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プレイに邁進した、マネージャーの失敗


失敗した話は胸の奥にしまっておきたいもの。しかし、1年の振り返りとしてこの話を書き留めたいと思う。




顧客からの感謝を

2024年3月、これまでを振り返り一度立ち止まった。「このままで良いのか…」社内から期待されている役割は果たせていた。しかし、期待を超えてはいないそんな感覚だった。

考え得る範囲内に思考が留まっていた。事業・ビジネス・顧客を深く見ていなかった。求められることは全て完遂してきたが、事業貢献感が徐々に薄まり、進化を欲する焦燥感が募っていた。

そして気付いた。社内からは感謝されているが、顧客から感謝されていないことを。この両立を実現することが、事業への貢献度を高めるはずだ。


変化を起こした決意と確信

私は変化のため、大きく舵を切った。「顧客に対して価値提供しよう」顧客課題を自分たちの足で探し出すこと。如何なる戦略も現場課題が起点である。それだけは明確だった。

現場理解や課題探索の手法としてタイミーは有効である。身をもって現場を体感することで、解像度と仮説確度が高まる手法だ。(最近は、他社のPM・事業開発の方々が「顧客理解のためにタイミーを活用した」というnote記事を幾つか見かけるようになった)

これが“今事業に必要だ”という確信だけがあった。不安だったが「必ずやり切ろう」それだけを考えていた。どうやってやるかは分からないが、やるべきだ。そんな熱量だけが先走った状況で。ひとり、焦っていた。


暗い渦の中、手探りでもがく

まずは自分がやるべきだ。「自分が行動しなければ、人を動かすことはできない」あらゆる書籍に記されている、当然の判断である。

現場に赴き一次情報を掴み、仮説を立てることに挑戦する。まだ何も具体性が無い新しい取組みにメンバーも協力してくれた。本当に感謝である。メンバーが現場から戻った後の言語化は、とめどなく溢れた。

仲間は居たが、気持ちはもがいていたように思う。発案者として責任がある。意義ある活動にする必要がある。時間を無駄にはできない。一方、上手くいくか分からない。プロセスも確立してない。半年後, 1年後のゴールを、採用を進めながら何とか言語化していた。


事例の積み上げ、そして-

徐々に成功事例が積み上がってきた。営業との連携における温度感/信頼関係も深まってきた。この取組みと範疇を「サービスデザイン」と呼ぶことに決め、仮想組織として動き出した。

名称を付けること。それは、社内外への認知を加速させる。しかしそれと同時に、“新たな壁”も生まれていた。

私自身が遂行したPoC、メンバーが遂行したPoC。それぞれ良い成果を出していた。全社総会にて事例が紹介されたことも相まって、他部署とのスクラムも強くなり、さらに事例を積み上げていった。社内外の有識者、どなたと会話をしても活動を絶賛された。


順調だ。そう思っていた。


しかし、届いたのは予期せぬ言葉だった。


「リーダーをやってるように見えている」
「マネージャーの役割を果たしていない」




マネージャーとしての失敗

どういうことだろうか。言葉を失った。

理由は、私が起こした変化によって、不安や疑問を感じたメンバーがいたことだった。私はそこに気付けていなかった。いや、気付いていたが、そこを気遣う余裕が全く無かった。

私はプレイヤーとして成果創出に動いてしまった。サービスデザインでリーダーシップをとってしまった。3チームのうち1チームに潜り込んだ結果、自ずと視座は下がっていた。

変化を起こしたことや、行動自体が間違っていたとは思わない。しかし、マネージャーの役割を怠っていた。そもそも本来やるべきことができていなかった。自組織の現場が、見えなくなっていた。


失敗は学びであり分岐点

変化や挑戦は良いことである。しかしプロセスを称賛されるのはメンバーまでだ。マネージャー以上は結果が全て。自身の役割を全うした上で、変化や挑戦に着手すべきだろう。

両立も良いと思う。しかし、私の場合はどちらかしかできないと感じる。よって、プレイヤーからマネージャーに立ち戻り、自組織の状態を改めて捉えていくことが今やるべきことなのだと考えている。この経験自体が、大きな学びとなった。

失敗したとき、壁にぶつかったとき、想定していた評価を得られなかったとき。自分の失敗を認め、内省し、改善点を見出し、自責にて行動を変えられるか。ここが分岐点だ。

もっと、強くなれる気がする。




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