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ウィズコロナ時代に求められる日本における評価制度とは?

日本の評価は、ジョブ型+リアルタイム評価になる


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ウィズコロナ時代の大きな変化として、リモートワークがより浸透して事が挙げられるかと思います。

それに伴って、対面の時に行っていたマネジメントや評価が上手くいかず、新しいマネジメントや評価をしていかないといけないという声も頂いています。

その中でリモートワークによってマネジメントや評価がどのように変わっていくのか、記事にまとめました。

この後にかけてジョブ型評価やリアルタイム評価についてご紹介させて頂きたいと思います。

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メンバーシップ型評価からジョブ型評価へ

リモートワークによって日々のタスク管理から成果の見える化や成果の発揮度の確認が必要になりました。

そのうちの1つとしてメンバーシップ型からジョブ型への変更により、具体的な成果や役割の定義が必要になります。

メンバーシップ型とは:人を採用してから、その人に仕事を与える
例)新卒一括採用、ジョブローテーション。採用後にその人に合う仕事を考えて配置する。
ジョブ型とは:特定の依頼したい仕事があり、その実現ができる特定のスキルを持った人を採用する
例)外資系に多い。外資系の人事採用担当、など。同じ人事でも採用、評価、労務はすべて明確に分かれている
※採用担当から労務担当に異動することも可能だが、スキルに見合った給料になる。(給料減の可能性有り)

日本は長らくメンバーシップ型評価となります。新卒一括採用があり、ローテーションさせ、良い仕事を与えていくという流れでした。


しかし、最近はコロナによりリモートワークになったことで、メンバーシップ型が難しいのでは、と言われています。

リモートワークでは顔を合わせるわけでないので、コミュニケーションが少なくなったことで、今までは上手い具合に仕事が分担されていたことが、上手く回らなくなります。

メンバーシップ型だと成果が定義されていないため、「ここ3ヶ月で●●な成果ができたらいいな」というのが明確に分かりません。

日々出社しながらのコミュニケーションを通して、良い感じに進めるのがメンバーシップ型なので、リモートワークで同じことを実施しようとすると、マイクロマネジメントになってしまいます。

しかし、成果のみで評価を決めるなら、途中経過は全く関係ありません。

メンバーシップは「人となり」「途中経過」が大事であり、成果を基に評価するわけではなく、頑張ったことに対して評価するものです。

成果が一人に依存せず、チームとして成果がでてくる、役割が重なることもあり、明確に決めていないので、コミュニケーションを通して進めれば良かったものが、リモートワークになると、一気にできなくなります。

例えばですが、筆者がコンサルティングをしていたクライアント様でも、リモートワークになると圧倒的にコミュニケーションが減りました。

その人がタスクをやっているのは分かるが、何をやっているのか把握できているわけではなく、成果も決まっていないので、その行動が良いのか悪いのかが分からなくなります。

結果、「成果を明確にしよう」という流れになっており、つまり、いわゆる、ジョブ型に転換しているという流れなのです。

ジョブ型評価は、市場価格を参考に決定される

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ジョブ型の評価制度は、基本的には市場価値によって定められた成果が発揮できているかによって、報酬の決定という意味では今までの評価制度は必要ありません。

それは、業務内容を決めれば、市場価格で報酬が決まるからです。

なぜなら、ジョブ型は仕事に対して人を決めるからです。仕事に対して報酬も決まっています。外資系が成果主義、といわれているのはジョブ型なのです。市場価値=報酬となるのです。

つまりは、ジョブ型は市場価値で決まるため、評価が必要ないともいえます。市場価値で決まるので、目標達成率はあまり関係ないことが多く、やっている仕事に対して、マーケット価格で決まります。

例えばですが、ある外資系企業では毎年SやAといった評価はありません。
「来年はこれをやってほしいから、●●●万円が報酬です」等となっています。

また、ファーウェイは新卒に2000万~3000万円を支払ってい ます。その結果競合であるSONYの採用力が落ちています。これはメンバーシップ型だとしょうがないことでもあります。

なぜならば、採用してから仕事や経験を与える、という方法だとその人の専門性は関係ないからです。

大企業においてもジョブ型への転換が進んでいる

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最近では、KDDI、日立等がジョブ型を取り入れはじめました。元々日本の新卒一括採用が崩れている事に加え、今回のコロナによるリモートワークによってそれに勢いがついた形になっています。

参考)KDDI:時間や場所にとらわれず成果を出す働き方の実現へ、KDDI版ジョブ型人事制度を導入

評価スパンは年次評価からリアルタイム評価へ

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またウィズコロナ時代には以下の2つの理由から、年次評価の評価スパンが難しくなってくるのではないかと思っています。

1.コミュニケーションが足りなくなる
2.状況の変化が激しい

今までは、半年毎に評価をしていても、飲み会や、雑談など、ちょっとしたところでパフォーマンスの擦り合わせができていたと思います。

ですが、現状、コロナ禍によってコミュニケーションが減っているため、年次型の評価ではコミュニケーションが足りず、また状況の変化に対応する事ができないため、正確に評価をできているとは言い難いです。週1〜2時間の業務MTGだけだと、上司の期待に沿っていない可能性もあるのです。

今後においては、目標設定をよりリアルタイムに行い、かつ期中でも定期的に1on1、リアルタイムフィードバックを行い、評価も四半期ごとに行う等、よりコミュニケーションを増やす必要があります。

お互いの期待をすり合わせ、リモートワークで失われがちなコミュニケーションを担保して、より高頻度で評価を行っていく事で、評価の納得度も担保することができるのです。

具体的には以下のような形にて短いスパンで評価を行うことが必要になります。

・四半期などで細かく評価を行う
・1on1を行う
・お互いフィードバックを送り合う

そうすることで、評価の納得度が上がり、リアルタイムに行うことで状況に対応することができる。

開発に例えるのであれば、「アジャイル開発」に近しいイメージとなります。

日本におけるジョブ型評価+リアルタイム評価とは

評価には大きく3つの意味があります。

1.会社のメッセージを伝える
2.パフォーマンスへのフィードバック
3.適切な処遇の決定

報酬の決定という意味では、3つ目の「適切な処遇の決定」に当たりますが、ジョブ型に移行すると、市場価格をベースに報酬が決まるため、それだけでは評価の必要性がなくなってきます。

但し、現状の日本において、評価や報酬を完全にジョブ型にシフトすることは、大きなパラダイムシフトの転換になるため、直近では難しいです。

今までジョブ型の概念がなく、市場価格ありませんでした。つまり、マーケター、人事、セールスなどにおいての決まった市場価格が無いのです。

年功序列からは、すぐには抜けだせないでしょう。

そのためジョブ型をベースとして、報酬や給与は市場価値を参考にしながらも、今までのような目標達成度やバリュー、コンピテンシー評価を組み合わせたハイブリッドな評価が主流となると考えられています。

例えばスタートアップでは有名な所ではベルフェイスさんのような、市場価値をベースとしながらも、成果発揮度やバリューの評価を加味していく形がスタンダードになると思います。

(参考記事)給与は「市場」が決める。社員が毎年 "履歴書"を作成するベルフェイス式 人事制度とは?

いかがでしたでしょうか。日本における新しい評価制度についてご紹介させて頂きました。

ジョブ型評価とリアルタイム評価は前から欧米においてスタンダードな考えになっておりましたが、今回のリモートワークによってよりそれに近づく形になるかと考えています。

ただし最初からいきなりそのような方式は難しいかと思います。そのため、従来のMBOやコンピテンシーと市場価格を組み合わせたハイブリッドな評価が浸透していくのではと考えております。

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