電子カルテのUI/UXを考える その25

これまでI社、N社、F社の電子カルテを利用する機会に恵まれたが、残念ながらN社とF社の電子カルテは使っている最中に腹立たしく思った事が1度や2度ではない。それらの経験を踏まえて、電子カルテに最低限欲しい機能を考えてみた。

①病名とアレルギー情報が最初に表示される

紙カルテでは最初のページに病名が記載されているが、電子カルテでは意外と病名を確認するためのハードルが高い。患者を選択したら、最初に治療中の病名、アレルギーの有無、クレーマー情報、さらに入院患者なら主治医を表示させてほしい。

②過去の記事が簡単に見られる

電子カルテは紙カルテのように過去の記録を簡単に見つけ出すことができない欠点がある。特にF社のようにスクロール表示にされると本当に探しにくい。矢印キーだけで診療科別に医師の記録だけを順に表示させる機能だけは標準にしてほしい。

③過去の処方が簡単に検索できる

例えばF社の電子カルテの処方歴は、最初に数ヶ月分しか表示されず、しかも診療科別ではないため、検索に時間がかかる。せっかく電子カルテにしているのだから、2年前に手湿疹に処方した軟膏ぐらい、サクッとわかるようにしてほしい。

④データ処理のために待たされない

電子カルテ使用中にイライラするのが、データ処理を行うために画面が止まることである。診察中に待てる限界は、せいぜい2〜3秒ではないだろうか。写真の取り込みだけで20秒以上も平気で待たせるF社の電子カルテは、全く話にならない。

⑤紹介状や返事をひな形から作成できる

紹介状などは毎回同じ文面を書くことが多いため、ひな形が利用できれば作成にかかる時間をぐんと短縮することができる。そのため、電子カルテには無くてはならない機能であるはずだが、この機能を省く残念なメーカーも存在するのである。

⑥紹介状がすぐに見つけられる

電子カルテでは、記事の中から紹介状を見つけ出すことも簡単ではない。スキャンもしくは作成した紹介状をリスト形式で表示する機能は、標準で用意されているのが当然であるが、F社の電子カルテではそのために面倒な設定作業が必要である。

⑦処方の入力ミスを教えてくれる

電子カルテと入力ミスは切っても切れない関係にあるが、処方箋の入力ミスだけはあってはならない。ところが、F社の電子カルテは、例え同じ薬をダブって処方しても、軟膏をありえない本数処方しても、見事にスルーして受け付けてくれる。

⑧病名と処方がセットで入力できる

どの診療科においても、疾患によって処方する薬剤は決まっているのではないだろうか。せめて病名と処方だけでもセット化して入力できる仕組みがあれば、入力にかかる時間も少しは短縮できると思うのだが、そのような機能は見たことがない。

⑨取り込んだ写真が回転できる

F社とN社の電子カルテは写真の取り込みは可能であるが、取り込んだ写真を回転させる機能はついていない。そのため、顔が横になった状態で表示されることになる。回転は画像取り込みには必須の機能であるが、これを省く理由が分からない。

⑩検査結果を一覧することができる

PCでまずメールをチェックするように、電子カルテでは検査結果の確認が最優先事項である。しかしながら、結果を一覧で表示する機能はまずついていない。F社の電子カルテも、くじらを飛ばすのなら検査の結果が届いた時だけにしてほしい。

⑪簡単に日本語入力に戻すことができる

電子カルテを使っていて最も困るのが、日本語入力ができなくなることである。何かの拍子でこの症状が発生すると、カルテ入力が全くできなくなるので本当に迷惑する。早くWindowsにもMacの「かな」キーのようなものを用意してもらいたい。

⑫画面デザインが統一されている

すべての操作画面のデザインが統一されていなければ、見た目の印象が悪くなり、操作性にも影響することは言うまでもない。下請けに開発させているのかもしれないが、その結果デザインがばらばらになるというのは、言い訳にすらならない。

以上、電子カルテに最低限欲しい機能の一部を紹介した。もしこれらの機能が最初からついていれば、電子カルテはここまで評価を落とさずに済んだはずである。メーカーがやる気さえ出せば、どの機能もすぐに実現できるのではないだろうか。