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ニューノーマルに向けてのOKR

この記事は以下の記事の翻訳記事です。

パンデミック(世界的危機)中の在宅勤務を切り抜ける方法

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未曾有の状況下で、私たちのチーム、企業、業界は急速な変化の局面に立たされています。

家族の面倒を見ながら在宅勤務をこなす中で、予測も変化し、皆が影響を受けるにつれて優先事項や目標も少しずつ変化し始めています。多数のチームが完全にリモート化され、多くの人がオンラインでもチームとして機能できるように急速な対応と成長を強いられています。


離れていても一種「繋がっている」状態を維持しようとするこの新しい時代には、すべてのチームは時代の変化に適応するために、チームの組み直しや、業務の焦点の見直し、方針の修正を強いられています。集まって対面でやりとりができない場合には、焦点を定めたり、調整したり、透明性を担保したりする事が課題となります。


幸いにも、現在この課題に直面しているのは、あなた一人ではありません。成長するために環境に適応し進化するチームや、不確実性の真っただ中にありながらも機会を見つけ続ける企業の話は、私たちに日々の学びを与えてくれるものです。

あなたもこの未曾有の事態の中でチームや、企業、そして業界を先導していくことで、その過程を通して更なる成長を遂げられることでしょう。

OKRはこのようなタイミングのために構築されたものです

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『Measure What Matters(メジャー・ホワット・マターズ)伝説のベンチャー投資家がGoogleに教えた成功手法 OKR』では、 ジョン・ドーアはこう書いています。

「OKRの過小評価されている利点の1つは、追跡が可能であり、状況に応じて修正または適応できる点である。」

「従来の滞りがちな『設定しては忘れられる』ビジネス目標とは異なり、OKRは呼吸し、生きている有機体のようなものです。」


パンデミックの影響で、従来のビジネスの枠組みが通用しなくなっています。私たちが皆困難な課題に直面する中で、まず調整しなければならないのは、別々の場所で作業する方法を再考することです。

次に、新しいワークフローを共有ミッションに組み込みなおすことが求められています。ミッションと最終目標は変わらないかもしれませんが、私たちの多くは、どのように、そしていつまでに達成するのかを再考しなければならないでしょう。

これが意味するのは、目標と主要な成果に刷新が必要となるだろうということです。


最近のビデオ配信の中で、What Mattersの共同創設者でヘッドコーチであるライアン・パンチャヅァラムは、次のように述べています。

「OKRは人々に対してレールを敷くようなことは断じて意図していません。これは、チームが何かに対して全体でコミットするためのツールという意味合いが強いのです」


チームが現在のOKRを再考したり、新しいOKRを設定したりする場合、コーチのライアンは現時点で最も重要なことに集中して焦点を合わせ、新しく登場してくる優先事項に向けてOKRを導いていくことを推奨しています。


彼は、「OKRは本当に、行きたい場所と行き方を明確にする最も簡潔な方法であることを意味しています。明快さを与え、自信を与え、全員から賛同を得るためのツールとしてそれをどのように使用できるかを考えてください。」と述べています。


OKRは、変化への挑戦のために構築されたものです。OKRの創設者であるアンディ・グローブはかつて「悪い企業は危機によって破壊され、良い企業は生き残る。偉大な企業はこれらの企業によって改善される」と述べました。

 アジャイル・ストラテジーズ(Agile Strategies)とカルチャー・トリップ(Culture Trip)は、グローブのアドバイスを真摯に受け止め、迅速にギアをシフトしてきた2つの組織でもあります。

すぐに方向性を変え、関連付け、リセットする

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ダン・モンゴメリーはOKRのコーチであり、デンバーを拠点とするコーチングおよびコンサルティング会社であるアジャイル・ストラテジーズの創設者兼マネージングディレクターです。世界中の多くの企業やチームと同様に、わずか数週間でアジャイル・ストラテジーズは100%リモート化されました。


モンゴメリーはすべてがオンライン化された新しい職場では、自分でタイムマネジメントするために他者を信頼することが特に重要だと考えています。

「これは、タスクではなく成果に関連させたより良い人材管理の絶好の機会です。タスクによる管理よりもひどい状態として、人々が働いていることを証明するためにオンラインであっても打刻を求めることもあります。」


「退屈した子供たち、病気の親族、終わりの見えない悪いニュースなど、在宅勤務する多くの従業員は大変大きな課題を抱えているものです。」と彼は言います。「彼らは今、柔軟性を必要としており、同時に彼らへの信頼度を敏感に察するものです。」


この移行における従業員をサポートする上で、モンゴメリーはOKRを使用することの価値を強調しています。それはこの瞬間に最も重要なことをすばやく特定し、優先事項に応じて物事を迅速に再調整できるからです。


「良いOKRを書くには、グループが本当に焦点を絞り続けることが要求されます」と彼は言います。

「顔を合わせず、在宅のコンピュータ上で行おうとするのは難しいことでした。ですがこの私たちの経験によって、効果的にオンラインセッションを実行する方法を学べ、そしてそれは私たちと私たちのクライアントにとって大きくプラスになる経験でした。」

カルチャー・トリップの実例:これまでの足並みを変える

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カルチャー・トリップは、世界中のロケーションを中心としたストーリーを提供する、グローバルな旅行、メディア、エンターテイメントのスタートアップです。

フォーブスから「最も急成長している英国企業の1つ」として認められている英国を拠点とするこのスタートアップは、フリーランスのクリエイター達による国際的なネットワークと提携することで、ユニークな旅行先のストーリーを共有しています。ユーザーはWebサイトとアプリで次の旅行を計画し、旅行の話やその他のエンターテイメントコンテンツにアクセスできます。


クリエイティブとテクノロジーが交わる中で、ドミトリー・シシキンは、カルチャー・トリップの最高コンテンツ責任者として働いています。コロナウイルスの脅威が明らかになるにつれて、カルチャー・トリップのチームは、コンテンツ戦略とOKRをすばやく調整し、方針を修正する必要があることに気づきました。


従前のカルチャー・トリップは通常であれば四半期ごとのOKR評価によって運用されていました。通常ならチームは取材範囲を定め、彼らの寄稿者のネットワークと事前にしっかり調整をしていたことでしょう。しかしパンデミックによって多くの国で旅行制限が設けられたため、チームは迅速に方向転換しました。


「状況は急速に変化していたため、毎月のOKR評価に変更することにしました。これにより、すべてのビジネスユニットにわたって、新たなニーズに迅速に適応して対応する柔軟性を高めることができます」とシシキンは述べます。


コンテンツの面では、カルチャー・トリップは危機に対応するために「コロナ」チームと世界の反応チームの2つを作成しました。コロナチームは、ユーザーに最新の旅行情報と自分の安全と健康のためのアドバイスを提供します。


「旅行と、私たちが文化の境界を越えて世界とつながることが、カルチャー・トリップが行うすべての中核です」とシシキンは語ります。「私たち皆が同じ課題に直面しているグローバルコミュニティであることを痛感するのは、このような時なのです。」


コロナチームは旅行の観点からユーザーとつながりますが、ローカルコンテンツクリエーターで構成される世界の反応チームは、ソーシャルメディアコンテンツ、検索、ソーシャルディスタンスに関するユニークな内容をカバーします。


「チームの焦点がブレないようにするために、透明性、より多くのコミュニケーション、立ち直る力の全てを発揮することが求められます」とシシキンは話します。


カルチャー・トリップのリーダーたちはまた、朝と午後の間にテレビ会議を通じてチームとの短いキャッチアップを始めました。


「私たちは、隔週だった編集のハイライトメールを毎週行うようにし、今後注目すべきデータに基づいたニュースの抜粋やコンテンツを共有するようにしました」と彼は言います。

「これによって継続性と一体感を生み出し、人々がさまざまなチャネルを通じて情報にアクセスできるようにし、集中するために役立てたのです。」

OKRの俊敏性に寄せた信頼

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このような予測不可能な時代に、What MattersはOKRの俊敏性を信頼するように勧めています。それらは典型的な「設定して忘れられる」ビジネス目標ではないため、この新しい現実に対してチームがすばやく再編成して、より適切に適応するための最良の機会を与えるものです。


「今まで以上に、私たちが設定している目標というのは、次に待ち受ける状況を乗り越えていくために非常に重要となってきます」とコーチのライアンは言います。


ニューノーマルに照らし合わせてOKRを再作成する場合でも、初めて実装する場合でも、次の点を念頭に置くようにしましょう。

✓自分自身が達成可能なことについて、正直に、そして透明性を保つこと

私たちの多くがオンライン化された職場に移行する中で、透明性はかつてないほど重要になっています。予想を再設定し、それに応じて目標を設定し、優先順位が変わる可能性もあります。毎週定期的に目標に立ち戻ることが重要となります。

さらに、この状況の現実に適応していくには、チームとして難しい質問に直面する必要もあります。たとえば、コーチのライアンは以下の質問をするよう提案しています。

・私たちのビジネスや組織は、近い将来の変化に耐えることができますか?そうでない場合、何を変更する必要がありますか?それは可能ですか?
・耐えられる場合、今何を達成しようとしていますか?翌月は?
翌四半期は?
・そこに到達するための測定可能な方法は何ですか?

✓集団的コミットメントを確立する

集団的コミットメントは、信頼からの直接的な結果です。これは、オンライン環境では構築するのが難しい場合があります。誰もが理解できる明確な目標を確立することは、最初のステップとして最適です。

「目標が公開され、誰にでも見えるようになると、複数のチームが更にチーム化され、顕在化される問題をつぶすことができるようになる」とドーアは述べています。


このパンデミックは無数の方法で企業に影響を与えているため、カルチャー・トリップが彼らのチームで行ったように、OKRを中心にチームを分け、状況を乗り越え、その後再編成する手法も有益となり得るでしょう。

これは、個々の役割がどのように全体像に寄与しているかを理解し、相互にサポートしあいながら共に課題を解決していくという感覚を高めます。

全員が同じ目標と目的を共有した状況を作り上げるのと同様に、一貫して定期的な進捗報告と確認を含めたコミュニケーションの頻度を保ちつづけることが重要です。

すべての会話でOKRを繰り返すことは、特に新しい情報が浮上するときに、焦点と調整を維持するための簡単な方法です。シシキン氏は次のように述べています。

「そのような新しいワークフローを導入するときは、自分で人々を導く必要もありますが、サポートシステムを導入して各自が成功できるように支援する必要もあります。」

✓他のリーダーと手を取り合う

私たちは皆、同じ状況を乗り越えようとしています。ニューノーマルに向けて進んでいく中で、あなたや、あなたたちのチームが上手く業務を進められている方法をぜひメールで共有してください。

私たちはあなたがこの状況下において、重要な事柄にどう焦点を定め続けているかを聞き、今後も共有し続けたいと思っています。健康に、気を強く持ち続けましょう!

(Publisher:Kandice Head)
(翻訳原案:石川 佳那)

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弊社CEOの森謙吾が、マネジメント(OKR・1on1など)に活きる知見を発信しています。フォローをお待ちしています!