以下、ちょっと連投。何か間違ったこと書いてたら突っ込んでください。

 『イスパイアル』と『ファイヤーバトル』はどちらも『ゼビウス』の後追いでおそらく慌ただしく作られた製品で、今見るとそこがおもしろくて、改めてなるほどなあと思ったのが、どちらも地上物の作りが『ゼビウス』に比べて圧倒的に簡素。

 空中物はそれなりに『ゼビウス』に近いことをやろうとしてるのだけど、地上物は動く動かないにかかわらず、地形マップとの連動や整合を考えないといけなかったり手間なんで、そこまで作りこんでいられなかったのだろう。凝った動きをする地上物はたぶん一切ない。BGで描いてる地上物も多そう。

 『ゼビウス』のドモグラムなんていちいち出てくるたびに「ああ手間かけてデータ作ってるなあ」って思うものね(自分も作ったことあるけど)。

 『イスパイアル』は比較的マップのどこにでも地上物を置ける作りになっているんだけど、『ファイヤーバトル』の方は火山などを含め、地上物を置く位置をけっこう決め打ちでマップデザインしてしまっているので、短期間で開発するためだったのだろうけれどバランス調整苦しそうだなあと。そういう意味では『イスパイアル』の方がちゃんと遊べる。

 また思ったのは、動く地上物が少ないと遊んでいてどうしても“撃たされている感”が強くなる。ドモグラムなんかは“軌道を見て先回りして撃つ”ことになるので、「頭を使って撃破した」って攻略感・達成感が得やすい。とはいえ、それだってレベルデザインの完成度次第ではあるのだけど。


 あまり突っ込んで調べたことなかったけど、地上・空中の概念があるSTGで、敵がちゃんと地表を移動してるように“丁寧に”作った作品って、『ジャイロダイン』→『タイガーヘリ』あたりの流れ以前はかなり少ないのかな。その意味でセガの『レグルス』はあの時代にしてかなり凝ったことやっていたのではないか。

 脱線ついでに書くと、『レグルス』は『ゼビウス』の影響ももちろんあるのだろうけど、同社の『ボーダーライン(スターレイカー)』や『パルサー』あたりの全方向に撃てるシステムの流れを汲んでいて、そこに『ゼビウス』が組み合わさってあのゲームになったというところか。


 『ファイヤーバトル』の敵弾って斜め45度に近づくほど弾速が上がってるように見えるんだけど、もしかして1フレームあたりの敵弾の移動量を決める際、斜め方向時の速度補正をかけていない? おかげで敵の斜め位置に行くのがすごく怖い(追記:ツイートした際、たしかに斜め方向は速度が速くなっているとの指摘をいただきました)。

 『イスパイアル』は縦画面じゃないということと、解像度も『ゼビウス』基板ほど高くないので、『ゼビウス』っぽいおもしろさを出すの辛かっただろうなあって思うんだけど、『ファイヤーバトル』の方はどっちも条件を満たしていて、表面的には少し『ゼビウス』に近づいていたのだけど、とにかく制作期間が足りなかったのかなと。

 暗闇の中、近くに来てビームを撃ってくる敵とか、突然雷が落ちるとか、どっちもえらい理不尽なんだけど、『ゼビウス』にない要素なだけにもったいない。敵の種類がもうちょいそろっていて、チューニングにもう少し時間が割かれていたら、と今さら詮無いことを思ってしまった。 了

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