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エースの代わりを務めるのは・・・

  今日は一日、とある地方都市で地元金融機関や自治体関連機関を次々と訪ねて情報交換。
  いつも感じることですが、他地域とも東京とも異なる、各地域ごとの問題意識があって非常に勉強になります。

  この地域には、2011〜14年頃の「進出ラッシュ」の時期にタイやインドネシアに進出した数多くの中小企業があります。
  ところが同時期に進出した企業(ライバル)が多いことや、ここにきて自動車の生産台数が伸び悩むなど、市場の成長鈍化によって当初の事業計画に反して一向に収益化が進まず苦闘している企業は多いようです。

  また、業績や給料が思うように上がらないことによる現地従業員のモラル低下によって不正やミスが増えることや、成長が鈍化した国では税務や労務の当局による査察が厳しくなることなど、日本企業のASEAN現地ビジネスは、またひとつ難しい局面に入っていると捉えることができます。

  一方、本社側では立ち上げのために赴任した駐在員の後任候補の選定が滞っているようです。

  社運をかけた海外進出を担うに相応しい“エース”が赴任してはや7〜8年。さまざまな理由からそろそろ日本に帰任させなければなりません。
  しかし、“エース”の後釜が務まるような実力や実績を持つ社員はそんなに居るわけではありませんし、もしいたとしても、その人が国内で担う重要な役割を解くわけにいかない、本人や家族が海外転勤に難色を示す、といった事情からなかなか後任は決まりません。

  かたや、現地では現任者の赴任期間が延び、その人の現地での経験値は増していきますから、気付けば益々“代わりがいない”状態になります。

  また上述のような低成長フェイズのマネジメントに必要なスキルは、立ち上げ(0→1)期とは異なるという点にも注意が必要です。

  海外拠点の数、それぞれの課題や発展段階、交替時期、そして派遣候補者の育成課題について、、

  海外事業展開を行なう中堅中小企業においては、これらを常時、総合的に把握・意識しておかなければなりません。


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