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テレワークができない仕事の対処法

昨晩、フランスの国営放送で音楽番組が放送されていました。

テレビでもコロナウイルスへの配慮で、外出自粛令が始まった3月半ばからはどの番組でもリモート出演ばかりだったので、生放送で色々なジャンルの音楽家や歌手が集まるというのはなんだか新鮮でした。

弦楽器隊の素晴らしいオーケストラの音に合わせて、会場の中央で2人のダンサーで舞っています。会場はもちろん無観客。

見ながら気になっていたのが、ダンサーの後ろでポツンといるトランペット奏者(ぱっと見だったので、違う楽器だったかもしれませんが)。弦楽器隊と離れて、一人で演奏をしています。

後で司会者が説明していたのですが、どうやらソーシャルディスタンス対策とのこと。吹奏楽器は演奏している人の飛沫がかなり遠くに飛ぶので、一人だけ距離を離していたようです。ちなみに、この日は同じ理由で吹奏楽器隊は彼だけでした。

なんだかかわいそうだなと思いつつ、実は他人事ではないなと。ガイドという私の仕事は人前で話さないと成り立たないわけなので。まあ、いつ再開できるのか分からないというのはさておき・・・。

フランスのガイド団体でも色々と安全にガイドツアーに参加できるように、色々と対策が考えられているようで、実際にここ最近ガイドをしたという報告もちらほら。

プライベートで少人数のグループをガイドするだけなら、マスクをしても十分声は聞こえるので大丈夫ですが、人数が多くなってくると色々と問題が出てきそうです。

しばらくは定員が普段より少なめになるとはいっても、お客様同士が距離を1m(とフランスでは推奨)ずつ取るとなるとガイドとの距離はどんどん離れていきます。聞こえるようにと大声を出せば、それだけ遠くに飛沫が飛ぶという悪循環・・・。

では、マスクの代わりにフェイスシールドを使ってはどうかと。声も届くし、息苦しくもないし・・・と思っていたのですが、これもあまりいい手ではなさそうです。

なぜかと言うと、自分の声がフェイスシールドに反響して戻ってくるので、自分の耳がやられるそうです。なので、長時間話す場合は耳栓をしないととても耐えられないそうです。

加えてフェイスシールドは、相手への感染という意味では効果はあっても、自らの防備面ではマスクほど効果的ではないようです。どちらかというとマスクの補完的な役割でしょうか。

ということで、理想的なのはやはりワイアレスのガイドシステムですね。距離があってもマスク越しでも十分声は届きますし。あと最近はスマートフォンを使った同様のサービスもあるようです。

たぶん、しばらくはこういった道具が団体ツアーのマストアイテムになっていくのではないでしょうか。

5月も下旬に入り、フランスでは夏のバカンスをどこでどう過ごすかの話題でもちきりです。ガイドにとってはいつもと違う観光シーズンになることは確かですね。



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