米国株急騰~マーケット考察~2020.5.19

米国株式市場は急騰。ブルーチップインデックス30社中、29社が、S&P500全11セクターが上昇しました。

相場上昇要因は主に3つありました。
(1) パウエルFRB議長が景気回復には予想より時間がかかる可能性があるものの、FRBの貸し出しプログラムに制限がないと発言したこと

(2) 原油価格が33ドル台後半まで急上昇。中国の石油需要が新型コロナウイルス対策で都市封鎖を開始する以前のレベルまで回復したとの情報が流れたこと

(3)新型コロナウイルス用ワクチンが免疫システムを体内で作り出す可能性があるとモデルナ社が発表したことーWHOに寄りますと、現在100以上のチームがワクチン開発を競っており、そのうち8チームが人体への試験的接種を始めています。モデルナ社が発表したのは、Phase1の臨床試験(45人に摂取)の結果で、現在はPhase2(600人に摂取を実施)に入っており、7月にはPhase3がスタートします。そして有効性が確認できれば、2021年初頭にもワクチンの供給が可能となるというものです。しかしながら、これはあくまで予測であり、多くのワクチンは最終段階で失敗するケースが散見されるので必ずしもモデルナ社の予測が現実化する保証は今のところありません

然し乍ら、株式市場にはまだいくつも懸念材料があります。
(1) 景気回復のスピードの期待値が高いこと
(2) 株価が実体経済状況対比異常に割高であること
(3) 米中対立悪化の可能性
(4) 感染第二波の発生リスク
(5) 泥沼化している経済のファンダメンタルズの先行き

海外では、タイ国際航空が会社更生手続き申請を計画しているとの報道が流れました。新型コロナウイルス対策により人の動きを止めざるを得なくなったことで航空業界に大きな皺寄せが来ていることの象徴です。今後の航空機需要にも影響する筈にも拘らず、昨日はボーイング社の株価が13.17%も上昇しているのが不思議に見えます。これは確実に世界的なカネ余り現象がもたらしていると言えるでしょう。

ダウ平均株価は先月高値圏にツラ合わせになって来ましたが、ワクチンネタで更に上昇出来るのか疑問視せざるを得ません。今週も引き続き、ヘッドラインニュースによる楽観論と悲観論の綱引きが相場を動かす1週間となりそうです。

立沢賢一

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