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女性が活躍できる国 中国社会から読み解いてみたジェンダー問題

こんにちは。3月8日は国際女性の日でもあります。女性の活躍が著しい中国の近代社会。日本に比べて多くの女性が企業や社会で活躍していると感じている中国。日本と何が違うのだろうか?中国社会から読み解いてみたい。

まず初めに 中国では多くの女性が企業や社会で活躍している。社会における女性の地位は高い

3月8日は国際女性の日として多くの企業が女性に対して優遇を与えている。

お金を配布したり、休みにしたり、プレゼントを配ったりと。上海にある僕の会社でも女性は午前中で仕事は終わり半日で帰宅という対応だった。

そして、女性が帰った後、事務所に残された男性は たったの4人になり、社員も圧倒的に女性が多いという事に改めて気が付いた。

会社の中でも会計、出納、設計部、生産管理部、購買、事務や貿易など、殆どの業務は女性が中心でこなしている。

おまけに僕の通訳をしてくれている通訳さんも女性。

私、今日は12時に帰りますね~と・・・ 

あのー午後は誰が通訳してくれるの?と僕

っていうか 誰もいないんだから 通訳必要ないわよね~と通訳に言われる

まぁそうだね。 困りはしないけど。静かな事務所になり仕事しやすいよ。

うるさい中国人に囲まれてるより はいいかもね(笑)

じゃー私 帰ります! ドアをバタン!!!

冗談通じたのか真に受けたか?気になるわ(笑)

そんな感じで僕の職場でも女性が活躍している事に改めて気が付いた。

上海で仕事してて感じるのは能力のある人は男女に関係なく採用される

そして近年では、女性の方が活躍していると実感する

仕事に責任感を持ち社会貢献を進んで選んでいる女性も増えた。そして男性はどちらかと言うと女性の影に隠れだしているかもしれない。

仕事の段取りを回すのが上手で、テキパキと意見をいい働く女性にはポジションを与えると力を発揮してくれる。僕の会社でも、そうだった。経験のある年配の男性の生産管理部長の時代は口ばかり先行して中身が伴わない。メンツばかり気にしている男は多い。

しかし女性の生産管理部長へと交代させてから、生産問題を正確に指摘して問題を報告してくれるようになった。解決までを望まなくても、仕事が見えるようになり事前に問題を発見できる事が増えた。

男性の時代は問題が起きるまで報告してこなかった。メンツが大事だから。

2020年の中国国内での面白い調査がある。自動車購入支出は男性より女性が1%上回った。女性の方が男性よりも車の購入に多くのお金を出している。年齢は26-35歳の女性という傾向。社会進出する女性が増えるにつれ車が必要になり男性よりも車購入意欲があるというデーター。

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そして消費調査でも女性の消費に支えられている経済も鮮明に出ている

そして年々 中国では女性の収入が男性に近づいてきている。まだ差はあるが少しずつ差は小さくなる傾向がある。

しかし女性の社会貢献を阻んでいるのは結婚と出産の時期などはキャリアを積むうえで悩みの種となる調査結果は依然として高い。社会進出で中堅管理職につく女性が増える一方で結婚、出産の時期を逃していく女性も増え少子化へと繋がっている実態もある

中国の会社は妊婦をクビに出来ない制度があり、また産休後の復帰も企業は率先して受け入れる必要があり1年間はクビにできない。企業がもし社会ルールを守らない場合に、社員はすぐに村役場に行き会社を訴える事ができる。その場合、企業に正当な理由や証拠の提示ができなければ、重いペナルティーを科せられる。特に外資系は役人からの目もあり、少しのタレコミでも役所から、色々と言われてしまう。厄介な事にならないように裏で手を回す手間が増える為、社員に対してもルールに反した事はしないように努める必要がある。

女性保護の観点から妊娠期間中及び出産後の1年以内に男性から離婚を申し立てる事はできないように法律でも決められているんだって。

その背景もあり 女性が産休後社会復帰すしやすい環境があり復帰するのが当たり前という環境がある。会社で働く人も男性も、それに対して違和感もなく復帰を待つ。

能力がなければ、いずれ退社するかもしれないが、能力があれば早く戻って来て!となる。僕の会社でも 、どちらかと言うと早く戻ってきてね。という人の方が多かった。

女性が極端に少ないのは土木作業や製造作業のような体力と技術職。一般職や会計、営業、貿易、戦略、人材派遣などの分野では男性よりも女性比率が目立って多いと思う

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女性が活躍しにくい社会は 制度の問題である

中国をみてて思うのは、

女性が元気で活発!だから活躍してる・・・のではない

なぜ中国では女性が活躍できるの?と今の活躍する世代に聞いてみた

意外な回答が帰って来た。

活躍する女性と男性の共通意見として皆が口にしたのは

保険制度だった。

中国では扶養家族という制度がない。

女性でも男性でも働かないと保険に加入できない

国の定める保険に加入するには仕事に就く必要があるという事。

色々制約はあるようだけど簡単にいうと そういう事みたいだ。

お金持ちなら別だけど、老後の生活費で年金を手にするには自ら働く必要がある。男も女も関係ない。

国から認められた障害者認定とか働けない特別な場合は違う仕組みがある。

一般的には仕事に就き職業年金制度に加入し定年後に年金を取得する

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中国は個人認証で個を識別するID社会の国。家族という単位はあるが、社会的には家族という単位は関係ない。個の単位で認識され管理される(18歳で成人とされ民事行動能力を有する)

言い換えれば、女性も社会で働き続けなければいけない。という事になり、その為に女性差別が起きない仕組みが制度として作られているという事。

結婚相手がお金もち、実家がお金持ち で別に働かなくても老後の心配がないならいいが、基本は年金を取得するために仕事に就く必要がある。

中国では女性の場合55歳が定年になる(2021年)しかし最新の情報では2045年に65歳に達するまでに3年ごとに1歳を延期。となってる。現在40歳なら60歳が定年となり、伸びている。

家庭や家族ではなく 個人認証で管理される保険制度。仕事に就く事で保険を支払い国からも補助が入る仕組み。

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日本人女性のように結婚して家庭に入り扶養家族となり専業主婦という選択は中国人女性にはない。

男女問わず お金持ちと結婚しないかぎり一生働かなくてはいけない。

その為、社会で活躍する女性が増えている。中国社会では女性差別も正直感じないし、能力ある人なら男も女も関係ない。女性も意見をしっかり言う。

中国人女性から日本の会社でOLにある お茶くみ係 というような概念がない。

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中国人にお茶を入れて!と言えば 

なんで私がいれるの?自分で入れて!と言われる(笑)

優しい人は入れてくれるけど一般的には お手伝いさんのような仕事をする為に会社に来てるんじゃない!とハッキリ言われる。文化の違いかも

それは可愛げがないと取るのではなく、仕事で認めてほしいと男性と同じ立場で願っているからだ。だから日本社会のように お茶くみやコピー取りや雑用などの仕事を中心にさせる事はなく、仕事をこなす中でコピーや手伝いを共有していく。

女性だからお茶を汲む。掃除をする。雑用を強要は社会文化的に通じない国だ。ある意味 これも日本が世界の非常識かもしれない。

そもそも個として認める社会は既に根付いている。

そこに男女という壁は近年さらに低くなってきた中国社会。もちろん女性差別やジェンダー問題がないという事ではないが、それ以上に女性の活躍に期待している社会風潮が生まれているという点は大きい。なぜなら女性の収入割合に対して消費額は男性より高いデーターが証明していて女性の消費が社会経済を支えているデーターも近年の女性の収入と関係している。女性が社会で活躍し収入をUPさせれば、更に経済は回るという狙いもある。

中国は社会や企業で女性が活躍できる国。

そして多くの有能な女性が活躍している国でもある

あなたの知らない中国がある。

中国って面白い!

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