見出し画像

無人の風景

風景に人が写り込むたび、そこには新しい物語や感情が加わり、写真の中が騒がしく感じられる。人間の存在は、圧倒的な情報量を運んでくる。顔の表情や服装、立ち居振る舞い。そのすべてが、鑑賞者にとって解釈の証拠となる。

何も語らず、ただそこに在るもの。手がかりだけを提示してくる謎解きのような景色に、それが持つ静かな力を頼りにしている。

ここから先は

1,369字

『他人の日記』エッセイ月3本ぐらい

¥300 / 月
このメンバーシップの詳細

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?