S級HR登壇_200121

【イベントレポート】新卒の早期戦力化を叶えるための「オンボーディング」とは?

今年1月に開催した「S級HR」。今回は、株式会社O:さんとハイマネージャー株式会社による共催となりました。

「脱属人化!システマティックな人材育成と、早期戦力化を実現するマネジメント」というテーマで、ディスカッションを行いました。

「オンボーディング」がなぜ注目されているのか?
「オンボーディング」に必要な考え方、参考になる施策は何なのか?

株式会社O:CEOの谷本さんのモデレートの元、アメリカのHR事情に詳しいハイマネージャーCEOの森と、医療業界における組織開発のスペシャリストで、学術的知見にも明るい溝口さんによるパネルディスカッション。その一部をレポート化しました。

【会社紹介】株式会社O:「体内時計という自分だけの時間に回帰しよう」

株式会社O:CEOの谷本さんは、「体内時計という自分だけの時間に回帰しよう」というコンセプトで事業を展開。きっかけは、2週間滞在した南国での生活にありました。

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株式会社O: Founder/CEO 谷本 潤哉さん
『前職が某広告代理店だったんですけれども、働きすぎて体調を崩したことがありました。そんな時に、となる南の国の無人島に「ここなら誰も追ってこないだろう」と思って行きまして(笑)。

太陽が出たら起きて、沈んだら眠る…という生活を2週間続けたら、ものすごく健康になりました。

でもまた東京に戻ってくると、また仕事詰めになりまして。その際に「理想の働き方って何なんだろう?」と考えるようになりました。

そして、「体内時計」が、理想の働き方の解の一つになるのではないか、ということで、現在サービスを展開しています。』

【会社紹介】ハイマネージャー株式会社「メンバーが困ったときにすぐ相談できるような組織を増やす

そしてもう1人の登壇者は、ハイマネージャー株式会社CEOの森。

組織の心理的安全性・エンゲージメント向上をサポートするパーソナライズド・マネジメントサービス「HiManager」を提供する理由をこう語ります。

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ハイマネージャー株式会社CEO 森 謙吾
『学生の頃に人間関係で悩んでいる時期がありました。親、友人にも相談しづらかった時に保健室にカウンセリング室があり、そこでカウンセラーの方と誰にも言えなかった話をいろいろとすることで救われました。

振り返ると、自分が以前勤めていた会社も、心身失調などの理由でやめていく人が多い会社でした。そんな経験があり、メンバーが困ったときにすぐ相談できるような組織を増やしていきたいと思っています。』

最先端のアメリカで起きている「HRテック」の3つのトレンド

冒頭、ハイマネージャーCEOの森から、2019年10月にラスベガスで開催されたHRテックカンファレンスの内容の共有がありました。最先端を走るアメリカのHRテックでは、

①すべてのサービスがアクションプラットフォームに変わっている
②チームのマネジメントが変わっている点
③分散しているデータを統合してUI/UXで返していく

という3つのトレンドがありました。

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「アクションプラットフォーム」は、ただの情報管理ではなくて「何をしたらいいのか」というアクションレベルまでレコメンドする、という概念。

『例えば、「1on1」のデータと「エンゲージメント」のデータと「性格」のデータを基に「こんな内容を話したほうがいいんじゃないですか?」とアドバイスしてくれる。例えばAmazonで言うと、「他の人はこれ買ってますよ」とか、グノシーで言うと「オススメの記事はこちら」みたいなイメージで、溜まったデータを基にレコメンドしてくれる形になっています。』

2つ目の「チームのマネジメントの変化」は、フリーランス・副業の増加が背景に引き起こされていると言います。

『アメリカでは「Gig Worker」と呼ばれる、副業やフリーランスしている方の割合が多く、そういった人がチームに入ってきているので、マネジメントが変わってきています。

日本も副業解禁とかフリーランスが増加しているので、日本にも近しい流れが今後訪れるのではないかと思っています。』

そして、フリーランス・副業の増加は、ビジネス環境の変化スピードの加速と、ミレニアル世代の増加が背景にあります。

『ビジネス環境の変化が激しいので、それに対応するためにいろいろな人材を活用しているという背景と、ミレニアル世代といわれる35歳以下の世代が変わってきているという背景があります。

ミレニアル世代が重要視する4つの要素「透明性、即時性、個別性かつ志向性」というのがあり、こういった価値観があるのでフリーランス、副業の方も増えてきているのかなと思っております。』

最後の3つ目は、分散したデータを統合して、UI / UXで返していくこと。

今までのサービスは基本的にこのようなデータが分散していたのですが、それらを統合して、使っていく流れがありました。そして、ToC向けでとてもいいUI / UXに触れてきている方が入社しているので、各社さんがまずUI/UXを向上させるという点に取り組んでいました。

(HRテックカンファレンスの内容についてさらに知りたい方は、以下のレポートをご覧下さい!)

アメリカのマネジメント文化の変遷

ハイマネージャーCEOの森からのHRテックカンファレンスの共有の後は、医療機関の組織開発事業のスペシャリストであり、学術的知見に明るい、株式会社AMI&I 代表取締役の溝口 博重さんを交えてのパネルディスカッションに。モデレーターは株式会社O:の谷本さんに務めて頂きました。

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溝口 博重 /  株式会社AMI&I 代表取締役
2010年より、医療機関を専門とした組織開発事業に従事。医療・ヘルスケアの専門家として、全国各地の医療機関で活躍する。
また病院経営が高度に資本集約型のビジネスモデル(高額な医療機器が必要)であり、それらを活用する為に、高度に労働集約型のビジネスモデル(国家資格所有者が多数必要)である事から、一般企業でも活用可能な様々な組織活性化ツールや研修プログラムを開発。
合理的かつ実践的な組織開発をモットーに、HRMに注力する。

HRテックカンファレンスの内容を聞いて、溝口さんはマネジメントにおける日本とアメリカの文化の違いを指摘します。

アメリカは1980年代に「個人の能力をどこまで伸ばせるか」を目指して、多くのビジネスマンがMBAに通ったりして、給料たくさんもらったら、「余生はカリフォルニアで農業やるわ」みたいな感じで会社からいなくなってしまう人が多かったんですね(笑)。

いなくなってしまったので、今度はOKRだと。「個人のやりたいことと会社のやりたいことを一致」させて、あなたのやりがいは会社のやりがいだよ、という形で進んでいきました。

すると今度は同業たちで独立し始めます。今はチームビルディングという形で、「このチームだからあなたはこの仕事ができるんだよ」という形になっていきました。

なのでアメリカは、「利益の最大化するためにどうすれば優秀な人材が残ってくれるのか」というところにかなり特化していると感じます

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日本で「オンボーディング」が注目されている理由

ディスカッションのテーマは、ここからイベント本題の「オンボーディング」へと移ります。

そもそも、なぜ今日本で「オンボーディング」が注目されているのか?について、ハイマネージャーCEOの森はこう語ります。

入社から半年以内で長期的に会社に残るかどうかを決める人が85%というデータがあり、「オンボーディング」のエクスペリエンスが離職率にダイレクトに影響することが海外の調査で分かってきています。なので離職防止のためにオンボーディングが大事であるのが1つ。

そして、離職した方の年収の半分が会社のコストになると言われています。離職防止に取り組むことがコスト削減に繋がるんです。

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「オンボーディング」にも重要な、心理的安全性

アメリカのHRテックカンファレンスに参加したハイマネージャーCEOの森は、現地で目にした「オンボーディング」特化のサービスを取り上げて紹介します。

『「Enboarder」というサービスなんですが、1人1人のオンボードする人の「ジャーニー」のようなものが決まっていました。

例えば「入社1日目ではこれ、3日目にはこれ」といったようなものが決まっていて、ジャーニーに基づいてマネージャーに対してレコメンドしていく。

例えばですがAさんという方が入社して1年目にはマネージャーの方が「Aさんは入社して1年目なのでほめてみたらいかがですか」といったことをレコメンドしていくとか、「入社して3日目なのでランチに行ってみたらどうですか」という風にレコメンドしていくような形です。

早期戦力化、オンボーディングにおいてもこういったアクションプラットフォームといった概念が入ってきていると感じました。

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そして、医療機関での早期離職防止に取り組む溝口さんは、上司に対してどの程度発言できるのかを測る「権威勾配」という概念を紹介。

医療機関における入社初期の心理的安全性向上施策は、汎用的に活用できるのではないかと主張します。

『日本の病院というのは施設基準というのがあり、一定数の国家資格者がいないとそもそも経営できないというのがあるので、辞められると死活問題になるので、離職防止策にはかなり力を入れています。

入社したメンバーの上に、看護部じゃない偉い方をメンター的存在として置き、「何かあったらこの人に言え」という風にすると、極端に離職率が減ったという事例があります。

自分が持っている不満を、偉い人が聞いてくれるという心理的安全性がある。病院の離職防止策は、アナログではあるのですが、ヒントになる点もあるのではないかなと思います。

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「心理的安全性」というキーワードが出てきたところで、溝口さんは「心理的安全性」という言葉の使われ方に対する違和感について語ります。

『「心理的安全性」は、使う人によって意味が異なっていると思います。本来「心理的安全性」とは、教育をするために確保する必要があるもの。失敗を許容してくれる環境じゃないと人は勉強しません。

いろいろなところで話を聞くと、同質の価値観を持っている人の集まっている、という意味合いで使っているケースも見受けられます。いわゆる異文化を認めない、価値観が同じ人たちといたほうが安心する…という意味合いで使われているケースが多い。

そして、先ほど紹介した「権威勾配」との類似性を指摘し、主に航空業界で行われている権威勾配を落とすための研修が、早期戦力化に寄与する可能性があると述べます。

『権威勾配が高い組織はミスが出やすいです。正しいかどうか分からない時にに上の人に聞けないことが多くなるからです。心理的安全性に近しい概念になるのですが、「権威勾配」というのは、日本で正式に研修として取り入れているのは航空業界だけです。

パイロットの方は権威勾配を落とすためのトレーニングを行います。なぜならば、副操縦士がメインパイロットにものを言えないと墜落するから。
権威勾配の研修は、高圧的な上司や人に興味のない上司に対して効果的であると思うので、早期戦力化につながるのではないかと思います。

他にもたくさんの議論がなされましたが、本 レポートでは割愛させて頂きました!

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株式会社O:

「体内時計という、自分だけの時間に回帰しよう」 メンバーシップを醸成して強いチームを育成する「Co:TEAM(コチーム)」、体内時計に即した生活を実現する「O:SLEEPリテンション」を提供しています


ハイマネージャー株式会社

「あなた」に寄り添うマネジメントを。パーソナライズド・マネジメントサービス「HiManager」を提供しています。目標設定・1on1・評価などの「管理」から、マネージャー自身の「成長」までサポート。メンバー1人ひとりに蓄積されたデータを基に、マネージャーに対してマネジメント改善の “気づき” を届けます。





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