米国株マーケット考察 2021.2.25

マーケットサマリー

米国株式市場は上昇。ダウ平均は424.51ドル高の31961.86ドル、ナスダックは132.77ポイント高の13597.96で取引を終了しました。

ニューヨーク証券取引所の出来高は前日比9835万株減の12億3677万株。

寄り付き後、債券市場では、長期金利が一時1.43%まで上昇したことを受け、ダウ平均は一時110ドル超下落しました。

その後、パウエルFRB議長が米議会下院金融サービス委員会の公聴会で、2%のインフレ目標達成には「3年以上かかるかもしれない」との認識を示し、金融緩和の長期化を示唆しました。

最近、景気回復やバイデン政権による大型経済対策がインフレ加速を引き起こす可能性が高いのではと懸念されており、FRBが予定より早く金融緩和を縮小する方向に動くのではないかとの観測が台頭してましたが、パウエルFRB議長の発言により、それは打ち消されました。

パウエル発言を受け、長期金利は1.3%%台に低下し、ダウ平均は、一時3万2000ドルを初めて突破しました。

株式市場は成長株中心に割高感の見直しの動きがあるものの、景気刺激策、金融緩和基調のFRB 、好調な企業業績、ワクチンの普及というポジティブな要因に支えられ、投資家は下値で買うタイミングを探しているようにも見受けられました。

とは言え、米国債利回りは1.5-1.75%のレンジに突入しますと、流石に相場に冷や水を浴びせることになりそうです。

このレンジはコロナ前の2019年後半の水準ですが、当時の株価は遥かに下の水準にありました。

もしこれを株価と金利のアンバランスと認識するのであれば、債券利回りを抑え込むオペレーションをFRBが施すか、割高な株価が調整されることになりますが、果たしてどうなるのかは未だ分からない状態にあります。

立沢賢一とは


元HSBC証券社長。
会社経営、投資コンサルタントとして活躍の傍ら、米国宝石協会(GIA)会員など多彩な活動を続けている。投資戦略、情報リテラシーの向上に貢献します。
・立沢賢一 世界の教養チャンネル
http://www.youtube.com/c/TatsuzawaKenichi

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