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Civic Hack Night No.66 「子ども食堂」運営の現場を知ろう レポート

Code for Kanazawa Civic Hack Night Vol.66
講義ライン 議事録

イベントページ:https://cfk.connpass.com/event/220199/
参加者:20名(うち講師2人、CfKスタッフ3名含む)

1. オープニング

今回30名近くの方に登録いただいたものの、登録していただいた方にメールで参加URLを送ってもメールが届かないというトラブルが発生。スタッフの知っている人たちには個別にURLを直接ご連絡15分ほど遅れて始まることとなりました。
今回、URLが分からなくてご参加できなかった方、大変申し訳ありませんでした。このレポートで少しでも情報を共有できたら幸いです。

オープニングの挨拶はCfK Civic Hack Nightのリーダー的存在として、もう何年も支えてくださっている ふぁらお加藤さんから。
シビックハックナイトにおける注意点と、シビックハックナイトが「企画/課題募集」→「講義などインプット」→「制作などアウトプット」という構成でグルグル回していくものに変化したことを説明しました。

また、参加者の方に匿名でアンケートもとらせてもらっています。

アンケートキャプチャ

2. 講師の方々からのお話

ついで講師の方々から順番に講義がありました。

まずは、こまつ子ども食堂代表であり真宗大谷派西照寺僧侶でもある日野 史さんから。

・こども食堂とはなんぞや?
 →こどもの貧困問題解決、老人の孤食、地域コミュニティの再生の三つが
 柱ではないかと考えている。

・こども食堂は石川県だけでも60-70、全国で4,000箇所近く
 小松市で8箇所+α

・食材は寄附でまかなわれている

・大谷高校でカレー食堂の出張も

・コロナ禍でも足を止めずに頑張っている

・要望から食材の配布事業でもあるフードパントリーも実施
 通常はこども食堂がやるような事業ではない

・こども食堂はSDGs14項目にあてはまる

・たくさんの人が伴走してくれている
 たくさんの人が楽しみにしてくれている
 ボランティアとして仲間たちもいっぱい

・課題として以下のようなものを考えている
 (課題1)いかに必要な方へお届けするのか?
  たくさん使ってくれるけど本当に必要な方へ届かない
  貧困層に届くか?でも誰か分からない?
  名簿は行政が持っているが、その情報をいただくことはできない

 (課題2)どうやったらこども食堂をなくせるか?
  本質的には、こども食堂のような存在がなくなるのが良い
  なにゆえに子どもが貧困になってしまうのか、老人の孤食はなぜ?
  これは行政の仕事ではないか?
  どうやったらなくてもいい社会にできるのか?

・質疑
 Q.リピーターは増えましたか?
  リピーターはいて、どんどん増えていく
  複数の場所で見られる方もいらっしゃる
  利用者は増えていく一方だが、足りないので出せないということは
  したくない
  何か持ち帰っていただくなど工夫している

 Q.食中毒対策とかどうしてますか?
  臨時営業許可証なので、毎回、届出を出して指導受ける
  ただし年に6回しか開催できない
  また、生食はダメでミニトマトもダメ
  前日から除菌をしっかりやる
  本当に気をつけている、持ち帰りとかは本当はさせたくない
  作る人を限定したり、いろいろ工夫して頑張っている

続いて、能美市子ども食堂ネットワーク事務局長の嶋田 准也さん。

・機会の貧困をなくすことを目指している
 安全な場所を作ることが大事

・福祉の問題は、カネかコネ(人の繋がり)ということが多い
 つまり、お金が足りないか人との繋がりが少ないということ

・そこで子ども食堂ネットワークを作る
 プラットホームづくりを大切にしている
 能美市は現在6箇所、そのうち2箇所がコロナ禍でも稼働
 自立してやっているところ、ネットワークのお金でやっているところあ

・コロナ禍では、場作りに加えてアウトリーチが大事そう
 困った人のところに自ら行くというスタンス
 例えば、ひとり親対象の食料や弁当配布
 →行政にお弁当配布情報を流してもらった
  これは嶋田さん自身が自治体職員でもあり良い方法を模索できたから

・食べたらすぐ帰ってくださいというようなコロナ禍の現状
 場作りになってない、とても難しい

・食堂をやっていると、毎日食べに来る小学生がいたりする
 ここからでないと見えない状況が見えてくる

・ただ、こどもに来てもらうには親の許可がいる
 親が許可しない場合もあり、そこも難しい

・いま、空き家を借りて居場所を作ろうとしている

・地域としてこどもにとって大事なこと
 それは「そこで暮らせば人として勝手に育っていく場を創ること」

・応援は多い

Q. 子供達が集まり話し合いますか、話し合う議題は尽きませんか?
 障害を持つ親子の場所もある
 教室の場所では遊べないのに、ここだとお互いに遊べる
 子どもはのびのびとできる
 そして、親にまで余裕ができる

3. ディスカッション

質疑を一通り終えた後、短い時間ですがディスカッションをおこないました。次回のアウトプットにつなげていくために、課題を明確化していきます。
今回の講義のお話をもとに、CfKの運営サイドとして今回お手伝いしてくださっているおばたさんから、二つの課題が提示されました。
一つずつ見ていきます。

(1)子ども食堂は必要な人に情報が届いていないのではないか?

これについては以下のような意見が出ています。

・本当に必要な人はスマホを使うこともできない場合もあり、
 情報周知方法の工夫がより一層必要
・待っているだけでなく、こちらから情報提供していきたいが、
 必要と思われる人たちの情報がない
・貧困は見えづらい、生活保護にあることを隠している人も多い

(2)子ども食堂というと貧しい人がいくイメージがあってそれを変えたい

これについては以下のような意見が出ています。

・貧しいから行く場所ではない
 社会に繋がる場なんだという肯定的なイメージに変えるべき

4. おわりに(所感)

子ども食堂については、僕自身があるNPO法人さんのプロジェクトに関わってプロダクト開発をしていたこともあったので、前提知識はあったつもりでした。
ただ、現場の方々のお話を聞いてディスカッションしてみると、人との繋がりがこの子ども食堂を創りあげているんだなと強く実感しました。
そして、「応援は多い」、「たくさんの人が楽しみにして、たくさんの人が力を貸してくれる」と講師をしてくださったお二人が話されているのを見て、心が熱くなりました。

今回、お忙しいにも関わらず講師をしていただいた日野さん、嶋田さんのお二方、そして課題提示者としてきっかけをくださったおばさんに心から感謝いたします。
そして、今回出てきた課題を解決するアクションは今からです。引き続きよろしくお願いできたらという思いです。

また、このレポートを読み、何か力を貸せるよという方いらっしゃったら、お気軽にご参加いただけたら幸いです。

次回は2021/9/9(木)19:00からです。アウトプット回となりますので、ぜひご参加ください。
https://cfk.connpass.com/event/222412/

また、シビックハックナイトについてはConnpass上でイベントが立ちますので、ぜひ下記ページにメンバーとして追加しておいていただけると、イベントが立ち上がったとき連絡が届きますので便利です。

また、次回もよろしくお願いいたします!

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