四住期

(1)師のもとでベーダ聖典を学習する学生(梵行)期brahmacarya,
(2)家にあって子をもうけるとともに家庭内の祭式を主宰する家住期gārhasthya,
(3)森に隠棲して修行する林棲期vānaprastha,(4)一定の住所をもたず乞食遊行する遊行期saṃnyāsaの4段階(〈四住期〉)を順次に経るものとされ,各段階に厳格な義務が定められている。

五木寛之著書では
「家住期」は「家族の生活」「子供の成長」のために過ごす。「林住期」にはそういったしがらみから解放される。「本当に自分がやりたかったことが何なのか」ということを模索する時期なんだ。
「林住期は、人生におけるジャンプであり、離陸の季節でもある。これまで、たくわえてきた体力、気力、経験、キャリア、能力など自分が磨いてきたものを土台にしてジャンプする時期なのだ。「50歳なんて老化が始まる時期」とか、「ジジイと呼ばれても平気」という認識の同輩も多いが、「人生のクライマックスだ」ということを肝に銘じるべき。
家族のため、生きるために、時には嫌なことも耐え忍び、辛い思いもしたはずだ。家庭をつくり、子供を育て上げた後は、せめて好きな仕事をして生涯を終えたいもの。一生懸命生きてきたあなたは、ご褒美をもらってしかるべき人なのです。「本当にやりたかったこと」を考えたり、実行したりできる余裕が与えられる。もうあなたは自由で我ままでよい、今まで頑張ってきたのだから。本来の自分を謳歌することが許される。
・・・・と、説明している。

四住期
(読み)しじゅき
世界大百科事典内の四住期の言及
【アーシュラマ】より

…インドのバラモン教徒が生涯のうちに経過すべきものとして,バラモン教法典が規定する四つの段階で,〈住期〉と訳す。これによれば,バラモン教徒すなわちシュードラを除く上位3バルナは,(1)師のもとでベーダ聖典を学習する学生(梵行)期brahmacarya,(2)家にあって子をもうけるとともに家庭内の祭式を主宰する家住期gārhasthya,(3)森に隠棲して修行する林棲期vānaprastha,(4)一定の住所をもたず乞食遊行する遊行期saṃnyāsaの4段階(〈四住期〉)を順次に経るものとされ,各段階に厳格な義務が定められている。古代インドではダルマ(宗教的義務),アルタ(財産),カーマ(性愛)が人生の三大目的とされ,この三つを満足しつつ家庭を営み,子孫を残すのが一つの理想とされた。…

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